定期的に観たくなる映画のひとつ

ここに何度も同じことを書いてしまう老人特有のくどさで申し訳ない。
いや、定期的に観たくなって今日もまた「ダーティハリー」
冒頭のホットドッグを頬張りながら44マグナムを撃つシーンは何度観てもシビれる。検索してみたら、そのシーンのセリフがまんま出てきたのでメモ。
I know what you're thinking. "Did he fire six shots or only five?"
Well, to tell you the truth, in all this excitement I kind of lost track myself.
But being as this is a .44 Magnum, the most powerful handgun in the world,
and would blow your head clean off,you've got to ask yourself one question:
"Do I feel lucky?" Well, do ya, punk?
おまえが何を考えてるか言ってやろうか。おれが撃ったのは6発だったかそれとも5発だったか。実のところ、おれもよく覚えてないんだ。でもこれは44マグナムといって世界で一番強力な拳銃でな。おまえの脳味噌を吹っ飛ばすことになる。どうする?自分に聞いてみな。自分は幸運かどうか。どうする?ちんぴら。
でもって、どうしてまた「ダーティハリー」かというと、冒頭の写真。スティーブン・キングの『ビッグドライバー』の一節。ダーティハリーがちらっとだけ引用されていて思い出したというのが真相。
キングは映画やメジャーリーグ、飲み物や車など具体的な名前を出すことで有名。広告宣伝マンとシャレでいうぐらい。同時代性の獲得とかいうと面倒くさいけど、具体的な商品名、共通の背景で読者を作品世界に引っ張り込む。
編集者だったころ、漫画家さんと打ち合わせでよく話題にしてた。
「漫画はウソなんだから、ディテールはリアルにしておかないとだめですよねえ」
具体的な商品名や映画などをちりばめると同時代性を獲得する代償に普遍性を失う、という話ももっともだけど振り返って時代を感じさせるということで、それはそれでOKじゃないかと。
…てなことは実はどうでもよくて、ダーティハリーは何度観ても傑作、ということだけよろしくお願いします。
1971年の映画。ぜんぜん古びてない。
http://youtu.be/8Xjr2hnOHiM?t=7s
↑騙されたと思って、この冒頭部だけでも観るべし。
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何を回収したいのか。

昨日ちょっと話題になった記事。
『Kindle本の表紙作成に関するアイデアとヒント「勝利の鍵はサムネイルだ!!」』
http://kindou.info/19188.html
表紙大事、という内容でもっともな話…なんだけど
「2万円を著者さんが回収するのは大変」に関して。
以前からKDP個人作家の中には、こんな料金じゃイラスト・デザインを依頼できない、回収できない、などと公言しているひとがいて違和感、というか嫌悪感をもっていた。
モノとしての本じゃない。データ販売だ。
一冊一冊に紙印刷代など原価コストなんてない。配信コストも必要ない。データは劣化しない。在庫リスクもない。書店で販売期間が切られるわけじゃない。
いったいどこをどうしたら「回収する」なんて発想が出てくるのか。
自分の書いたものに関しては、売れただの売れないだの、儲かっただの、買ってくれてありがとうございます、評価いただきました、と一喜一憂してはツイッタなどで公言して大騒ぎ。
その一方で、自分が支払う・支払ってしかるべきデザイナーやイラストレーターへの対価を高い、回収できないと公言する。デザイナーやイラストレーターは本を売るための道具じゃない。彼らの創作に対する敬意すら感じられない。
自分は評価して欲しい、だけど他人は評価しない、ということ。
