コミティアで電子書籍(クロヒス諸房さん)
今日はコミティアに参加。
クロヒス諸房のトオノキョウジさんが面白い試み。
本を買ったら「その場で」電子書籍版もプレゼント!
以前、文学フリマがPiOの頃、電書部が電子書籍の対面販売をしていたことがあった。この時は見本を見て購入するには電書部のひとが用意したノートパソコンにメールアドレスを入力。そのメールアドレス宛にEPUB、PDFが送付される、というもの。その電書にはソーシャルDRMとして購入したひとの(わたしの)メールアドレスが埋めこまれていた。
今回のクロヒス諸房さんの電子書籍=EPUB3ファイルは、iOS限定だけどAirDropを使って「その場」で「スグ」に受け渡し。EPUB3ファイルは素の状態でメールアドレスが埋め込んであったり、連番IDが振ってたりということはない。
「こんなの書いてるのは自分だけですから、コピーされても(流出しても)すぐわかりますし(笑)」とキョウジさん。
近いうちにご本人が今日のレポートを上げると思うので、受け取った人数や電書の感触なんかはクロヒス諸房さんの公式サイトを観測してください。
「クロヒス諸房.net」https://crohysshobou.net
twitter @kyozy_tohno
ウチの本棚、というか買った同人誌で物理的に崩壊していて、押入とか机の下とか、え?こんなとこに置いてたっけと、もはや収拾がつかない状況。
電子書籍版があるとすごくありがたい。
今日いただいたトオノキョウジさんの『スティーリー・ワンダー』紙本も同人誌袋の中だった。
それを今日、電子書籍版をいただいて、Himawari ReaderというAndroidの電子書籍リーダーに入れて読みはじめて一気に読んでしまった。
かついだピアノを武器に戦う男の話。
いやもう、ハイテンションライトノベル、なのに、描写細部のいちいちがきちんと等身大。ブッ飛んだことを当然とするのではなく、それを見たキャラがきちんとビックリしたり呆れたりするところが感情移入を誘うんだよなあ。
傑作でありました。
クロヒス諸房トオノキョウジさんの作品はアマゾンで紙本や電子書籍、BOOTHやYahooショッピングでも買えるのでぜひぜひ。
https://crohysshobou.net/?page_id=24
「紙か電子か」なんてことを言ってないで「紙も電子も」です。
ちなみにウチは。
ティアズマガジンのプッシュ&レビューに『夏煉喧騒曲』が取り上げられてたりお誕生日席だったりでそれなりの動きだった、のかな。いつものまったりした(年末のコミケのすぐ後なので)ティアと違ってなぜか人通りの絶えないコミティアでした。
わたしは、昨日ちょっと飲みすぎて(いい歳こいて)朝っぱらからゲロるテイタラクなもんで、午後から合流&参加。な状態だったけど、やっぱ楽しい一日だったなあ。
» ローカル環境で電子書籍を作る、Macアプリ・Windows版ツール 「かんたんEPUB3作成easy_epub」
SigilのEPUB2をEPUB3に仮変換してみた
EPUB2をEPUB3に変換するネタ。
去年から地味に「Sigil EPUB3」とか「EPUB2をEPUB3」とかで検索されていて、去年暮れぐらいからさらに検索ボリュームが上がった感じ(ぼーっとアクセスログを眺めて目についた、という程度だけど)
epub2をepub3に変換したい、というリクエストが増えてんだろうなあ。
EPUB2のファイルをEPUB3のファイルに変換するより、元原稿からEPUB3ファイルを作り直した方が早いと思う。
とはいえ、呆け防止のパズルに途中放置していたepub2からepub3への変換スクリプトをいじってみた。
・epub2ファイルを解凍する。
→ unzip EPUB2ファイル
・解凍したフォルダで、ターミナルあるいはコマンドプロンプトを開いてスクリプトを走らせる。
→ perl sigil2epub3.pl
・epubcheckでエラーのないepub3ファイルができる(_temp.epubという名前のepubファイル)
※WINDOWSの場合はactive perl(https://www.activestate.com/activeperl/downloads)とコマンドラインで使えるzipが別途必要(https://github.com/bmatzelle/gow)
やってることは。
・content.opfを書き換える。
・新規にナビゲーション文書を作る。
・各XHTMLのヘッダを書き換える。
・epub3のチェックでエラーになるタグなど除去。
ちなみに、epub3でエラーになるタグを除去するので、レイアウトデザインは保持しない。
元のOEBPSフォルダはOEBPS.origという名前で保存するので、epub3にコンバートされたOEBPSと比較して調整&対応。
やっつけ仕事というか、かなりテキトーなシロモノで、コンバート後にepubcheckのエラーになんなきゃいいや、ぐらい。
サンプルに使わせてもらったepub2のファイルは素直でシンプル。ちょっと複雑なモノだとエラーを吐かないとも限らない。
また、決め打ちしてるところもあって使い回しがきかないだろうと思う。
てな感じのスクリプトはこちら→https://t2aki.doncha.net/tmp/sigil2epub3.zip
(※ 一発芸ネタは直リンクできないようになっておりますので、このリンクからご入場ください)
ぐちゃぐちゃで汚いのは素人芸ということでご勘弁くだされ。
…うーん、やっぱこりゃ、時間の無駄だわ。
» ローカル環境で電子書籍を作る、Macアプリ・Windows版ツール 「かんたんEPUB3作成easy_epub」
小説同人作家さんのKDPとKWL
創作文芸見本誌会場HappyReading(https://books.doncha.net/happy-reading/)というサイトを作って2011年12月から運営している。
