身内仲間内ではないところ
kindleなどの電子書籍も、同人誌も同じ。身内仲間内じゃないところにどうやって広がって行くか。そこが難しい。
書評家の豊崎由美さん( @toyozakishatyou )などが発言していたと思う。
作家が作り上げた小説を読み込んで解釈し、作家にフィードバックして作家を刺激して、さらに作品は磨き上げられる。ひとつの作品が独り立ちして広く読まれるのは作家、編集、書評家の相乗作用があってこそ(超意訳)
どこにウエイトがあるのか、全面的に賛成ではないけど、作品が磨き上げられ広く読まれるために、身内仲間内ではない目利きの読み手が必要だというのは賛成。鉄板の正解だ。
今日時点の、わたしの観測範囲でしかないけど。電子書籍界隈は「書き手」の身内仲間内での盛り上がりで、書店で本を買って読むような「読者」には届いていないように見える。
作品に関する話題にしても「書き手」の他者の作品に対する感想・書評は、残念ながら馴れ合いにしか見えない。返り血を浴びるのを避けてしまうのではないか、と勘ぐってしまう・思ってしまう。
書き手と距離のある・書き手と対峙する読み手こそが必要だろう。
電子書籍はWEBと相性がいい・親和性が高いから読者獲得のためにWEBで展開する、というのはもっともらしいし正しいかもしれない。でも、それではしょせん身内仲間内の範囲にしか届いていないのでは。
twitterに限らずネットは自分が選択したものを見る場所で、自分にとって都合の良い空間。twitterだったら、フォローしているのは同じ属性になりがちだから、盛り上がって見えても、それってゲットーの中だけ。
めちゃくちゃ地味だけど、チラシを刷って地元の書店に持ち込んで頭を下げておいてもらって、日常的に本を買って読む読者の目に触れることを考える。コミティアやコミケなど一般参加者の多いイベントにサークル参加して本を作って並べることを考える。そっちの方が(身内仲間内ではないところの)読者獲得にはいいんじゃないか。
WEBで展開するにしても、自分の見ている範囲ではないところに広げることを考える。
kindleというかAmazonは、WEBサービスがあるので、放っておいても最低限どこかでひと目に触れることになるのが最大のメリット。
とはいえ、きっとそのうち何かの拍子に目にとまることもあるだろうというのは気の遠くなる話で焦る気持ちもわかるし、良いものを書いてれば認められるなんて牧歌的な話もいまどき信じられないし。
わたしは著者作家のコミュニティにはあまり興味がない。興味があるのは読者が集まっているコミュニティ(身内のことをいうと、著者作家のコミュニティは同人誌仲間で足りている。「なにこれ意味わかんないよ」「どうしてこのキャラこんなことしてんの」など血みどろの優しいやりとりがあるようだ)
読書会などを主催している読者グループがあるし、SF大会やミステリ大会などがある。そういったところに積極的にコミットして、貢献もして、協力も仰ぐ。
出版社が会社組織で広報宣伝するならともかく、個人出版だ。地盤看板カバンとは良く言ったもので、そのためのドブ板選挙活動。
先人の言う通り、先が見えなくても、小さなことからこつこつと、継続することが大事。という親戚のおっさんみたいな結論。
でもなあ、継続するのは大変なんだよなあ。そこんとここそ大事。
[05/12 08:36:25] 追記。
ウチの場合は軸足が同人誌即売会。10年以上、20年近くになるのかな。ありがたいことに「新刊ください」という一般参加者さんも少しずつ。また、即売会で個人出版ではない別ルートの電子書籍版元からお声かけいただいて、そちらと(微々たるものとはいえ)印税仕事にも繋がっている。
地道にちょっとずつ。
» ローカル環境で電子書籍を作る、Macアプリ・Windows版ツール 「かんたんEPUB3作成easy_epub」
CSSとperlの小ネタめも
電子書籍がらみ。HTMLとCSSでどうやって表示・表現すればいいんだろうと調べたことをメモしておこう。
【横書き】
1M(1メガバイトは)は、2の20乗バイト(2<span style="font-size:0.6em;padding-botto:0em;vertical-align:top">20</span> = 1048576バイト)です。
この文字の右肩に小さくついてる「20」ってどうすんだ、画像にしてくれなきゃ無理だろ、と思わず担当者にメールしようとして思いとどまった。調べた。
