無題:電子書籍界隈とかいろいろ
いや、DELLのネットブックInspiron 1012 miniが面白くて。
昨日で設定もほぼ終了して、業務委託IT軽作業もできるようにしたんだけど、タッチパッドに慣れるために今日もごそごそネットブックをいじってる。クリックとスクロールが思い通りにいかないし、掌で触ってしまってあらぬところにカーソルが飛んだり、のじゃじゃ馬馴らし。昨日も書いたように、もともとノートパソコンから入ってるので、キーボードはこのぐらいの大きさのものがちょうどよくて、わたしとしてはこのキーボードは快適。
電子書籍界隈がどうもチープでカオス。
最低限の校正や推敲もなされていないものまで値段がつけられて並んでいるらしい。そのうち淘汰されるだろうけど、そういうものを売り物として並べる神経がよくわからん。
電子書籍を買おうと思ったら、サンプルが用意されているので、ぜひそれを最初にチェックしてからご購入ください。
書かれている内容は別として、クオリティコントロール、品質管理意識に関して。
出版社が出す印刷本が断然レベルが高いはず。大のおとなが何十人も、それこそ生活をかけて金をかけて店頭に並べるのだ。個人でそこまでできるわけがない。企業として継承されている編集組版印刷などの知識・ノウハウという財産もある。
次が同人誌の個人、サークル。入稿データの作成は最近では自力でやるにしても、紙印刷には金がかかる。身銭を切っている。なので、事前の校正、推敲はかなりきちんとしているところが多い。サークルによっては執筆編集校正などの制作フローがきちんとしているところまであって、商業誌並みのクオリティだったりする。(オフセット・オンデマンドなどの単語で印刷所を検索してみると料金表が出てくる)
上記ふたつからかなり落ちるのが電子書籍だろう。もちろん個人差はある。せめて、誤字脱字はチェックしてから出版してください。
また、電子書籍がらみで盛り上がっていて、イベントなんかもいろいろあって、記事を見たりする。
著者にたくさん会いたいから、著者だけを集めたイベントをやりたい、とか。
ちょっと吃驚。そもそも、著者にたくさん会いたければ、自分の足を使って同人誌即売会に行けばいいのではないのか。毎月なんらかの即売会が開催されているというのに?そういった著者たちを電子書籍のフィールドにもってくるのが啓蒙とか開拓とかいうのではないのかな。て、それが仕事じゃないのか。それともただ交流会、飲み会をしたいだけなのか。謎。
セルフブランディングってなに?
自分のやってきたこと・やること・できることをきちんと伝える、というのならわかる。そこをうまく言える・言えないで差がつくし、わたしやウチはとても苦手。
だけど。「売れました」「感想いただきました」ってエゴサーチして、いちいち言うのって、それナニ?うれしいのはよくわかるけど、売れただ感想もらっただのって、自己PR・ブランディングとして実体がない。ただ盛ってるだけに見える…なんてこと言うけど、それが宣伝・実利に繋がるならウチもやる。でも、なんかなあ、というところではある。幸いなことに今のところ、読者さんがいる。まずは新刊を継続して出していくのが大事。
即売会で売り子をしていて実感してるんだけど。
最初は見向きもしてもらえなかった。それがイベント・同人誌即売会に出て新刊を並べるようにして、ン年続けて、今ようやく「ウチの新刊を目当てにきてくれる」読者がいる状況になっている。
一年やそこらの話じゃない。一回や二回のイベントで売れなかったからといって「ほら売れないでしょう」じゃない。認知されるのに、購入してもらうのには時間がかかるし、認知されている・売れているところにはそれなりの蓄積があっての話だ。その蓄積をすっ飛ばして、おいしいところだけ見て、取り上げても意味はない。
電子書籍というかEPUB3についての誤解。
でもないけど。リフローやフォントのサイズなどは端末、デバイスのコントロール下。文字の大きさやフォント、改行位置、ページ送りなどを自分の思い通りにしたければ、現状ではPDFぐらいしか実現できない。
EPUBやkindleのフォーマットについての一次資料をあたれば、仕様がわかる。
って、たぶん、このあたりがいろいろネックになってんだろうなぁ。クライアントにしてみれば、本と同じに見えるのが当然と考えるだろうし。電子「書籍」という名前の呪縛だな。電子書籍を制作します、というところが増えてくると、ここのあたりのトラブルが面倒くさそう。
[02/03 07:45:32]追記。
kindleクオリティーという部署があるらしい。
KDPで提出された書籍の審査やファイルチェックをやっている部署。以前、KDP審査ではねられたという事例をここで取り上げたけど、それはたぶん権利侵害(海賊版、著作権侵害)のケース。夕べ、twitterで見かけたのは、どうやらファイルの不備。
EPUB3のmetadataや、目次が基準を満たしていない、とのこと。
…という情報しかわからない。「エラーになる」「以前のやり取り通りにやった」というツイートだけでは何のことやらまるでわからない(具体的にどんなエラーが出たのか、以前のやり取りというのは具体的にどのような指示があってファイルのどこをどう修正したのか、metadataのどこが指摘されているのか、ということまで言わないと誰も反応できないだろう)
問題点がどこにあるのか、ファイルのトラブルチェックとして。
