21世紀に50年代のSFを
さて。21世紀(笑)
帰省するのに本を持たずに出てしまい、あわててキヨスクで漁って『漂流街』(馳星周)不夜城ともう一冊その続編は読んだんだけど、どうにも好きになれん。
漂流街も、キヨスクで売ってた目くそ鼻くその中からしかたなく、てなところ。
ページをめくるのがもどかしいぐらい話は面白い。中国マフィアにブラジル人ネットワーク、日本のやくざ、とまあ派手なシーンの連続。だけど、それだけなんだよなぁ。主人公以下、登場人物がどいつもこいつも薄い。あいのこの主人公がこっちの女の子にブラジルを感じてこっちの娼婦に日本を感じて、とかいわれてもとってつけたようにしか聞こえない。
出てくる連中みんなキャラかぶってるのが致命的。バリエーションないなら、キャラにそれなりの背景渡せないなら、どかどかいっぱい出さなきゃいいのに。
んで、21世紀だし、『夏への扉』(ハインライン)を再読。
こりゃ何度読んでも傑作!眠れる森の美女だし、寝てる間に大金持ちだし、確実にこの世は進歩して良くなるし、源氏物語だし。
「誰がなんといおうと、世界は日に日に良くなりまさりつつあるのだ。人間精神が、その環境に順応して徐々に環境に働きかけ、両手で、器械で、かんで、科学と技術で、新しい、よりよい世界を築いてゆくのだ」
と、言いきるのが今読んでも凄い。
» ローカル環境で電子書籍を作る、Macアプリ・Windows版ツール 「かんたんEPUB3作成easy_epub」
言葉の威力
お言葉データベースをいじってて、改めて自画自賛に浸る(笑)
言葉なんて、それそのものは無力・無意味なもの。実際、どこかの心理学教室のゼミだかなんだかの研究で、人がコミュニケーションする際に、相手の話した「言葉」というのは50%ぐらいしか伝わらないらしい。それ以外の「声の調子」「顔の表情」「雰囲気」といったものがコミュニケーションを成立させる、てコトらしい。
だけど、「言葉」てのは、それを解釈する過程で解釈する側にいろんな力を与えてくれるなぁ、と。お言葉データベースは読んだ本の一部抜粋。当然ながら読んでいて「印象に残った」シーンばかりで、「文脈込みでシビレタ言葉」
それを今あらためて読んでいると、本の内容なんてほとんど忘れてたりして、前後の「文脈」なんぞわからなくなってる「言葉」もけっこうある。それでも、「言葉」単体で、がんばろーとか、泣いてもしょーがないとか、ジタバタしてみるかとか、勝手に自分の頭で「解釈できる」ようなモノ満載(笑)
さあ、ココを見たら
https://t2aki.doncha.net/books.pl
へ、GO!だ(笑)人生のためになるかどーかはともかく、いろいろ考えること請け合い(笑)
» ローカル環境で電子書籍を作る、Macアプリ・Windows版ツール 「かんたんEPUB3作成easy_epub」
しょせん、わたしは田舎者
妹が家を新築したので、お祝いを兼ねて遊びにいってきた。
うーむ。茨城県の某市で、上野から北上。大阪出身(関西出身)としては、東京駅を起点としてそこよりも東や北にいくのは、距離や時間以上に遠く感じてしまうもんだなあ。
東京に出てきてから住んできたのもずっと東京駅よりも西。
「しかし、もうずいぶん昔のことだ。故郷には一度も帰ってない」「それでも、やっぱり」と言って、コルトは足元の歩道に視線を落とした「故郷から都会に出てきたやつは、どういうわけか自分が二番目の人生を送っているように感じるものなんだ。自分の心はどこか別の場所に、別の景気や別の匂いに囲まれたところに置いてある。そんなふうに感じるものなんだ」
キース・ピータースンの小説。生まれ育ったところではない場所にいると、こーゆーの、よく分かるんだよなぁ。
» ローカル環境で電子書籍を作る、Macアプリ・Windows版ツール 「かんたんEPUB3作成easy_epub」
山際淳司はスローカーブをもう一球
飽きるまでは一日ひとつ書きこんでみよう。って明日は飲み会で、あさってからは社員旅行なんで、とぎれちゃうんだけどね。
ゆうべ、会社で紳助・和田アキコの番組を見ててふと。。。って会社でワイドショーもどきの無脳番組を見てるのもいかがなものかと思うが(笑)
赤井秀和の話。で、沢木耕太郎、山際淳司といったスポーツノンフィクションが好きで読んでたことがあったな、と思い出させてくれただけでも、無脳ワイドショーに感謝。