右肩に小さくつけたい文字をspanタグで囲み、spanタグにスタイル指定
フォントサイズを小さくして、下側のpaddingを0にして、表示の基準ラインをトップにする
(padding-bottom は指定しなくて大丈夫っぽいけど…どうして指定してあったんだろう)
【縦書き】
縦中横をperlで一括処理する。
単純に、すべての半角アルファベットに縦中横のタグをつけるのは簡単な正規表現。
このあたりに → 『ルビのため perl unicode正規表現』
縦書きなのにやたら英単語が混じると、単語の長さによって縦中横になったりならなかったり、とても読みにくい。ということで、アルファベットの縦中横について
・アルファベット一文字は縦中横にする
・英単語は縦中横にしない
英単語をとりあえず別形式にエンコードして保護しておく。
「tab+アルファベットの10進数」
タブだったら原稿に混じり込む可能性は少ない。タブ+数字というのはまず出てこないだろう。
一文字のアルファベットに縦中横を定義したクラスを指定。
タブ+10進数にしておいたアルファベットの英単語を元に戻す
(上記、正規表現のところをいじれば、アルファベット2文字までは縦中横にする、3文字以上の単語はそのままにする、なんてことも出来る。でも、中途半端な設定は読みにくくなるだけ)
ていうか、そもそも、アルファベットの英単語や数字が入り乱れる「実用書」なんて縦書きである必要は感じない。底本が縦書きであっても、電書にする時には横書きで十分。縦書きの底本は全角半角アルファベットがその時々で別々。正直とても読みにくい。小説でもないのになんでまた縦書きにしたんだろう。謎だ。
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» ローカル環境で電子書籍を作る、Macアプリ・Windows版ツール 「かんたんEPUB3作成easy_epub」
Nexus7 KindlePaperwhite iPhone
Nexus7 が今日届いた(Fedexって土日祝は配達がないと言う記述をみかけたけど、配達はクロネコヤマトだった)
請負仕事でのKindle本の表示検証用に買ったので、まずはAndroid版kindleをインストール。
写真がヘボすぎるけど、kindle paperwhite iphone5 nexus7
iPhone版Kindle
Andorid版Kindle
Kindle Paperwhite
約物の天付き規則というのか。Android版とPaperwhiteはカギカッコのアキがなくて、iPhone版は半角アキになってるっぽい。
こうして、アプリやデバイスでの妙な差を埋めるのに悶絶が始まるんだろうなあ。WEBでの悪夢が繰り返される。とほほ。
Nexus7自体は、まだほとんどいじってなくて、さらっと触った感じだと
・思ったより小さい
・思ったよりさくさく動く
・見た目のわりにちょっと重い
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» ローカル環境で電子書籍を作る、Macアプリ・Windows版ツール 「かんたんEPUB3作成easy_epub」
電子書籍の動作・表示確認方法
請負仕事で電子書籍の制作。
前にも書いたように、現状ターゲットは。(1)Kindle (2)その他EPUB3。
どこの版元(?)も同じで、 1と2の間には超えられない壁があるらしく、まずkindleでの動作や表示確認となり、iBookstoreやKoboはepubcheckでエラーの出ないEPUB3ファイルであればOKという条件での納品パターンが主流になっている。
制作したEPUB3の動作・表示確認方法が悩ましい。
わたしはKindle Paperwhiteで確認、iPhoneに send-to-kindleでmobiファイルを送ってiPhone版kindleアプリで確認、さらに心配になったら、今スマホとしては使っていないIS03に send-to-kindleでmobiファイルを送ってAndroid版kindleアプリで確認をしている。
(iPhone版は販売されてみないとわからない、という制作者泣かせで実際は役に立たない)
某社のEPUB3制作をしていて、kindleで色の確認がうまくできなかった。
文字の一部の色をオレンジにして、その中の一部を黒い文字にする。
