電子書籍の校正・修正作業
現状、電子書籍は校正・修正作業が難しくて悩みどころ。
修正作業する側は、EPUBの中のXHTMLの該当箇所を検索して直す。どこを修正するのかさえわかれば、どのような指定でも作業的にはほぼ同じなので、それほど大変なことではない。
校正する側の負担、というか面倒が大きい。
元原稿(ワードやPDF)と端末表示をつき合わせて、端末表示で誤植など見つけたら、元原稿の該当箇所に赤入れ(コメントを入れたり)する。
紙のようなゲラがあればそこに直接赤入れできる。端末表示に紙のような一覧性も求められないし、ページを行ったり来たりするようなことも向いていない。あれ?さっきの単語どこだっけ?で戻る気力も萎える。
校正なんて、やってもやっても誤植が湧いて出てくるというのに、元原稿と端末表示を見比べてやってたんじゃ、いつまでたっても校正が終わらない。
また、「何ページの何行目」というのが電子書籍にはないので、電話で済む簡単な校正にも前後の文・パラグラフをつけて指定する必要がある。
(EPUB3はページリストという元のページを指定できる仕掛けがあるんだけど、対応しているリーダーがほぼ?ないので使えない)
電子書籍もゲラというかプリントアウトが必要かもしれないニッチな先祖帰り。
今日、ツイッターで流れてきたepubをPDFに変換するというネタを見て思った。残念ながら今日紹介されていたものは日本語に対応してないけど、WEBサービスやアプリなど「epub pdf変換」で検索すると出てくるので試してみる(ブラウザのアドオンで自動キャプチャなどは手軽手頃な感じかなあ)レイアウト・デザインの完全な再現は難しくても、文字校、ルビ、下線、太字のチェックぐらいなら使えそう。
ついでに、ふたたびみたびTeXもインストールした。
以前、2010年だか12年ごろにkindleで出版しようとPDFでも行けるのかと思って試してた残骸スクリプトも引っ張り出した。TeXもEPUB(XHTML)もマークアップ言語。大雑把にコンバートできる、かもしれない。
プリントアウトじゃなくて、もっといいやり方はないもんだろうか。うううむ。
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2014初詣
昨日、2014年1月1日元旦、初詣に。今年のおみくじは「末吉」。
去年に続いて地元の神社。明治神宮にいったり柴又帝釈天に行ったりしてたんだけど、やっぱり氏子というか地元の近いところがいいかなあと、ここ数年はこの神社で初詣をすることにしている。
小さな神社なのに舞台があったり、七福神をはじめ、いろんな祠が同居する。
改めて眺めると、言ってみれば神さまの集合住宅。本殿のほかに敷地内に点在する祠の数にちょっと驚かされる。何人の神さんがここに祀られてるんだか。古事記なんかを読むと、日本の神さまはこれでもOKだろうと思うけど、海外のひとが見たらどうなんだろう。神社というか神道というか、変な空間だなあ、と。
二礼二拍手一礼。
不思議なもので、それなりに神妙な気持ちになる。たまにはいいかな、とか。健康を祈る初詣。
ここをご覧になったみなさんも今年一年健康で良い年でありますように。
地元の小さな神社も面白いかもしれませんよ。
頭の写真はiPhoneのカメラ、下の写真は鷹の目Carl Zeiss JENA DDR Tessar 50mm F2.8
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2014年電子出版界隈(戯言)
具体的なデータなどなく、思いつきの羅列。
2013年はやっと電子書籍元年だった、というのは異論のないところだと思う。
楽天kobo、Amazon(kindle)、apple(iBookstore)、google play ブックスといった電子書籍ストアが出揃った。やっと。
出揃ったというのは、小学館・集英社、講談社、新潮社、角川書店など大手版元が上記ストアに展開し始めた、ということ。
・一般読者への(電子書籍に対する)認知もこれでやっと浸透する条件が整ったと思う。
大手版元各社とも、新刊を出す段階で電子書籍の展開も考えて契約してストアに流してくるので、出版点数が加速するのは間違いない。
かれらは、手持ちの紙資産タイトル数が半端じゃないし、その品切れ絶版ってわざわざ金をかけて投入する意味があるの?というタイトルも、電子書籍は実在庫を抱えるのではないので、経理処理だけの話に落とし込んで(優先順位は低いだろうけど)順次投入するのではないか。