1)EPUB3のファイルを作る。epubcheck https://code.google.com/p/epubcheck/ や https://validator.idpf.org でファイルにエラーがないことを確認する。
2)EPUB3ファイルにエラーがないことを確認したら、Kinoppy や iBooks でEPUB3ファイルを読み込んで、意図通りに見えるか確認する。この時、目次が機能するか確認する。
3)kindlegen で EPUB3ファイルをmobi化して、kindle previewer で読み込んで、意図通りに見えるか確認する。この時、目次2種類が機能するかの確認をする。
4)2、3をクリアしてるのにKDPで受け付けられなかったり、iOSで対応していなかったりする場合。見た目ではわからないユニコードの文字が入り込んでいるかもしれない。iOS、app storeではアマゾンへのリンクは受け付けなくなっているのでリンクが多いと駄目かもしれない。
パブリッシングガイドラインによると、基本的に、epubcheckが通れば、KF8のmobiファイルとして変換されてkindleでもOKのはず。
繰り返しになるけど。一見空白文字にしか見えなくても、実はiOSで対応していないユニコードの文字が紛れ込んでいたり、iOSアプリでNGのアマゾンストアへのリンクが大量にあったりすると審査が通らない、かもしれない。
また、上記したように、EPUB3のリフローはデバイスにまかせるべき部分がたくさんある。にもかかわらず、フォントの種類を指定したり絶対サイズで規定したりすると意図通りにはならないし、デバイスにないフォントを指定したらどうなるんだろう、とか、フォントを同梱したらフォントの著作権侵害にあたるよなあ、などなど考える点はいくつもある。そのあたりも怪しい、かも知れない。
» ローカル環境で電子書籍を作る、Macアプリ・Windows版ツール 「かんたんEPUB3作成easy_epub」
KDPの価格設定、バーゲン?
kindleストアにKDPで作品を並べる時に悩むのが価格設定。
現状ウチの場合は、紙印刷本の同人誌が最初にある。そちらを買ってくれた人のことを考えると、電子書籍だからといって極端に値段は下げない。
紙印刷本は本そのものを購入するのに対して、電子書籍は読む権利を購入する。てことで、ほぼ同じ値段か、8掛けぐらいの設定にしている。
是非はともかく、当面はこの方針。
kindleストアに並べてからも値段は自由に変えられる。
無料キャンペーンもあれば、値段はいつでも上げたり下げたりが可能。
考えかたなんだろうけど。ウチは一度つけた値段は動かさないで行く
(最初、値段設定がよくわからず、米アマ基準にしてたのを付け直したのが一度だけ)
やはり、値段を上下させるのは一度買ってくれた人に申し訳が立たない。電子書籍は原価頑張ったので還元します!なんてことのない種類のものだ。
売る側にも買う側にも、値段が上下することに納得感が薄い。
でも、無料キャンペーンは事前告知をしてやる。告知、読者に知ってもらうためにkindleストアで露出を増やすには今のところ、これしか思いつかない。
「売れないから・売りたいがために」という理由で値段はいじらない。
「作者作品を知ってもらいたい」という理由で無料キャンペーンはする。
などと、ちょっと方針を整理しておこう。
» ローカル環境で電子書籍を作る、Macアプリ・Windows版ツール 「かんたんEPUB3作成easy_epub」
kindle KDPで初の振込
今日、1月29日にアマゾンよりkindleストア(KDP、個人出版本)の売上が振り込まれた。
1000円を超えたら振り込まれる、ということで初の振込。10月販売分(10月26日販売開始なので実質5日間)と11月販売分。
・EIN、W8BENの手続きが間に合ってないので、案の定アメリカに30%天引きされている。
・急遽CITIBankに口座を作ったので、銀行手数料はかかってなかった。
「DOMESTIC TRANS FROM アマゾンインク、イータク」となっていて、天引きされた以外に別途手数料(リフティングチャージ?)は引かれていなかった。
「iTunes Storeから初の振込」 https://t2aki.doncha.net/?id=1358387865
↑この記事に書いたようにapp storeはほぼ5ヶ月かかってやっと振り込まれたが、kindleストアは今の調子だと毎月振込がある。どうやら宣伝になるのであれば、販売データなど公言してもいいらしいが、まだエラソに言える数字でもないので内緒。
「Kindleストアの販売力」 2012/12/27
「amazon、kindleストアの販売力」 2013/1/3
↑去年暮れ、今年頭に書いた記事。
このときの実感は間違ってなかった、ということかな。kindleストアは売れる。あとは、きちんと一定水準の本を提供し続ければ、読者は確実に着いてくれる。
こうしたら売れるだ売れないだ、セルフブランディングだと言ってるヒマがあったら、面白い作品をたくさん書いて店頭に並べよう、ということですね。
[04/02 09:08:19] 追記。集計時差でレポートの金額と振り込まれる金額が違う(情報ありがとうございます)
» ローカル環境で電子書籍を作る、Macアプリ・Windows版ツール 「かんたんEPUB3作成easy_epub」
クオリティとかコストの管理?
