クオリティとかコストの管理?

有料メルマガが予告どおり配信されてなかったり、作ったサイトを放置していたり、という記事をみていて、なんじゃそりゃ、と思ってついtwitterでツイートしたら、予想外のまとめに入れられた。
「インディーズ作家は激安・高品質を強いられるのか」http://togetter.com/li/441760
言われてみると、なんか似てるような気がしないでもないので、そっち方面の補足。
ネット、電子書籍の品質管理ってどうなの?ということ。
・底辺エロ本出版社に20年ほどいたので、印刷物のコストなどは知っている。
・WEB、ECサイトに関わっていたので配信コストや制作費なんかもある程度知っている。
比べてどうか。ネットは安いし緩い(銀行などの基幹系ITは知らない。メディアとして・コンテンツ作りとしてのネット)…安いから本当に緩いんだよなあ。
ネットのいいところでもあるんだけど、駄目だったら直せばいい、という出口の緩さが作ってる過程にも影響・蔓延している。直せばいいので、〆切はあってないようなもの、もしくは「とりあえず格好をつけて」間に合わせる。そこに印刷物のような、校正や紙印刷代運送費などのコストもかからないから。
企画からページ作成、公開までの間、この緩さがつきまとうので、工数が増えるほど、関わるひとが増えるほど品質が低下する傾向にある(現象的には伝言ゲームみたいなもんだ)よっぽど内圧の高い管理監督者でもいない限り品質維持は難しいように思える。
(ちなみに、紙印刷は逆。工数が増えるほど、関わるひとが増えるほど、そのポイントポイントでいちいち「金がかかる」ので品質は上がる)
メルマガ間に合わなかったよ、ごめんね、てへべろ。が許される土壌、ネットに品質を求めてもしかたないかも知れない。
だったらせめて、制作コストや在庫リスクがかからない分、サービス向上のための企画や別価値にコストをかければいいのに、それもしようとしていない。ネットこそが次のメディアだとか言いながら、ネット発のコンテンツは見当たらないし、既存メディアが育てたものを食いつぶしてるだけにしか思えない。ネットからメジャー・ポピュラーになったコンテンツってなにがあるんだっけ。
どうやら、コストがかからず出来るんだから、すべてにわたってコストなどかけずに成果だけ欲しいようだ。
上記、会社や業界のことだけじゃなくて、個人でもその意識は同じかもしれない。
twitterなどで驚いたのが、電子書籍に個人作家が、絵師さんにイラストを頼む・デザイナーさんにデザインを頼む、などの話の流れで
「赤字になっちゃう」
?なにを言ってるのか理解できなかった。
その時に払える額払えない額があるのはわかる。でも、紙印刷代もかからず、在庫の心配もない。制作コストも在庫リスクもないのに「赤字になるから」という発想がわからなかった。劣化しないデータに販売期間などあってないようなもの。どの期間を区切って赤字になると言ってるのか。
セルフブランディングというのか「売れました」「感想いただきました」など自分上げには血眼・一生懸命なのに、赤字になるからイラスト・デザインにそんな金額(ほぼイコール他人の創作に対する敬意)は払えないとか広言しちゃえるセンスは、どうなの。小説を書くことが最優先ではないのかね。
以前、動画配信サイトで運用していたときにいつも参考にさせていただいていたサイト
古い記事だけど 「立ち上げた途端にダメになるスタートアップ企業の特徴3つ。 」
このあたりもとても興味深い。
kindle本の機は熟しつつある

