EPUB3編集にSigilは使えない

EPUB3ファイルの編集にSigilを使ってはいけない、という小ネタ。
epubcheck-3.0.1でエラーも警告もないEPUB3ファイルを、Sigilで編集して保存するとエラーまみれになってしまう、という状況。SigilはEPUB2に完全対応を謳っているけど、EPUB3はどうやら中途半端な対応らしい。
なので、Sigilを通して作るとepubcheckではエラーを吐くことになる。
「かんたんEPUB3作成easy_epub」 で作るEPUB3はepubcheckでエラーのないValidなEPUB3ファイル。
このファイルはEPUB3で、
・toc.ncxは生成していない。
・opfファイルでナビゲーションに指定した文書で、目次とlandmarksを記述。

epubcheck-3.0.1のチェックではエラーも警告もない。

ところが、このEPUB3ファイルをSigil (Mac build 0.7.2)に読み込ませると

toc.ncxがない、というエラーが出る。そのままにしてSigilで開いて何もせずに「別名で保存」してepubcheckにかけるとエラーだらけとなる。

・各xhtmlのDOCTYPEがすべて書き換えられている。
・content.opfに不明なattributeが書き加えられている。
・toc.ncxファイルが追加される。
・content.opfにtoc.ncx絡みの記述が追加される。
・Section0001.xhtmlというファイルが要求されているが作られていない。
上記、Sigilが追加したり編集したりしたものすべてが、epubcheck-3.0.1ではエラーのもととなる。
・各xhtmlのDOCTYPEを元のものに戻す。
・content.opfの不明なattributeを削除する。
・toc.ncxファイルを削除する。
・content.opfのtoc.ncxと絡みの記述を削除する。
・Section0001など覚えのない記述も削除する。
Sigilがわざわざエラーをつけてくれるので、その部分をもう一度編集する必要がある。
EPUB3ファイルの編集加工にSigilは使い物にならない(SigilはEPUB2まで)
愚痴になるけど。epubcheckでエラーがないように四苦八苦して作ったEPUB3ファイルなのに、google様謹製のツール、Sigilを使うと滅茶苦茶にされてしまう。google様か野良ITかどっちを信用するかとなると、当然google様。どっちが間違ってるかということになると、当然野良IT、と判断されることになる脱力感。
とはいえ、今のところ、EPUB3でエラーのあるなしよりも「kindleの登録に使えるか」がポイントだろう。
Sigilで編集加工してEPUBファイルを作って、kindlegenでmobiファイルを作成、kindle previewで見る限り致命的なエラーは出ていない。プレビューワーの本の情報をチェックしても、論理目次もHTML目次、スタートページなど問題はない。
EPUB3対応だけじゃなく、ストアごと、リーダーごとの対応が、まだまだいろいろあって、すんなりいかないことばかりでございますです。
[11/09 17:25:10]
ネットで検索してると電子書籍、EPUB制作にSIgilを使ってうんぬん、という記事・ブログが目につくけど、ちゃんと検証してるのかな。EPUB3になってSigilは使えないということをわかって書いてるのか、疑問。ていうか、Sigilを勧めるのはやめてくれ。
[12/11 16:48:02]
今日時点、わたしの知る限り、縦書きのEPUB3にまともに対応しているアプリは「一太郎 2014」
http://www.justsystems.com/jp/products/ichitaro/feature4.html
SigilなどEPUB2までしか対応していないツールで、無理矢理EPUB3を作るために時間と労力を使うぐらいなら、一太郎を購入した方が早い。
[1/22 11:54:05]
InDesign CC も対応してました。
http://www.adobe.com/jp/products/indesign.html
[01/23 13:02:34]
無料で使えるEPUB3の電子書籍作成サービスなど(kindleやibookstoreで販売実績のあるもの)
【WEBサービス】
【ローカルアプリ】
縦書き電子書籍で最低限のスタイルシート