有料メルマガが予告どおり配信されてなかったり、作ったサイトを放置していたり、という記事をみていて、なんじゃそりゃ、と思ってついtwitterでツイートしたら、予想外のまとめに入れられた。
「インディーズ作家は激安・高品質を強いられるのか」https://togetter.com/li/441760
言われてみると、なんか似てるような気がしないでもないので、そっち方面の補足。
ネット、電子書籍の品質管理ってどうなの?ということ。
・底辺エロ本出版社に20年ほどいたので、印刷物のコストなどは知っている。
・WEB、ECサイトに関わっていたので配信コストや制作費なんかもある程度知っている。
比べてどうか。ネットは安いし緩い(銀行などの基幹系ITは知らない。メディアとして・コンテンツ作りとしてのネット)…安いから本当に緩いんだよなあ。
ネットのいいところでもあるんだけど、駄目だったら直せばいい、という出口の緩さが作ってる過程にも影響・蔓延している。直せばいいので、〆切はあってないようなもの、もしくは「とりあえず格好をつけて」間に合わせる。そこに印刷物のような、校正や紙印刷代運送費などのコストもかからないから。
企画からページ作成、公開までの間、この緩さがつきまとうので、工数が増えるほど、関わるひとが増えるほど品質が低下する傾向にある(現象的には伝言ゲームみたいなもんだ)よっぽど内圧の高い管理監督者でもいない限り品質維持は難しいように思える。
(ちなみに、紙印刷は逆。工数が増えるほど、関わるひとが増えるほど、そのポイントポイントでいちいち「金がかかる」ので品質は上がる)
メルマガ間に合わなかったよ、ごめんね、てへべろ。が許される土壌、ネットに品質を求めてもしかたないかも知れない。
だったらせめて、制作コストや在庫リスクがかからない分、サービス向上のための企画や別価値にコストをかければいいのに、それもしようとしていない。ネットこそが次のメディアだとか言いながら、ネット発のコンテンツは見当たらないし、既存メディアが育てたものを食いつぶしてるだけにしか思えない。ネットからメジャー・ポピュラーになったコンテンツってなにがあるんだっけ。
どうやら、コストがかからず出来るんだから、すべてにわたってコストなどかけずに成果だけ欲しいようだ。
上記、会社や業界のことだけじゃなくて、個人でもその意識は同じかもしれない。
twitterなどで驚いたのが、電子書籍に個人作家が、絵師さんにイラストを頼む・デザイナーさんにデザインを頼む、などの話の流れで
「赤字になっちゃう」
?なにを言ってるのか理解できなかった。
その時に払える額払えない額があるのはわかる。でも、紙印刷代もかからず、在庫の心配もない。制作コストも在庫リスクもないのに「赤字になるから」という発想がわからなかった。劣化しないデータに販売期間などあってないようなもの。どの期間を区切って赤字になると言ってるのか。
セルフブランディングというのか「売れました」「感想いただきました」など自分上げには血眼・一生懸命なのに、赤字になるからイラスト・デザインにそんな金額(ほぼイコール他人の創作に対する敬意)は払えないとか広言しちゃえるセンスは、どうなの。小説を書くことが最優先ではないのかね。
以前、動画配信サイトで運用していたときにいつも参考にさせていただいていたサイト
https://www.seojapan.com/blog/
古い記事だけど 「立ち上げた途端にダメになるスタートアップ企業の特徴3つ。 」
このあたりもとても興味深い。
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» ローカル環境で電子書籍を作る、Macアプリ・Windows版ツール 「かんたんEPUB3作成easy_epub」
iTunes Storeから初の振込
iTunes Store から1月7日に初の振込があって吃驚した。
…いや吃驚することはないんだけど、去年の8月15日に公開して販売期間はほぼ5ヶ月。
具体的なことを言ってNDA(守秘義務)など規約にひっかかると困るのでぼかすけど、1000円超えたら振り込んでくれるんだ、とちょっと感激。
・アメリカ歳入庁に届けてEIN取得うんぬんの税金対策はしてない。
・銀行は今まで使ってる日本の都市銀行。
振込はドイツ銀行から振り込まれていた。
「現在、Appleでは日本の開発者アカウント保持者が日本円で受け取る場合のみ全銀システムで支払いを行うので手数料はかからない」という記事 「アプリの売上代金を手数料なしで全額受け取る方法」 があった(有用な情報ありがとうございます)
先人たちの努力に感謝。審査やサポートなどはFで始まる4文字のappleもこの点はありがとう!