「kindleで買える創作文芸 同人小説」 http://t2aki.doncha.net/?id=1352623756 というタイトルのまんまのまとめをtogetterで作ったのが去年の11月11日。
半分botのアカウントで告知を回していて、このまとめもそのうちのひとつ。ランダムの設定で、今日の朝にツイートされたところ、なぜか今回RTもFavも伸びていて吃驚。今までのツイートした時の反応とはまるで違っていた。
なんでだろうと。
・田亀源五郎さん( @tagagen )という世界的に評価されているゲイ漫画家、小説家のかたにRetweetいただいた(ありがとうございます)そして、田亀さんのフォロワーさんは電子書籍、Kindleに対する興味が旺盛だった、のかも?
・去年の11月11日時点よりもKDPでの個人ダイレクト出版物が増えてきていて、Kindleストアに関するサイトやブログが立ち上がっていてネットで注目度が上がっていた。
こういう反応は、以前出版社に在籍していた時の、B6版のコミックスの売れ行き・動きに似てる、デジャヴだなあ、と。
底辺エロ本出版社で編集をやってた頃の話だ。コミックスを出しても70%返品の作家。絵は抜群にうまいし、ストーリーも伏線はちゃんと回収するし女の子のキャラも可愛い。これは売れるはずだと、何冊か出しても売れない。返本が70%で大赤字。営業部からも次は出せないとまで言われたんだけど。
その作家さんがたまたま他社からコンビニルートで出したところ、増刷増刷であっという間に確か10万部を超えた。この噂を取次ぎで聞きつけた営業が、ウチで描いてるのにどうして出さないんだ、と(えーっと、お前がそのクチで次は出せないと言ったんだよな、と思いつつ)
70%返本くらってたコミックスをほとんどそっくりそのままコンビニルートに合わせた修正(エロシーンを削る)して出したところ、こちらもあっという間に増刷。(という記事を以前こっそり書いてるけど)
ひらたくいうと、魚のいないところに釣り針を垂らしていた、棚が違っていた。
力があると信じるに足る作品が売れないときは、環境やタイミングを変えるべきということ。作品に力さえあれば売れる、ということでもある。
今回、まとめのページの広報告知が伸びたのはまさにこのパターン。ルートとタイミングがあった、ということだろう。こういうことが今後あちらこちらで起こってきて個人出版が伸びてくるに違いない。
機は熟しつつある、ということだ。
ネットの正しいひと・トップランナー

twitterやブログなど、ネットを見ていて「正しいひと」や「もっともらしいひと」にちょっとうんざりしてきた。今さら。
「既存にとらわれずに、ゼロベースで考える・提案する」なんてもっともらしいツイートやブログがちらほらと。「ゼロベース」(昭和の昔は「スクラップ&ビルド」なんて言ってた)と、その言葉だけで、なんだか「かっちょええ」ようなことを言ってる空気と態度が透けて見える。
わたしも「ゼロベース」には賛成だけど。
既存のものが「なぜ今も、既存のものとして認知されてる・使われているのか」その経緯についてまず考えることが大切だろう。なのに、ネットでわたしが見る範囲だと、そこが薄い。時代に合っていた・習慣の延長である、などで結論としている。
おいおい、ちょっと待てよ、だ。
既存がどうして既存になったのかの検証もしないで、ゼロベースでやり直したところで、古いものが新しいものに置き換わるだけだろ。
古いものが経年劣化起こしているなら、それが成り立った経緯と劣化してきた経緯をまず検証検討して、そのことを「積み上げた上で」ゼロベースにしないと、せっかく新しいものをゼロベースで作り上げても、同じことを繰り返すだけ。
また、ネットはいろんなものが簡単に可視化できるのでスグにわかった気になる。けど、それは自分の狭い観測範囲だけのこと。
こんな新しい試みがありましたのでご共有、とか、ノマドだシェアハウスだと新しい言葉が踊る。それってどれもちょっと調べれば過去事例類似事例がある。「周回遅れなのにトップランナー」のつもりだったり「ただ置き換えただけなのに新しい発見者」のつもり。自分の新しい発見を、声高にしゃべくる前に、なぜ調べようとしないんだ。それこそネットは調べるのは簡単なのに。
警句じみたこと、名言じみたことを、自分の言葉としてもっともらしく言うひともいて、本当に見ていていたたまれない・恥ずかしい。本を読んだことはないんだろうか。小説はもちろん、哲学書など人文科学系の本を読んだことはないんだろうか。
twitterやブログなら、飲み屋のおっさん同士のお話でいいんだけど、ニュースサイトや公式ブログといった読む側がそれなりに信用してしまうところで、こんな粗悪でガサツな記事を見てしまうとげんなり。ネットは何をするにも簡単すぎて、アウトプットまでお粗末になってやしないか。
もろもろ一言で言ってしまうと「ナニぬかしてけつかる」
…って今に始まったことじゃないんだけど、特にtwitterのせいで・おかげで、目に入るようになった、ということか。
なんて、一ミリも有用な情報のない思いつきだけの、こんな記事が多いですよね。失礼しました!そんじゃーね
iTunes Storeから初の振込