pタグにcolor:orangeを指定して、その中の span タグに color:#000000 にしたクラスを指定したところ、Paperwhiteだと意図通り、黒指定のところは黒文字になっていた(いや、Paperwhiteはグレースケールだからわからないんだけど、他の色との比較、デフォルトの黒い文字との比較で判断)
ところが、kindle Fire HDだとpタグのオレンジは効いても、その中のspanタグで黒を指定してもオレンジになっていた。
PaperwhiteとfireHDでも挙動が違うっぽい。
kindleのガイドラインでは、デバイスやアプリで背景色を変更して文字が読めないのはいけません、基本的に文字色はアプリ側にまかせて、制作側で指定するな、と。
実際、文字色をいちいちすべて黒に指定した電子書籍が配信停止されたという話をみる。
憶測だけど。color:#000000 は無視されるのかなぁ。
なもんで、Fire HDが必要?スマホの小さい画面じゃ確認にならないよね?…でも、Fire HDが売れてるという話は聞かないし、買ったところでKindle用にチューニングされていてそれしか使えない。この手のオモチャは使ってるひとが多い方が情報も多い(当たり前だ)
FireHDもAndroidだし、Android版kindleアプリだろうし、ほかのAndroidタブレットを探した方が良さそうだ。
スペック的には、googleのNexus7 16G WiFi版が手頃かなあ。でも用途としては表示チェックだけだし使い捨てっぽく安けりゃ安いほどいいし、などと考えて「中華パッド」で検索したらもう「わけわかめ」
Androidって種類が多いし画面のサイズや解像度がいろいろありすぎて朦朧とゲシュタルト崩壊。
もう少し検討してみよう。
[05/03 15:24:02] 追記。
…て、ほとんど検討もしないまま、Nexus7 をポチってしまった。連休明けには届くかな。
» ローカル環境で電子書籍を作る、Macアプリ・Windows版ツール 「かんたんEPUB3作成easy_epub」
電子書籍は版元には厳しいらしい
複数の版元(といっても既存出版社ではなくて電子書籍に軸足をおいた零細版元)や制作から聞いた話。
現状、立ち上がったと言っても電子書籍は厳しい、と。
電子書籍は実売、売れた分が(基本)月ごとに締められて支払われる。支払いがあって初めて売上がわかる…って当然なんだけど。
従来、どこの版元も発行発売の計画を立てて、この月は売上がナンボ、と計算を元に増刊や新創刊に金をまわす。
取次ぎ営業の結果、この雑誌の部数は(たとえば)10万部と決まる・取次ぎからは売れようが売れまいが、まずその部数分が支払われる。返本は後から処理される。
なので、先々の計画が立てられる。事前に売上が足りない月などわかるので急遽増刊などを「出すことで埋めればいい」自転車操業しながら次のヒット商品を模索する・できる。
ところが、電子書籍はこんな計画は立たない。立てられない。蓋を開けてみてあらびっくり、というか、びっくりで済めばいいけど人件費などの固定費も出せずに首筋の寒い話になりかねない、と。
その分、数出せばそれだけでいいわけでもなくて、出したら出したタイトル数分だけプロモーションにWEBだソーシャルだと常に動く必要があり、そこにリソースが割かれて「本当に疲れます」と、実際深夜の連絡や休日出勤を見る。蓋を開けてみないとわからない売上のために新たにリソースを投入するのは怖いので、すでにあるリソースに負荷がかかる。
何もしないでも売れる強いコンテンツなど限られている・ほとんどない。
app storeも去年の夏だか秋頃にランキングのアルゴリズムが変わり、またストアでの表出が変わったらしく。以前だとランキング1位を取れば一日のダウンロード数が、ン1000あったのに、全然落ちているとデータをみてはため息という話を去年暮れに聞いている。
WEBはロングテイル。長いものには巻かれろ、寄らば大樹の陰。お金をジャブジャブつぎ込める企業か、一発狙いでもやっていける個人レベルかの両極端な二択の世界。
その中間ぐらいの位置の中小版元は苦しいかなあ。そもそも出版社って規模的にはほとんどが中小零細だし。
とはいえ。アベノミクスだ。アナウンス効果というのは実際にある、だろうから、実態・実体が着いてくるまではネガティブな話はしない!(その割に釣りタイトルでごめん!)