「何を今さら」なんだけどちょくちょく聞かれることがあったりするし、自分整理のためにも。
仕事がらみや公開している easy_epub で使っているスタイルシートから抜き出してメモ(文字通り備忘録)。
とりあえずこれだけでシンプルな縦書きの電子書籍となります(EPUB3チェックではValid)
body
デフォルトで縦書きを指定。
writing-mode:vertical-rl→縦書き(vertical)で、右(right)から左(left)という指定
line-height(行間)は1.75(横書きだと改行の多い文書はスカスカに見えるので1.6ぐらいがいい塩梅だと思う)
body.vertical
縦書きの指定。bodyと同じ。
body.horizontal
横書きの指定。
writing-mode:horizontal-tb→横書き(horizontal)で、上(top)から下(bottom)という指定。
.vertical と .horizontal を作っておくと、ページ単位で縦書き/横書きの指定が簡単。
「本文はデフォルトの縦だけど奥付は横書き」とか「扉ページ=縦書き中央配置のページを作るための小細工のため」に使う。
body{
writing-mode: vertical-rl;
-webkit-writing-mode: vertical-rl;
-epub-writing-mode: vertical-rl;
line-height: 1.75;
text-align: justify;
margin:0;
padding:0;
font-size:100%;
}
body.vertical {
writing-mode: vertical-rl;
-webkit-writing-mode: vertical-rl;
-epub-writing-mode: vertical-rl;
}
body.horizontal{
writing-mode:horizontal-tb;
-epub-writing-mode:horizontal-tb;
-webkit-writing-mode:horizontal-tb;
}
縦中横
縦書きに混じる!?や平成25年、ABCなどの半角英数字や記号などを正立させる。リーダーによって何文字まで正立するか違いがあるので、2文字ぐらいまでが安全なところかな。
.tcy {
font-size:0.9em;
letter-spacing:-0.1ex;
text-combine: horizontal;
-webkit-text-combine: horizontal;
-epub-text-combine: horizontal;
}
縦書き関連はここまで。
以下はわたしが普段使い回ししている=使用頻度の高いスタイル設定
傍点
sesamiはゴマみたいな形、dotは丸。縦書きの場合はゴマ、横書きの場合は丸というのが好み。
.sesami {
text-emphasis-style : sesame;
text-emphasis-color : #333333;
-epub-text-emphasis-style : sesame;
-epub-text-emphasis-color : #333333;
-webkit-text-emphasis-style : sesame;
-webkit-text-emphasis-color : #333333;
}
.ten {
text-emphasis-style : dot;
text-emphasis-color : #333333;
-epub-text-emphasis-style : dot;
-epub-text-emphasis-color : #333333;
-webkit-text-emphasis-style : dot;
-webkit-text-emphasis-color : #333333;
}
h(見出し)タグ
何も指定をしないと、リーダーのデフォルト設定となり、思った以上に大きい文字になることが多いと思う。ので、ここで文字サイズなど指定しておく。
h1{
text-indent:0em;
font-size:1.1em;
font-weight:bold;
}
h1.normal-title{
margin:0em 1em 0em 2em;
}
h2{
text-indent:1em;
font-size:1.1em;
font-weight:bold;
}
h3{
text-indent:2em;
font-size:1em;
font-weight:bold;
}
imgタグ
google play ブックスなどの場合、デバイスの表示領域以上の大きいサイズの画像を全部表示しようとして画面をハミ出してしまってびっくりすることになる。なのでここで最大サイズを100%と指定しておく。
(kindleはmax-width、max-heightに対応していないので、kindlegenで変換すると警告がでるけど無問題)
img{
max-width:100%;
max-height:100%;
}
pタグ
段落タグ
文書、元テキストは段落単位にしておくのが基本。リフローは改行位置が決まらないので、改行したければBRタグを使うか、空のpタグを使う。
p.line-indent1
リーダーのデフォルトがどうなってるのかよくわからないので、行頭の一字下げはなしにしておいて、行頭字下げのコントロールはスタイルシートでする。
p.paragraph-indent1
段落を字下げしたいリクエストもあるので用意しておいた
p{
text-indent:0;
margin:0;
}
p.line-indent1{
text-indent:1em;
}
p.line-indent05{
text-indent:0.5em;
}
/* 字下げ */
p.paragraph-indent1{
padding-top:1em;
}
p.paragraph-indent2{
padding-top:2em;
}
p.paragraph-indent3{
padding-top:3em;
}
扉ページ(縦書き中央配置)
具体的なXHTMLと指定のしかたはこちら→『EPUB3リフローレイアウトで扉ページ』
ページを横方向にして、縦書きにしたいタイトルを入れたdivなどのブロック要素をセンタリングして、ブロックの中を縦書きにする。
div.tobira-text{
margin-left:auto;
margin-right:auto;
margin-top:1em;
-epub-writing-mode:vertical-rl;
writing-mode:vertical-rl;
height:100%;
}
div.tobira-text h1{
font-size:1.2em;
text-indent:1em;
}
他、もろもろ本体は『macOSでEPUB3作成』にあるMac版、Windows版のeasy_epub.zipの中に入っています。このツールで作ったファイルをそのままkindleの登録に使ってます。
電子書籍のスタイルシートは「緊デジのテンプレート」なども公開されていて、中をみるといろんなパターンがあってとても参考になります。おすすめ。
わたしがEPUB3を始めたきっかけは以下の記事とCSS。ひたすら大感謝です。
・期待の電子書籍フォーマット『EPUB3.0』で電子書籍を作ってみよう
立川まんがパークは極楽だった