iTunes Store から1月7日に初の振込があって吃驚した。
…いや吃驚することはないんだけど、去年の8月15日に公開して販売期間はほぼ5ヶ月。
具体的なことを言ってNDA(守秘義務)など規約にひっかかると困るのでぼかすけど、1000円超えたら振り込んでくれるんだ、とちょっと感激。
・アメリカ歳入庁に届けてEIN取得うんぬんの税金対策はしてない。
・銀行は今まで使ってる日本の都市銀行。
振込はドイツ銀行から振り込まれていた。
「現在、Appleでは日本の開発者アカウント保持者が日本円で受け取る場合のみ全銀システムで支払いを行うので手数料はかからない」という記事「アプリの売上代金を手数料なしで全額受け取る方法」があった(有用な情報ありがとうございます)
先人たちの努力に感謝。審査やサポートなどはFで始まる4文字のappleもこの点はありがとう!
毎日売り上げをチェックして、ため息しか出ない状態なんだけど、こうやって1000円ちょっととはいえ振込があると嬉しいもんだ。文字通り現金なやつ。
ちなみに。アカウントは(2012年は)年間8400円。電子書籍作成アプリ36000円。アプリチェックのため自分ですべて一本ずつ購入しているし、勉強させてもらってます。よ!
などと言ってるけど、プログラム知識もない素人がアプリとして並べるには、これは格安だと思う。わたしの売り方・宣伝告知が悪いだけ・足りないだけ
アマゾン、Kindleストアも現地ユーザーの利便を考慮してほしいよなぁ。
ということで iPhone電子書籍アプリ「小説同人誌Select」ぜひよろしくお願いします!
半年に一度ぐらい夕食に小鉢が一品増えるとうれしいです。
日野裕太郎さん「おかえりください」や、くまっこさん「まほろば」など同人小説が収録されている「小説同人誌Select」は無料アプリです。まずは各話無料サンプルを立ち読みしてみてください(本編は85円〜となります)
「小説同人誌Select」特集ページ→ http://books.doncha.net/apps/dojinnovels.pl
iTunesStore販売ページ→ https://itunes.apple.com/jp/app/id546230414?mt=8
日野裕太郎さんの分岐シナリオを追加したノベルゲーム、くまっこさんの作者自身による朗読音源もありマス!
EPUB3にメールアドレス埋め込み

EPUB3でDRMはどうするの?という昨日の記事(「EPUB電子書籍のDRM」 http://t2aki.doncha.net/?id=1358226885 )の続き。
…たぶん、役に立たないので、ネタ程度の扱いでよろしく。
ソーシャルDRMというのか、電子書籍に買ってくれたひとのメールアドレスなりを埋め込んでおく、というやりかたがある。それをEPUB3にも入れてみよう、ということでごそごそお試し中。
EPUB3はzipで解凍するとただのテキストファイル、HTMLファイルなのでメールアドレスを埋め込んだところで簡単に削除できる。ここを少し面倒くさくしておく必要がある。「いちいち開いて編集して、また梱包しなおしてやるより買った方が早い」というのがポイント。
ウチのページ、「EPUB3::かんたん電子書籍作成」では、見出しごとのファイルに分割する(EPUB3リーダーによっては一度に読み込めるファイルサイズに制限がある、という記事をどこかで見たので)
・数が多くて面倒くさくする。
短編小説はともかく、そこそこボリュームがあったり、ショートショート集だと、ファイルもそれなりに分割されて数が多くなる。そのファイルひとつひとつにメールアドレスを埋め込む。
・ぱっと見わかりにくくする。
メールアドレスは文字数値参照に変換しておく。

EPUB3は縦横混在可能。kindleのKF8でも縦書きの中に横書きの文字を入れることができる。サンプルはKDPの「ヘルプ」→「パブリッシングガイド」→「日本語サポート補足資料」にある

あとはこれ以外に、昨日の記事に書いたように content プロパティにもメールアドレスを埋め込み、さらに書誌情報 content.opf にも埋め込む。少しでも「面倒くさく思える」ように。
もちろん、こんな程度のもので、B2Bには使えない。
けど。試し読み版のような扱いのものなら、この程度の仕掛けで頒布してもいいかもしれない。かなあ。
(公開中のページに仕込むにはちょっと影響範囲が大きいので、別立てで作ってみるか)
[01/16 15:14:24] 追記。
メールアドレスだけじゃなくて、本文のテキストをすべて文字数値参照にしてしまう、というのもある種、暗号化だな(ほんまか)
[01/16 16:52:54] 追記。
本文テキストをすべて文字数値参照に変換して、改行や、インデントの余計な空白を全部削除(ストリップ)したら、中身は一見判別不能。かなり面倒くさくなった(もちろん、知識のある人間が見れば一発だし変換すれば戻せる、けど)