「下品」のひとことだろう。
同じ個人作家でも、少なくとも、紙印刷代など計算して赤字にならないように定価をつけて、ということをやってる同人誌のサークル連中の方が「依頼すること」に関して、よっぽど気をつかってる。そもそも、根っこに、このひとに原稿を頼みたい、好きだから頼みたいという情熱・共感みたいなものがあって、相手に対する敬意がちゃんとある(わたしの観測範囲)
もちろん、みんながみんなというわけではないけど。KDP、ネットに蔓延するノーリスペクトで不神経な言葉にはげんなり。だ。
[09/20 22:00:38]
野暮を承知で追記。
反応いただいてるのを見ると、
・「回収がおかしいってことは儲けちゃいけないということなのか、敬意という霞だけ食ってろというのか」というのが散見されるけど、ぜんぜん逆。
創作に対する評価をちゃんとしてもらおう、創作で食えない状況を何とかしないとだめだ、と思ってる。
なのに、創作者である個人作家がみずから他者の創作をないがしろにするようなことを公言してると、そのうち自分に返ってくるんじゃないか、ということ。それこそ自分たちでデフレスパイラルを演出してどうすんだろう。
・「回収」という言葉に対する反応も、普通に使う言葉なのに何をいってるんだ、と。
いやいや、文脈というのがあるだろう。
想像力の欠如。
デザイナーやイラストレーターにそんな金払ったら回収できない、などと公言してるのを、デザイナーさんが見たらどう感じるのか、自分が言われたらどう思うのか、という簡単な話。
んでもって、回収という言葉は普通に使われる言葉かもしれないけど、データ販売のどこに回収ポイントがあるのかを示してもらいたい。物販じゃない。データ販売のどこにどの期間で回収する必要があるんだ?個人が。
物販のコストやリスクをそのままデータ販売にあてはめようとしても無理があるってことはわかってるんだろうか。
それとは別だけど、企業や製品をないがしろにする発言と違って、ネットで繋がるのは個人同士になるので、ちょっと無邪気すぎるような気がした。
ついでに。この雑記帖で、何かを議論しようとか問題解決のための提起をしようとか、まったく考えていない。あしからず。
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珍本奇本に興味はない

小学生の頃から小説が好きな一読者。本、小説の読み方としてはキャラで読むタイプ。キャラに説得力があるものは、世界観が細部までしっかり作り込まれている。だから、キャラの一言一言、行動がいちいち「腑に落ちる」
登場人物がどんな親に育てられてきたのか、どんな生活を(小説には出ていないところで)過ごしていたのかを感じさせてくれるから感情移入させられる。
最近でいえば、スティーブン・キングや、宮部みゆきなど。おいおいいったいいつ話が始まるんだと延々とキャラの日常が書かれていたり、押し入れに入ってるアルバムの痛み具合だけで祖母のことまでわかったり、見開きいれて3ページぐらいしか登場しないキャラがリトルリーグの補欠でようやく次の試合に出場予定だったり。
極端なことをいってしまうとストーリーは必要ない。世界とキャラ各々がストーリー。
作品でいうと、指輪物語やハイペリオン。
世界もキャラも細部まで作り込まれているから力強い。わたしの読み方、キャラ読みで、文句のつけようのない傑作。
昨日、映画『ホビット』を観ていてしみじみつくづく改めて感じた。
KDPや同人誌でよく言われる「KDPだからこそ」「同人だからこそ」という言い方で珍本奇本が取り上げられることが多くて(たまたまKDPがらみでよく目にするのだけかもしれないけど)うんざりしていた。いちいち「〜だから」という言い訳が必要な珍本奇本を読みたいとは思わない。
「へー、こんな本があるのか」という本に対する面白みがあるのは理解するし、実際その理由で買ったりもしている。でもそれは中身の小説、フィクションに対する評価じゃない。
もしも商業誌レベルというものがあるなら、「〜だからこそ」という前提がひとつでも少ないものが、そのレベルということだろう。