[04/28 13:25:47] 追記。
https://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1304/25/news086.html
角川の電子書籍。ラノベがいいらしい。
カドカワブランドか、ラノベのシリーズ名認知か。web側だけではなくて、リアル側での権威・認知が欲しいところだ。
» ローカル環境で電子書籍を作る、Macアプリ・Windows版ツール 「かんたんEPUB3作成easy_epub」
かんたんEPUB3作成easy_epub
easy_epubはローカル環境でEPUB3電子書籍ファイルを作るスクリプトの一式です(本文のテキストデータとカバー用の画像が一枚あればそれっぽい電子書籍にします)
WINDOWSのかたは別途 Perl (ActivePerl)のインストールが必要となります。記事最後にperlの入手先など記載しました。
これで作ったEPUB3ファイルはエラーのないシンプルなものでこのまま、kindle KDP、iBookstore、google play、楽天kobo KWL、角川BOOK☆WALKERでの販売に使っています。
こちらをダウンロードしてください → https://t2aki.doncha.net/release/easy_epub.zip
※フリー(無料)ですのでご自由にどうぞ。
[2016/10/29 09:00:01]最新版(ちょくちょくバグ修正してますので最新版をご利用ください)
(※直リンクできないフォルダにあるので、このリンクを直接クリックしてください)
以下の本ページの内容に説明や画像を追加したeasy_epubのマニュアルを販売中です
【easy_epubマニュアル(PDF版)】(300円)
PDFですので、印刷して手元でパラパラ見ながら電子書籍を作ってみようというかたには有用かも知れません。
・電子書籍を作るために用意するもの
・電子書籍の制作と縦書き表示例
・横書き表示例
・挿絵や画像の指定と表示例
・改ページをしない小見出し
・ルビと縦中横
・扉ページなど、その他オプション
・編集後EPUB3ファイル(zip)に梱包
・Macアプリ版(コマンドラインなんて面倒くさい!)
・WINDOWSについて
・WORD 2010(.docx)からEPUB3を作る
・EPUBチェックで確認する
・EPUB3固定レイアウトを作る
・ソーシャルDRMをつける
・音声付き電子書籍作成
・ハイブリッド型EPUB3作成
ダウンロードしたら適当なところ、たとえばデスクトップに解凍(ダブルクリック)
「easy_epub」というフォルダが出来て、作業はこのフォルダで行います。
※ 以下のファイルはサンプルやオプション用です
[サンプル]text-file text-file-noruby ruby.txt word_sample.docx
[ドラッグ&ドロップ用]easy_epub.bat(WINDOWS) EasyEpub.app(Mac)
[epubcheck用]epub_check.pl epub_check.bat(WINDOWS)
[EPUB3梱包圧縮]epub_pack.bat(WINDOWS)
用意するものは、最低限以下の2つだけです。
・小説原稿のテキストファイル
・カバー用の画像 cover.jpg (名前は固定)
※ cover.jpg は easy_epub フォルダの中の、「original_images」フォルダに入れます。
小説原稿は冒頭部分に本の情報を書き込みます。
((小説タイトル))タイトル
((小説著者))著者名
カッコカッコ 小説タイトル カッコカッコ タイトル
と書きます。
「小説タイトル」「小説著者」「小説イラストレーター」「小説デザイン」「小説編集」「小説発行者」「小説発行日」の計7つが使えます(「小説発行日」は複数指定可)
タイトルと著者名は必須です。
発行日を記入しない場合、ファイルを作った月の末日を自動で入れます。
※ 書誌情報にタイトル、著者名を入れるほか、奥付に名前等を載せます。
小説本文には
(小見出し)本文
(小見出し)第一章
(小見出し)◆
または
((扉タイトル))第一章 猫神の時間
など「カッコ小見出しカッコ 小見出しに表示する文」または「カッコカッコ扉タイトルカッコカッコ 扉に表示する文」が最低限本文先頭にひとつ必要です。