毎日売り上げをチェックして、ため息しか出ない状態なんだけど、こうやって1000円ちょっととはいえ振込があると嬉しいもんだ。文字通り現金なやつ。
ちなみに。アカウントは(2012年は)年間8400円。電子書籍作成アプリ36000円。アプリチェックのため自分ですべて一本ずつ購入しているし、勉強させてもらってます。よ!
などと言ってるけど、プログラム知識もない素人がアプリとして並べるには、これは格安だと思う。わたしの売り方・宣伝告知が悪いだけ・足りないだけ
アマゾン、Kindleストアも現地ユーザーの利便を考慮してほしいよなぁ。
ということで iPhone電子書籍アプリ「小説同人誌Select」ぜひよろしくお願いします!
半年に一度ぐらい夕食に小鉢が一品増えるとうれしいです。
日野裕太郎さん「おかえりください」や、くまっこさん「まほろば」など同人小説が収録されている「小説同人誌Select」は無料アプリです。まずは各話無料サンプルを立ち読みしてみてください(本編は85円〜となります)
「小説同人誌Select」特集ページ→ https://books.doncha.net/apps/dojinnovels.pl
iTunesStore販売ページ→ https://itunes.apple.com/jp/app/id546230414?mt=8
日野裕太郎さんの分岐シナリオを追加したノベルゲーム、くまっこさんの作者自身による朗読音源もありマス!
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» ローカル環境で電子書籍を作る、Macアプリ・Windows版ツール 「かんたんEPUB3作成easy_epub」
EPUB3にメールアドレス埋め込み
EPUB3でDRMはどうするの?という昨日の記事(「EPUB電子書籍のDRM」 https://t2aki.doncha.net/?id=1358226885 )の続き。
…たぶん、役に立たないので、ネタ程度の扱いでよろしく。
ソーシャルDRMというのか、電子書籍に買ってくれたひとのメールアドレスなりを埋め込んでおく、というやりかたがある。それをEPUB3にも入れてみよう、ということでごそごそお試し中。
EPUB3はzipで解凍するとただのテキストファイル、HTMLファイルなのでメールアドレスを埋め込んだところで簡単に削除できる。ここを少し面倒くさくしておく必要がある。「いちいち開いて編集して、また梱包しなおしてやるより買った方が早い」というのがポイント。
ウチのページ、 「EPUB3::かんたん電子書籍作成」 では、見出しごとのファイルに分割する(EPUB3リーダーによっては一度に読み込めるファイルサイズに制限がある、という記事をどこかで見たので)
・数が多くて面倒くさくする。
短編小説はともかく、そこそこボリュームがあったり、ショートショート集だと、ファイルもそれなりに分割されて数が多くなる。そのファイルひとつひとつにメールアドレスを埋め込む。
・ぱっと見わかりにくくする。
メールアドレスは文字数値参照に変換しておく。
EPUB3は縦横混在可能。kindleのKF8でも縦書きの中に横書きの文字を入れることができる。サンプルはKDPの「ヘルプ」→「パブリッシングガイド」→「日本語サポート補足資料」にある
あとはこれ以外に、昨日の記事に書いたように content プロパティにもメールアドレスを埋め込み、さらに書誌情報 content.opf にも埋め込む。少しでも「面倒くさく思える」ように。
もちろん、こんな程度のもので、B2Bには使えない。
けど。試し読み版のような扱いのものなら、この程度の仕掛けで頒布してもいいかもしれない。かなあ。
(公開中のページに仕込むにはちょっと影響範囲が大きいので、別立てで作ってみるか)
[01/16 15:14:24] 追記。
メールアドレスだけじゃなくて、本文のテキストをすべて文字数値参照にしてしまう、というのもある種、暗号化だな(ほんまか)
[01/16 16:52:54] 追記。
本文テキストをすべて文字数値参照に変換して、改行や、インデントの余計な空白を全部削除(ストリップ)したら、中身は一見判別不能。かなり面倒くさくなった(もちろん、知識のある人間が見れば一発だし変換すれば戻せる、けど)
» ローカル環境で電子書籍を作る、Macアプリ・Windows版ツール 「かんたんEPUB3作成easy_epub」