わたしの山際淳司は「江夏の21球」よりも「スローカーブをもう1球」。手元に本がないんで、あいまいなことしか言えないんだけど。高校野球地区予選の話で、弱小野球部のエースが、といってもしょせん弱小のピッチャーが、60キロ程度、ヘロヘロのスローカーブを要所要所で投げるようになって準決勝まで進む。で、フルベース。アウトコースいっぱいにスローカーブが決まればいいけど、これがまたボールにきいてくれ、の球。どーしよーと悶絶したんだけど、ヤバかったら逃げればいいんだよ、てのが浮かんで、ストレートではなく、スローカーブを投げる。
暑苦しい体育会系スポ根じゃなく、軽ーく、逃げちゃえ、ってのがイイ。山際淳司ってこの軽さが、好きみたいで、沢木耕太郎の対極だな。
「梟の城」の黒阿弥がどーして好きかというと、このノンフィクションと同じく、怖かったら震えるし/逃げる、それは生きぬくためにいつか身についた性質、と。
どっちも「前向きに」逃げてるんで、背筋がゾワゾワするほどカンドーしたりする。
元気に逃げちゃいましょう(笑)
» ローカル環境で電子書籍を作る、Macアプリ・Windows版ツール 「かんたんEPUB3作成easy_epub」
花村萬月はええなぁ
花村萬月がいい。『皆月』『風に舞う』『ゴッドブレイス物語』『眠り猫』『猫の息子』と読んで、他の作品も文庫本でまとめ買い。キャラはほとんど劇画か漫画な設定だし、ストーリーはあるようなないような…なのに、妙な説得力があるのはなんでだろ。似たような世界の馳星周だと嫌悪感が先にきて、読んでるうちにいやになるんだけど、花村萬月はキャラがみんな「イイヤツ」。ビリー・ワイルダーの脚本をサム・ペキンパーが監督して、主演にジェームズ・コバーンだのデ・ニーロだの濃いのを揃えたような感じだ。
ウルティマする時間削ってまで読んでるから、我ながら感心感心(笑)
てことで、ホームページを久々にいじったら、これがまたそれなりに面白いな(笑)
花村萬月と一緒にいかがでしょう。
» ローカル環境で電子書籍を作る、Macアプリ・Windows版ツール 「かんたんEPUB3作成easy_epub」
司馬遼太郎最高!
司馬遼太郎最高!盆休み、実家に帰って久々に『梟の城』『風神の門』を読み返す。司馬遼太郎も何冊か読んでるけど、ぼく的にはこの2冊がベスト。
最初に読んだのが高校の時、以降実家の本棚を覗くたびに読み返してるような気もするが、何度読んでも同じ感動同じ傑作。これって難しいことで、読む側は歳とともに感じ方も変わってるので、昔読んで感動した本を読み返す・昔観て感動した映画を観返す、したところで「あれ?これってこんなだっけか」とガッカリするモノが多い。ところが、この2冊はその感動が変わらない数少ない傑作。
ジャンルとしては忍者モノ。山田風太郎みたいなド派手な忍法合戦は出てこないんだけど、葛籠重蔵(梟の城)霧隠才蔵(風神の門)のふたりがめちゃくちゃハードボイルド。ハードボイルドなキャラの定義てのを考えると「自分のルールを持ってそれに従って生きている/自分のルールで生きていくことができるだけの何かを持っている」豊臣秀吉、徳河家康、暗殺を狙うこのふたりはまさにピッタリ。
現代に私立探偵を持ち込むのに無理を感じて、てのは結城昌治の言葉だ。戦国時代の設定、忍者の設定、は不自然さをまったく感じさせなくて、その中で乾いたハードボイルドを読ませてくれる。
ごたくはともかく、かっちょええ、のだ。
そーいや、このページでCGIで遊ぼうとHTMLやらPerlやらの解説書を読み返してる。ネットのことはネットでも、と思い、さらにインターネットのその手のページをチェック。
そこでびっくりしたのが。
素人のぼくにでも組めそうな、安直簡単なカウンタや掲示板で金取ろうとしてるやつ/フリーのプラットフォームである(GPL)Perlのスクリプトのクセに改変不可などと腐ったこといってるヤツ、がウヨウヨいる。昔何かの雑誌で読んだけど、WINDOWSのシェアウエアの中にもベーシックで100行程度のシロモノに値段つけてる恥知らずなヤツもいるらしいし、世の中どーなっちゃったんだろう。
» ローカル環境で電子書籍を作る、Macアプリ・Windows版ツール 「かんたんEPUB3作成easy_epub」