カッコの後ろ、表示する文章・文字にルビなどHTMLのタグは使えません。
(※・扉ページなど、その他オプションの、表示用目次作成オプションをつけると小見出しにルビなどを使うことができます)
目次に使いますのでわかりやすものをおすすめします。
「(小見出し)」はページの先頭に、「((扉タイトル))」は扉ページになります。
※ 小見出しや扉タイトルを目次として登録します。
挿絵(1ページ全画面表示)や本文中の画像をつけることができます。
※ HTMLのタグを素通ししますので、本文テキストにルビや縦中横のタグを埋め込むことが可能です。
・小説原稿
準備ができたら「アプリケーション」→「ユーティリティ」→ターミナル.appを立ち上げます。
※ デスクトップに easy_epub を解凍した場合、以下のコマンドをタイプします。
・cd ~/Desktop/easy_epub/
↑ easy_epubフォルダに移動する
・ls
↑フォルダ内の確認
・perl ./easy_epub.pl text-file
↑EPUB3電子書籍を作成する
(text-file は小説原稿のテキストファイル名)
上記のコマンドをタイプするとeasy_epubフォルダに「yyyymmddhhmmss.epub」(年月日時分秒.epub)という名前でEPUB3電子書籍ファイルができあがっています。
コマンドラインはちょっと面倒くさいので、ドラッグ&ドロップするだけのアプリ版も同梱しました。こちらをご覧ください → ・Macアプリ版
↑サンプル(text-file)を電子書籍にする動画。【Mac】
・EasyEpub.appを開く
・text-fileをEasyEpub.appにドラッグ&ドロップ
↑サンプル(text-file)を電子書籍にする動画。【WINDOWS】
・text-fileをeasy_epub.batにドラッグ&ドロップ
・フォルダ構成
・カバーページ(画像は解像度300dpi程度、縦横比は4:3か16:10で用意しましょう)
・タイトルページ(縦書きの場合はスクリーンショットのように左右中央配置となります)
・目次ページ
・本文ページ
・奥付ページ(縦書きの場合でも奥付は横書きとなります)
今のところ設定できる本の情報
奥付ページ
((小説横書き))
と一行追加すると横書きになります。
・本文で使う挿絵など画像は easy_epub フォルダの中の「original_images」に入れます。ファイル名は半角英数字。
・本文中の挿絵を入れたいところに画像ファイル名だけを一行で書きます。
・本文中に使う画像を入れたいところに「画像ファイル名 サイズ(数字)」を書き込みます。
スクリプトでEPUB3電子書籍ファイルを作ると以下のフォルダ構成になります。
(original_imagesフォルダにある画像ファイルが OEBPS/images フォルダにコピーされます)
・挿絵はひとつのXHTMLファイルで強制改ページとなります。
・本文中画像は「test.jpg(ファイル名) 50(数字)」と記入すると
(数字は表示サイズ(=表示画面に対する%指定)となります。ファイル名と数字の間は半角空白が必要です)
以下のHTMLに展開します。
縦書き
横書き
この状態ではいわゆる「回り込み」はしません。
bookstyle.css の .image-wrap というクラスの clear:both を削除して、float:left rightを指定すると回り込みとなります(が、回り込みは、あまりおすすめできません)
・挿絵
・本文中画像(横書きと縦書きの例)
(小見出し)と書くことで改ページしますが、小見出しでいちいち改ページしたくない場合は
(小見出し2)を使えるようにしました。
・HTML目次と論理目次(toc.ncx)
・小見出しはh2タグを使ってます。
※ これは適当な実装なので補助程度に考えてください。
文章を書くときは文章に集中したいし、書いた原稿はできるだけ(タグなどの)余計なものは入れたくない…ということでルビを別ファイルで指定することもできます。
ルビは2種類の指定方法があります。
・ルビ用ファイルを別に用意する
((小説ルビ))ruby.txt
ルビのファイル(ruby.txt)は一行にひとつずつ。ルビファイル名は任意のもので大丈夫です。原稿データと関連づけた名前にしておくと管理がラクかもしれません。