言葉遊びをすると。『指輪物語』は言い訳無用の強靭さ。「『指輪物語』だからこそ」読みたいのだ。
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最近観た映画

なんだか久しぶりに映画館で映画をちゃんと観た。
『パシフィック・リム』
これはもうイケイケの問答無用。冒頭の乗り込むシーンからエンディングまでたぎりっぱなし。巨大ロボ、怪獣ものが、という以前にひたすらジェットコースターで持っていかれっぱなしだろう。
鉄人28号とマジンガーZを祖先に、日本のロボットアニメを全部混ぜたら出来上がり。
怪獣側はゴジラをはじめとする東宝特撮に、なんとクトゥルフの味付け。
がんがん鳴りっぱなしのBGMはどことなく伊福部トーン。
ハマらないほうがどうかしている。しかたないので2度観た。
2度とも2D字幕。吹き替えの声優さんのセレクションがまた泣かせるということだったけど、うちの近所は3D吹き替えで、3Dは上映回数が1日1度。ただ、字幕で正解だったな、と思ったのが日本語広東語英語が入り混じる多国籍感を味わえる。
イエーガー(ロボット)の設定資料とかフィギュアがほしくなった。こんなワクワクは久しぶりだ。
んで、あまりに面白かったもんで、盛り上がったままレンタル屋で借りたのが『プロメテウス』と『ホビット』
『プロメテウス』
うううう、リドリー・スコットの『エイリアン』は傑作で観終わったあとしばらく悪夢をみてしまうほどだった。『エイリアン2』は1とはジャイムズ・キャメロン。1とはまるで別物のドンパチ映画。これはこれでいちいちカタルシスが用意されていてキャラもみな濃くて大好きな映画。
で、『プロメテウス』監督がリドリー・スコットということで、案の定1と同じ雰囲気。しかし、こりゃまいったの鬱映画。エイリアンのように最初から最後までエイリアンと一対一で逃げ場のない恐怖に支配されてるならともかく、巨人とタコの殴り合いが入って、ガッカリだった。
好き嫌いが分かれるだろうなあ。
『ホビット』
おいおい。こりゃ問答無用の傑作。ドワーフがイケメン。茶色が美味しい。ガンダルフは相変わらずすぐに癇癪を起して棍棒を振り回す乱暴な爺。お館様は大妖のまま。ノーヒーロー、ノーウォリアのひとことがグっとくるビルボ。
どいつもこいつもキャラがしっかり立っていてまるで飽きない。
指輪と合わせて全部そろったらぶっ通しの体力勝負で観てみたいなあ。
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kindle本のレンタルが始まっていた

「kindle オーナーライブラリ」というのがあって。
・読者側
kindle端末を持っている・Amazonプライム会員であるの2つの条件を満たしていれば、月に一冊(プライム印のついた)kindle本が無料でレンタルして読める。
月に一冊というのがよくわからない。
読者は、好きな本を何回でも借りることができます(借りられるのは一度に1冊、1か月に1冊のみです)。ただし、有効な貸出回数としてカウントされるのは、Amazonプライム会員が初めて本を借りる場合に限ります。たとえば、プライム会員の読者が初めて本を借りると、有効な貸出回数としてカウントされますが、同じ読者が後から再び同じ本を借りても、その2回目の(それ以降も同様)貸出は有効な貸出回数としてカウントされません。
You can borrow only one book at a time.
If you've already borrowed a book,
you'll be prompted to return it
before you can borrow a different book.
日本のAmazonとアメリカAmazonのヘルプを引用してみた。
1)月に1冊無料レンタルで読むことが出来る
2)あるタイトルを借りていて、別のタイトルを借りるにはすでに借りているタイトルを返却する必要がある
3)有効な貸出し回数?