ほぼ10年ぶりに東京西部地区。立川まんがパークに行ってきた。パラダイス、極楽だった。
その前にお昼ご飯。やっぱりほぼ10年ぶりの武蔵小金井で途中下車。開かずの踏切で有名になったところ、高架工事が終わり駅前が一変していてびっくり。田舎駅舎のたたずまいだったのが駅前ロータリーなど地方小都市にありがちな景色になっていた。
カレーの『プーさん』
野菜チキンカレー1500円。極辛。
素揚げされた野菜が文字通りのてんこ盛り。チキンはほろほろと崩れる柔らかさ。口に入れた瞬間ほわっと広がるクローブの丸くて甘い香りが相変わらずの絶品。ボリュームもたっぷりで、満腹。

武蔵小金井から4駅。だいたい10分ぐらいで立川。立川駅南口を出て徒歩5分ぐらいで「立川まんがパーク」
入口で靴を脱いで靴ロッカーに入れる。このロッカー代が入場料の400円。靴ロッカーの状態で中の人数がわかる、ちょっとしたアイディアだなあ、と妙に感心してしまった。
まんがパークは予約などはできなくて、行ってみて靴ロッカーがいっぱいだったら満員。空くのを待つことになる、らしい。(昨日わたしたちが行ったときから帰るときまで、満員にはなってなかった)

入ると床は基本的に「畳敷き」足の裏が心地よい。漫画の数は4万冊ぐらい?かな(公式HPを参照してください)
どこにどんな本があるのか、探すのが大変だけど、端末が設置されていてタイトルや著者名で検索するとどの棚にあるか教えてくれる。これは公式HPでも調べることができるので事前に調べて目当ての本棚直行も。

『がきデカ』『ドカベン』『ブラックジャック』『アイシールド21』『うしおととら』…あげるとキリがない。本棚の前でいちいち「うをっ!これあるのか」「うひゃーなつかしー」「こっちにするか」「ううう、まずあっちか」などと目移りして困った。
2段ベッドタイプ。これの下、一段目のスペースには小さな机が設置されたタイプもある。もう少し広い押し入れタイプもあって、居心地いいのは間違いない。わたしは2段ベッドの上に陣取って、『うしおととら』を持ち込んで、さっそくごろ寝読み。
子供が多いのに、みんな夢中で漫画を読んでいて、とても静か。

大量の漫画に囲まれ、畳に寝転がって静かな場所でひたすら漫画を読む。気心の知れた友達、親戚の家に行ってごろごろしてる気分。ここは一年中夏休みだ。


立川に住んでいたら通うぞ、これは。
わたしはずっと転がって漫画を読んでたんだけど。
イートインがあって、メニューにはビール、ハイボール、カレーライス、枝豆、唐揚げがあるお父さん向けか。ちなみに食べ物は冷凍ものを渡されて各自レンジでチンする。
ご飯の心配もなく、朝から行って一日中ごろごろできる。素敵すぎる。
打ち上げ(?)は立川の串揚げ割烹。お通しがしっかりしていてこれだけで驚き。串揚げといいつつ、刺身や焼き魚が美味でありました。

『立川まんがパーク』公式HP
平成24 年度第1回立川市文化振興推進委員会
http://www.city.tachikawa.lg.jp/cms-sypher/open_imgs/info/0000000082_0000035864.pdf
『マンガ3万冊を畳でゴロゴロしながら読めて1日400円 「立川まんがぱーく」が素敵すぎる』
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1304/09/news102.html
『プーさん』
http://tabelog.com/tokyo/A1325/A132501/13005962/
『串揚げ割烹 トントン』
http://tabelog.com/tokyo/A1329/A132901/13072774/dtlrvwlst/
定期的に観たくなる映画のひとつ