「漢字」[tab]「ルビ」
と、タブで区切って並べていきます(文字コードは、BOM無しのUTF8でお願いします)タブの左側の文字に、タブの右側の文字をルビにします。
(最初の一回だけルビを振ります。登場人物の名前や特殊な読み、難読漢字あたりが使いどころでしょうか)
・perl easy_epub.pl text-file-noruby
↑「text-file-noruby」がサンプルファイルです。
ふりそこなったルビは「年月日時分秒_ruby.log」というファイルに出力しますのでテキストエディタなどで開いてご確認ください。
・本文中に「文字(もじ)」と、「漢字 半角カッコ るび 半角カッコ」と指定します。
(半角の「|」(縦棒)をつけることで、ルビの開始位置を指定することもできます)
上記のルビ用ファイルを用意する・ルビの指定を使うで大雑把に指定して、細かいところは直接HTMLのルビタグで指定してください。
((縦中横))
と一行入れることで、2桁以上の半角数字と半角の「!?」「!!」「?!」を正立させます(※縦組の場合)
※ 2桁以上の半角数字がすべて対象になるので、意図しないところが正立することもあります。ご確認ください(半角で1桁の数字は正立しません)
・本文中の「(了)(完)(終)」だけの行は文字の位置を最下部にします。
・本文中の「◆●」だけの行は3文字分字下げします。
・本文中の「(改ページ)」だけの行はそこで改ページをします。
・additional_page という名前のフォルダに bookslist.xhtmlという名前のファイルがあったらそれを末尾に追加します(既刊紹介などに)
・additional_page という名前のフォルダに option0.xhtml option1.xhtml option.xhtmlという名前のファイルがあったらそれを奥付の前に追加します(参考文献や著者紹介、初出に)
・overrideという名前のフォルダに入れたファイルと同じ名前のファイルがOEBPS/text/フォルダに入っていたら、overrideフォルダのファイルで OEBPS/text/のファイルを上書きします。1度EPUBファイルを作った後、OEBPS/text/のファイルを別に編集して使いたい場合などorverrideフォルダに同じ名前で保存するという使い方を想定します。
・字下げなどブロック、段落ごとの指定をしたい。
原稿冒頭のタイトルなどの書誌情報のところに「((ブロックスタイルあり))」と一行追加します。
本文の「<」で始まる行をそのまま素通ししますので、タグを記入してクラス名を指定して、bookstyle.cssに字下げ用のスタイルを入れておけば字下げされた段落が作れます。
easy_epubでは行をPタグで囲みますが、「((ブロックスタイルあり))」を指定すると、先頭が「<」で始まる行はPタグで囲まずにそのまま使うことになります。
・目次にGuide/表紙/タイトル/目次/本文など表示させない
原稿冒頭のタイトルなどの書誌情報のところに「((表示用目次作成))」と一行追加します。
デフォルトではEPUB3のNavigation文書をそのまま目次として使っているので、本文の目次のほかにlandmark部の「Guide/表紙/タイトル/目次/本文」を表示することになります。このlandmark部が不要でしたら、このオプションを指定してください。
表示用目次(display_index.xhtml)はタグを素通ししますので、本文原稿の「小見出し」に、ルビや縦中横、傍点圏点などが利用できるようになります。
・扉タイトルページにサブタイトル指定
((扉タイトル))タイトル[tab]サブタイトル
とタブで区切ってサブタイトルをつけます。サブタイトルはスタイルシートのsubtitleクラスでちょっと小さ目の文字にしてあります(縦書きの扉ページの場合、文章が長いとうまく表示できない場合があります。事前に実機で確認してください)
easy_epubでの指定だけだとシンプルなものになります。凝ったレイアウトやデザインにする場合は直接XHTMLやCSSを編集してください。
easy_epubで作成後
・OEBPS/text/ フォルダにあるXHTMLファイル
・OEBPS/style/ フォルダにあるCSSファイル
を編集してください。文字コードUTF8を扱えるテキストエディタやDreamweaverのようなHTMLエディタが便利です。