著作権切れの海外文学を文庫で出すような位置づけで、塩漬けになっているタイトルが出てくる可能性。目先の6ヶ月で採算が取れない・ペイできないとしても電子書籍は物理的な在庫を必要としない・劣化しないんだから、その処理と対応の話に思える。経理業務をシステム化して軽くできれば雪崩れこんでくるに違いない。
・ボーンデジタルはまだ時期尚早だろう。
アプリから移住してきたり、金の匂いで参入してきたネット屋が退場する年となる。
ぶっちゃけわたしはこういうのが嫌いなのでバイアスがかかってる状態でいうと。タダでコンテンツを調達して、乞食に投げ込んで、広告クライアントから金をせびるというビジネスモデル。
自らがメディアとなって(=パトロンとなって)コスト(金や労力)をかけてコンテンツ制作、供給していくぐらいじゃないと読者の信用は得られない・クリエイターは集まらない。
去年2013年は、ボーンデジタルでやっていたところで、人員削減・業務縮小、撤退という話が。市場規模がまだ小さくて思ったほどダウンロード数も稼げなくて金にならなかった・資産もなく新規の制作費ばかりがかさんで無理だったということ。ネットは始めるのが簡単なのでやめるのもスグ。今年もその我慢比べ。体力のないボーンデジタル組は脱落する。
・個人出版は電子書籍の枠ではなくて
コミケやコミティア、文学フリマなど、個人が出版、Publishする場所は電子書籍以前から広がりを見せている。
ここで何度か書いたように、イベントでしか入手できない本をダウンロード販売でその場で入手できるのは電子書籍の強み。去年すでに、同人誌即売会でやっているサークル、作者さんたちはkindleなどの電子書籍ストアに並べ始めている。今年はそれも増えるだろう。…とはいえ、まだイベントがメインになるのでどっと流れ込んでくるようなことにはならず、徐々に増えてるかなあ、ぐらいか。
ということで。
今年2014年は既存の大手版元が電子書籍市場で存在感を示す、電子書籍が既刊本も含めて街の大規模書店と同じような品揃えになる年になる…というか電子書籍を一般読者に認知してもらう年にならないと市場が膨らまないので頑張ってください。
電子書籍で本を読む、読書環境として電子書籍が一般化するところまで期待させてください。
[01/02 22:15:28] 追記。
楽天kobo。わたしは楽天はあの腐ったスパムメールで大嫌いなんだけど、去年の電子書籍元年は楽天が重い扉を開いたらしい。
下請けで仕事をいただいた版元さんから「楽天がなければまだ先になってたと思います」という話を聞いた。楽天としてはそれ以前から「打倒Amazon」で、いよいよkindle上陸かということで国内版元に強烈な働きかけ。オープン当初の社長の発言や一枚画像やwikipediaを一冊に水増ししたり問題になったけど、2013年を電子書籍元年にしたのは2012年の楽天だったということか。時間の問題に過ぎないと言われりゃそうかもだけど、少しでも早くにオープンできたことに関しては感謝、頭を下げるばかりだ。
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謹賀新年2014
あけましておめでとうございます。
健康で良い年でありますように。今年もよろしくお願いします。
今年の展望希望。
去年は電子書籍元年といっても、下請けフリーターにとってはまだまだ不安定。2013年秋からは制作仕事が激減してしまった。たぶん我慢比べは続くだろうから今年も業務縮小や撤退などの厳しい話が出てきそうな予感。
安定供給できる体制や、土壌・市場が必要で、そのためには「紙資産をもっていて」「1000単位でタイトルを揃えられる」(=制作費が抑えられて数の勝負ができる)既存の版元の参入を期待
(大手はすでに参入してるけど、版元ドットコムなどを眺めると電子書籍に参入していない版元がいくつもある)
ありがたいことに、ネット仕事は継続していただけることになっている。
ネットは広報・広告、集客に使われる。先方の景気が多少よくなってるので幅を広げるために、淡々と作業をこなすだけじゃなくて、提案もしていかないと。
こっちの業界はアベノミクスがちょっとは効いてるのかなぁ。
50代無職フリーターは、今年も右往左往だ。
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