いや、定期的に観たくなって今日もまた「ダーティハリー」
冒頭のホットドッグを頬張りながら44マグナムを撃つシーンは何度観てもシビれる。検索してみたら、そのシーンのセリフがまんま出てきたのでメモ。
I know what you’re thinking. "Did he fire six shots or only five?"
Well, to tell you the truth, in all this excitement I kind of lost track myself.
But being as this is a .44 Magnum, the most powerful handgun in the world,
and would blow your head clean off,you’ve got to ask yourself one question:
"Do I feel lucky?" Well, do ya, punk?
おまえが何を考えてるか言ってやろうか。おれが撃ったのは6発だったかそれとも5発だったか。実のところ、おれもよく覚えてないんだ。でもこれは44マグナムといって世界で一番強力な拳銃でな。おまえの脳味噌を吹っ飛ばすことになる。どうする?自分に聞いてみな。自分は幸運かどうか。どうする?ちんぴら。
でもって、どうしてまた「ダーティハリー」かというと、冒頭の写真。スティーブン・キングの『ビッグドライバー』の一節。ダーティハリーがちらっとだけ引用されていて思い出したというのが真相。
キングは映画やメジャーリーグ、飲み物や車など具体的な名前を出すことで有名。広告宣伝マンとシャレでいうぐらい。同時代性の獲得とかいうと面倒くさいけど、具体的な商品名、共通の背景で読者を作品世界に引っ張り込む。
編集者だったころ、漫画家さんと打ち合わせでよく話題にしてた。
「漫画はウソなんだから、ディテールはリアルにしておかないとだめですよねえ」
具体的な商品名や映画などをちりばめると同時代性を獲得する代償に普遍性を失う、という話ももっともだけど振り返って時代を感じさせるということで、それはそれでOKじゃないかと。
…てなことは実はどうでもよくて、ダーティハリーは何度観ても傑作、ということだけよろしくお願いします。
1971年の映画。ぜんぜん古びてない。
http://youtu.be/8Xjr2hnOHiM?t=7s
↑騙されたと思って、この冒頭部だけでも観るべし。
何を回収したいのか。

昨日ちょっと話題になった記事。
『Kindle本の表紙作成に関するアイデアとヒント「勝利の鍵はサムネイルだ!!」』
表紙大事、という内容でもっともな話…なんだけど
「2万円を著者さんが回収するのは大変」に関して。
以前からKDP個人作家の中には、こんな料金じゃイラスト・デザインを依頼できない、回収できない、などと公言しているひとがいて違和感、というか嫌悪感をもっていた。
モノとしての本じゃない。データ販売だ。
一冊一冊に紙印刷代など原価コストなんてない。配信コストも必要ない。データは劣化しない。在庫リスクもない。書店で販売期間が切られるわけじゃない。
いったいどこをどうしたら「回収する」なんて発想が出てくるのか。
自分の書いたものに関しては、売れただの売れないだの、儲かっただの、買ってくれてありがとうございます、評価いただきました、と一喜一憂してはツイッタなどで公言して大騒ぎ。
その一方で、自分が支払う・支払ってしかるべきデザイナーやイラストレーターへの対価を高い、回収できないと公言する。デザイナーやイラストレーターは本を売るための道具じゃない。彼らの創作に対する敬意すら感じられない。
自分は評価して欲しい、だけど他人は評価しない、ということ。
「下品」のひとことだろう。
同じ個人作家でも、少なくとも、紙印刷代など計算して赤字にならないように定価をつけて、ということをやってる同人誌のサークル連中の方が「依頼すること」に関して、よっぽど気をつかってる。そもそも、根っこに、このひとに原稿を頼みたい、好きだから頼みたいという情熱・共感みたいなものがあって、相手に対する敬意がちゃんとある(わたしの観測範囲)
もちろん、みんながみんなというわけではないけど。KDP、ネットに蔓延するノーリスペクトで不神経な言葉にはげんなり。だ。
[09/20 22:00:38]
野暮を承知で追記。
反応いただいてるのを見ると、
・「回収がおかしいってことは儲けちゃいけないということなのか、敬意という霞だけ食ってろというのか」というのが散見されるけど、ぜんぜん逆。
創作に対する評価をちゃんとしてもらおう、創作で食えない状況を何とかしないとだめだ、と思ってる。
なのに、創作者である個人作家がみずから他者の創作をないがしろにするようなことを公言してると、そのうち自分に返ってくるんじゃないか、ということ。それこそ自分たちでデフレスパイラルを演出してどうすんだろう。
・「回収」という言葉に対する反応も、普通に使う言葉なのに何をいってるんだ、と。
いやいや、文脈というのがあるだろう。
想像力の欠如。
デザイナーやイラストレーターにそんな金払ったら回収できない、などと公言してるのを、デザイナーさんが見たらどう感じるのか、自分が言われたらどう思うのか、という簡単な話。
んでもって、回収という言葉は普通に使われる言葉かもしれないけど、データ販売のどこに回収ポイントがあるのかを示してもらいたい。物販じゃない。データ販売のどこにどの期間で回収する必要があるんだ?個人が。
物販のコストやリスクをそのままデータ販売にあてはめようとしても無理があるってことはわかってるんだろうか。
それとは別だけど、企業や製品をないがしろにする発言と違って、ネットで繋がるのは個人同士になるので、ちょっと無邪気すぎるような気がした。
ついでに。この雑記帖で、何かを議論しようとか問題解決のための提起をしようとか、まったく考えていない。あしからず。
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