編集後、ふたたびEPUB3ファイルに梱包します。
EPUB3はZIPファイルですが、梱包する時に少し制約があって、ただzipで圧縮するだけではエラーになります。そこで、easy_epubでは
・perl easy_epub.pl pack
↑コマンドラインで、テキストファイル名の代わりに「pack」とタイプするとEPUB3のお約束通りに梱包圧縮することができるようにしました。
※ WINDOWS用に epub_pack.bat というバッチファイルを同梱しました。編集後このバッチファイルをダブルクリックで再梱包します。
easy_epubフォルダの中に「EasyEpub.app」というMacアプリがありますのでダブルクリックしてください(または、右クリックして、メニューを出してシフトキーを押しながら「開く」でお願いします)
ダブルクリックするとウィンドウが開きます。ここに原稿のテキストファイルをドラッグ&ドロップすると
EPUB3電子書籍ができます。
・perl のインストールが必要となります。
https://www.activestate.com/activeperl/downloads
↑ここから、WINDOWS版(32bit or 64bit)をダウンロードしてインストールしてください(インストールではYESで次に進むの連続で特に問題はありません)
easy_epub.zipをダウンロードして適当なところに解凍、その後easy_epubフォルダで作業します。上記の手順と同じです。
WINDOWSではコマンドウィンドウを使います。
デスクトップにダウンロードして解凍(右クリック→「すべて展開」)すると、easy_epubというフォルダができていて、そこにスクリプトやサンプルテキストがあります。
エクスプローラーで開いて、easy_epubフォルダ内で「シフトキーを押しながら右クリック」して「コマンドウィンドウをここで開く」
コマンドウィンドウで
・perl easy_epub.pl text-flie
↑EPUB3電子書籍を作成する
(text-file は小説原稿のテキストファイル名)
上記のコマンドをタイプするとeasy_epubフォルダに「yyyymmddhhmmss.epub」(年月日時分秒.epub)という名前でEPUB3電子書籍ファイルができあがっています。
または、easy_epub.bat に原稿のテキストファイルをドラッグ&ドロップしてください。
※ これは適当な実装なので補助程度に考えてください。
※ ワードでのレイアウトやデザインは引き継ぎません。テキスト同様シンプルな文書になります。
WORD 2010以降、拡張子が.docxのワード文書をEPUB3にコンバートします。
原稿の書き方はテキストと同じです。本の情報や(小見出し)などを入れてください。
縦書きor横書きはワード文書どおり。また、縦中横、ルビは、ワードに書かれているものをそのまま生かします
(テキストの場合に指定する((小説横書き))、((小説ルビ))と((縦中横))は不要です)
・冒頭には本の情報、小見出し。ルビもワードで指定。
・縦中横をワードで指定
・perl easy_epub.pl word_sample.docx
↑コマンドラインにタイプしてください。サンプルにワード文書(word_sample.docx)をつけました。
または、easy_epub.bat(WINDOWS) にドラッグアンドドロップ、EasyEpub.app(Mac) で作成してみてください。
もう少し詳細説明→ 「かんたんEPUB3作成でWORDからEPUB3を作る」
EPUB3ファイルを作ったら必ずEPUBチェックで確認しましょう。
epub_check.pl というスクリプトで、自動でepubcheckをダウンロードして使えるようになります。
(javaがインストールされているかの確認もします。WINDOWSの場合、JAVAのインストールが別途必要になることがあります)
・perl epub_check.pl yymmddhhmmss.epub(EPUBファイル名)
↑このように「No errors or warnings detected.」(エラーや警告は見つかりませんでした)と表示されればOKです。