2がザルにならないように、3の有効貸出し回数というのを設定してあるのかな。
たとえば、家人など小説を月に4〜6冊程度は読む。ちゃっちゃと読んじゃって次レンタル、なんてやりだすと、月1冊=月1タイトルじゃなくて、月1冊=月5タイトル。漫画だったらもっと早い。
そのための有効回数の設定かあ、ふーん、と思って探してるんだけど、有効貸出し回数って、どこに書いてある? これはもしかして月1冊=有効貸出回数1回てことか。
一度借りた本は有効貸出回数にカウントしないということは、初めて読む本は月に1冊だけ。再読するのは月に何度でも返却・レンタルを繰り返して読むことができる、という理解でいいか(あとで実際に試してみりゃいいだけの話)
[08/23 09:18:41] 追記。
日本のヘルプはKDPのヘルプ=貸出し側に対する説明なので、解釈が違うな。
「貸出し回数」というのは出版側が読者に本を貸した回数、DL回数ということか。ある本がある読者に読まれた場合、1DLのカウントということで、同じ本が同じ読者にDLされてもカウントされない、ということっぽい。
(プライム会員アカウントと、kindle端末ID、本のコード(ASIN?)で紐づけられて管理される、イメージかな)
読者側が借りられるのはあくまで月に1回ということらしい。
・出版側
KDPセレクトというプログラムに参加して本を提出すれば、レンタル本に混ぜてくれる。
『kindle本のレンタル・無料キャンペーン』 (2012/12/4)
プライム会員数がどのぐらいいるのか不明なのでよくわからないけど、無料レンタルで読んでもらえるならそれはありがたい話(月一冊の椅子取りゲームになるかもだけどね)
作家、作品の認知度UPに多少なりとも繋がってくれればそれに越したことはない。小さなことからコツコツと、だ。
また、KDPセレクトグローバル基金(=Amazonが準備してくれる大きな丼)から、ダウンロード数に応じて分配金がはいってくる、かもしれない(Amazonの事務手続きは意外に大雑把というかなんというか、アレな感じだけど)
※ ちなみに、Amazonに限らず、サービス内容や規約は変更されることがあるので、この記事も、今日時点での話。
※ twitterで、kindleオーナーライブラリが始まったよ!というのを見かけたのは21日未明だった。
ウチの本もほとんどKDPセレクトに参加してるのでよろしくお願いします!
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モリサワMCBookからEPUBに

モリサワのMCBookという電子書籍ソリューションパック
http://www.morisawa.co.jp/biz/products/mcbook/
大雑把に、InDesignなどメジャーな組版ソフトで作ったデータを変換、編集してapp storeなどの電子書籍アプリにするもの。
モリサワのフォントが使える、印刷現場・DTPではメジャーなモリサワということで発表当時話題になったのを覚えている。使ってみたい!と思ったら法人契約限定だったのでがっかりした記憶。
ところが iBookstoreオープンでAppStoreのブックカテゴリは、単純な電子書籍アプリは審査が通らなくなってしまった。 『AppStoreの電子書籍アプリは終了』 (2013/3/31)
AppStoreでアプリとして販売していた電子書籍をEPUB3にしてkindleやiBookstore、googleで販売、という流れに。(AppStoreで電子書籍アプリを販売している版元、制作会社はもちろん、電子書籍を作るためのアプリを制作販売しているところもダメージが大きいよなあ)
モリサワのMCBookはEPUBも出力できる。
…んだけど、わたしが預かったデータはEPUBチェックであっさりエラー。バージョンによるかもしれない。こいつをEPUBチェックを通るようにして、目次などナビゲーション文書をつける。
バラして中を見ると、構成は約束通りのEPUBパッケージ。問題が以下の3点。
・toc.ncxがあって、プロパティのnavを指定されているnav.xhtmlがある。ところが、このナビゲーション文書、本文の最初のページが記述されているだけで目次の役に立っていない。
・本文中にエラーになるタグがある。
・スタイルシートでモリサワのフォントが指定されいている。
ナビゲーション文書の作り直し。
content.opfはxmlなので、Data::Dumperで確認して、XML::Simpleで解析。フォルダ構成を見直して、再構築する。(「理解・分解・再構築」(c)鋼の錬金術師) 改めてcontent.opfを作り直して、nav.xhtmlは新規に作成。
XMLの長所・利点というか、こういう標準化された記述方式は、アクセス、理解が早くて助かった。
本文中のエラータグは適当にストリップ。ルビ関係のタグ程度だった。
モリサワのフォント指定は、明朝・ゴチックに太字をまじえてそれっぽく指定しなおし(ビミョーな感じ、というかやっぱり違和感。こればかりはしょうがない)
上記3点を直して、EPUBチェックもValidで通るようにした。
落とし穴だったのがkindlegenで警告。
max-width max-height
column-width -webkit-column-width
の4つのCSSプロパティは対応してないから削除した、と。
なんか見た目、変だよなあと思ってた扉ページや小見出し、画像表示などの部分かな。kindlegenが削除したのはレイアウトがらみのプロパティ。目視チェックで確認しながら、それっぽく指定しなおした。
別の話。AppStoreの件はかなり深刻らしく、廃業・事業変更なんて話まであるらしい…て、それだけAppStoreでの売り上げがよかったってことだなあ
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