電子書籍で紙の再現は無理
ワードのdocxファイルをkindleに、EPUB3にというネタがTwitterの観測範囲で盛況だったりするのをのんきに眺めてたら、別件で雑談・相談していたところで「InDesignの組版データをもらえばそのままEPUB3ができるんですよね」とふられて腰が抜ける。
ワードでレイアウトデザインしてプリントアウトしたものも、InDesignでページレイアウトして一冊作ったものも、そのままEPUB3のリフローにして電子書籍で再現するのは難しい。て、この雑記帖でも何度か同じことを書いてる。
「でも、図版が多い場合は、InDesignで組版データをもらえばEPUB3にするのも早いんでしょ」
と言われたんだけど、それも紙がそのまま再現できると思ってるところからくるんだよなあ。
InDesignでEPUB3出力したものをそのまま細工なしにEPUB3やmobiとして使えるという話は、今のところあまり聞かない。EPUBCheckのエラーや警告を潰すために吐き出されたEPUB3ファイルを開いて調整が必要になるし、また、凝ったレイアウトやデザインは、もし仮に再現できるとしても素直なXHTML&スタイルシートではなくてトリッキーなことをしなきゃいけない一発芸で続きがない。
(fix型で組めばほぼそのまま再現できるだろうけど、いちから作り直しだしなあ)
InDesignが吐き出すEPUB3ファイルを開いて新たにXHTMLを書き直したりスタイルを当て直したりするのはひたすら面倒くさい。
てことで、現状は元原稿のワード(docx)かテキストファイルを預かって、元になる紙の本があるならPDFなどレイアウトデザインのわかるものをもらって作った方が早いかな。
docxを預かった場合、レイアウト再現はしないけど、ボールドや文字色、下線や傍点、ルビ、縦中横など文字装飾系はワードそのまま再現=HTMLタグをつけられるので作業的にはかなり楽になる。
さらに
・InDesignも適切に正しく目次などを設定してXMLで保存すると
・ワードも適切に正しく目次などを設定して保存すると
両者とも、ただのXMLなのでperlやphpなどのスクリプトを使って加工するのは簡単で、コンバート作業はもっとらくちんになるはず…なんだけど「適切に正しく」というのが難しい。
著者がフリーダムに書いたもの・編集が個々の本の体裁に合わせて指定したものなので、文書構造などないことが多い。ここは個別に擦り合わせ現物合わせ作業が必要となっている。
もうひとつついでに、やはり話をしていて「校正どうしてます?」と。
・元原稿データのワードのコメント機能などを使って校正してもらう
・著者側でプリントアウトしたものに文字通り「赤入れ」してそれをPDFにしてもらう
という感じ。ここも労力と時間がかかってしまうところ、かな。
以前、別のところで電子書籍なんですが、と話を持っていったら
「ああ、お皿つけるんでしょ。高くつくよね」
と言われて愕然というか慄然とした。
…ちなみに、以前というのは今年2014年の話。
(註:お皿とはCDROMやDVDROMのことを言います)
数冊出してみたけど思ったほど売れないので撤退したという話もTwitterで流れてたり。
温度差というかがスゲーなあ。
そういや。さすがAmazon公式月替わりセールに乗ると売れる(って、おそらくほかの方はもっと行ってると思う)売れた・売れるという話は書いても良いということらしいので、セールが終わったらちょろっと書きます。
ちなみに。1日から11日朝までセール対象のタイトル(『和猫』)は有料ダウンロードが約100冊、どういうわけかレンタルも25本程度。当然初動からは落ちてるけど日々そこそこ出ていて感謝
» ローカル環境で電子書籍を作る、Macアプリ・Windows版ツール 「かんたんEPUB3作成easy_epub」
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