※ 初めて実行する時はepubcheckをダウンロードしてますので、ちょっと時間がかかります。気長にお待ちください。
Macはターミナル.appでコマンドラインを使います。
WINDOWSはコマンドプロンプトか、epub_check.batにEPUBファイルをドラッグ&ドロップします。
epub_check.pl では現状最新のepubcheck 4.0.1 をダウンロードしてeasy_epubフォルダに解凍して使えるようにしています。
最新のEPUBチェックはこちら→ https://github.com/IDPF/epubcheck/releases
・長所
原稿テキストがシンプルなこと。
電子書籍ファイルを作るために原稿テキストに入れるのは、冒頭に本の情報(タイトル、著者名など)と、本文に最低ひとつの小見出しだけです。
ほぼ「原稿本文」だけのテキストファイルなので、書くこと・原稿の中身に集中できます。
また、テキストファイルひとつなので、データの管理も簡単です。
・短所
デフォルト状態だとシンプルなこと。
できることが限られてるので、小説など文章中心のものならともかく、実用書やビジネス書のようにレイアウトやデザインに凝りたい場合、HTMLやCSSを直接編集してふたたびEPUB3ファイルに梱包圧縮する必要があります。
デフォルト以外のことをするためにはHTMLやCSSに関する知識が必要です。
easy_epubには青空文庫から、ドストエフスキーの『キリストのヨルカに召された少年』をサンプルテキストとして同梱させていただいてます。
https://www.aozora.gr.jp/cards/000363/card47042.html
青空文庫の成果に感謝!
ちなみに本作品、問答無用の傑作です。この機会にぜひ!
・漫画(コミックス)や写真集のための固定レイアウト(フィックス型EPUB3)の電子書籍を作るためのスクリプトも公開しています。
こちらに→ 「コミックスなど固定レイアウトEPUBを作る」
・EPUB3ファイルに購入者・所有者のメールアドレスを埋め込めるようにしました。無料配布や献本などにご利用ください。DRMほどではありませんが、いわゆるソーシャルDRMという仕組みのようなもので、コピー流出の抑止効果があります。
こちらに→ 「メールアドレス埋め込みを機能追加」
・ターミナル(mac)やコマンドプロンプト(windows)での操作、アプリの準備などが必要ですが、音声付き電子書籍も作成できます。media overlaysに対応したアプリで読むと読み上げ部分をハイライト表示します。
こちらに→ 「動画で見る音声付き電子書籍の作り方」
これで作った音声付き電子書籍→ 「「眼聴耳視」音声付き電子書籍公開リスト」
・リフローレイアウトとフィックスレイアウトが混在したハイブリッド型のEPUB3ファイルを作成します(文章はリフロー型、画像はフィックス型)
挿絵や写真など画像をディスプレイに余白なくフィットさせるために、画像のページをフィックス型のページで表示します。リフロー型のように中途半端な余白がないので一枚絵のイラストや写真が意図通りに表示されます。
角川のBWインディーズにはこちらをおすめします。
こちらに→ 「かんたんEPUB3作成ハイブリッド型EPUB3対応版」
・同梱されているサンプルテキスト(text-fileという名前のファイル)でEPUB3ファイルが作成できれば、WindowsでもMacでも動作環境的には大丈夫です。
・不具合やご要望など、問い合わせフォームやtwitterで連絡いただければできるだけ対応します(無理でしたらすみません)
・利用規約などはありません。ご自由にお使いください(制約の緩い MITのライセンス とします)
・奥付に「epub3: doncha.net」とURLが入りますが不要でしたら okuduke.xhtml から削除、編集してください。
・このスクリプトを利用したことによる損害などについては免責とさせていただきます。
・なお、スクリプトのカスタマイズ(業務利用)をご希望のかたは問い合わせフォームよりご連絡ください。別途お見積もりのうえ、ご相談させてください。
・また、制作代行も承っておりますので、気軽にご連絡ください。
こちらからどうぞ→ 「kindle EPUB3の電子書籍制作します」
かんたんEPUB3で制作した電子書籍→ doncha.net制作発行の電子書籍一覧
おすすめのEPUB3解説本。