ここの本の詳細ページに、kindleとkoboを作家名で検索した結果を表示するようにしてみた。
「はじめてのかた」に書いたように
【ここは何のサイト?】
創作文芸、一次創作の同人小説誌を紹介、応援することを目的としたサイトです。
コミケやコミティア、文学フリマなど、同人誌即売会イベントで、文章系は手にとってもらって、中身を知ってもらうところから始まります。
ここでは「立ち読み」のテキストを、まず気軽手軽に読んでもらうために用意しました。
「をを!これ面白い!」「こんなの好きかも」という機会に繋がればいいなあ、と思います。
立ち読みしてみて、興味を持ったら、twitterボタンで、ぜひ作者さんとその小説を応援してください。
というのが目的のサイト。
なので、原則として紙の同人誌、即売会イベントが前提。
2011年に作った時点では電子書籍はPDFぐらいでkindleもkoboもなかったし。
2012年暮れにkindleが始まって、登録している作家さんが電子書籍で出すケースが増えてきていて、なんとかそっちもピックアップできないかなあ、と思ってた。
でも、amazonやibookstore、楽天にページができるし、そちらの方が当然ながらSEOも強いし、こっちでページを作ってもあまり効果があるとも思えなかったので、なんとなくだらだら放置してたんだけど、koboも始まったことだし久しぶりにサイトをいじった。
何度も繰り返しになるけど、電子書籍の最大のメリットは「その場でダウンロードしてスグに読めること」
同人誌は街の書店で買えるものではなくて、イベントで買って読んで面白いと思っても、その作家さんの本を買うには次のイベントまで待つか(どのイベントに出るか不明だったりするし)通販になる。
その隙間を埋める・読者を繋ぐのに電子書籍は最適だろう。
amazonや楽天にSEOではてんで相手にならないとはいえ、HappyReadingは今日時点で620冊の小説同人誌が登録されている(著者:423人、サークル数:176)イベントが近づくとアクセスも1日300UU程度はある(pvは指標としてアテにならないのでユニークユーザー数)
紙の同人誌から電子書籍への動線があれば少しは役に立てるかも。
詳細ページの検索結果表示例。
https://books.doncha.net/happy-reading/detail.pl?uid=93165147&bookid=614
https://books.doncha.net/happy-reading/detail.pl?uid=203488059&bookid=549
https://books.doncha.net/happy-reading/detail.pl?uid=14879977&bookid=691
・安直に著者名で検索してるだけで同姓同名対策はしていない。
・検索するのは本の著者がひとりだけのページ。
ちなみに。
まだまだ「紙か電子か」で紙が好きで電子には否定的というひとが多い界隈だけど、「紙か電子か」じゃなくて「紙も電子も」ということで個人出版が盛り上れば面白いと思う。
» ローカル環境で電子書籍を作る、Macアプリ・Windows版ツール 「かんたんEPUB3作成easy_epub」
AndroidのTalkbackでkindleを音声読み上げ
kindle本をAndroidの音声読み上げ機能(Talkback)で聞いてみた。
端末:Sharp AQUOS Phone(SHL23) / OS:Android4.2.2
いろいろデフォルトで用意されていてラクチンなiOSと違って、Androidは自力解決を求められることが多い。音声読み上げもインストールが必要。
1)TalkBackのインストール
2)音声データのインストール
・TalkBack
https://support.google.com/accessibility/android/?rd=1#topic=6007234
googleのサポートページには [設定] > [ユーザー補助] > TalkBack に移動します。
などとさらっと書かれているけど、少なくともAQUOS Phoneの「ユーザー補助」に「TalkBack」の項目はなかった。「サービス」「インストールされているサービスはありません」状態。
google playでTalkBackをインストールすることになるんだけど。
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.google.android.marvin.talkback&hl=ja
スクリーンショットのように「インストール済み」と表示されているのが意味不明。こいつは「インストール済み」をクリックして改めてダウンロード&インストールする必要がある。
TalkbackをインストールするとgoogleサポートページにあるようにTalkBackの項が出てくる。
・音声データ
各種言語が用意されていて「日本語」を選んでダウンロードすれば大丈夫。
以上2つのインストールで、TalkBackを有効にして音声読み上げができるようになる。
TalkBackを有効にした状態での操作環境がかなり手強かったのでメモ。
・シングルタップでエリア選択
・選択されたエリアをダブルタップして操作
・少し広げた指二本を上下することで画面スクロール
基本的にこの3つで、「操作するにはタップしてからダブルタップ」と覚えておけば混乱することは少ないかなぁ。
ほか、ショートカット(googleのページより)
https://support.google.com/accessibility/android/answer/6006598?hl=ja
・上にスワイプしてから右にスワイプ: デフォルトの動作はローカル コンテキスト メニューを開く
・上にスワイプしてから左にスワイプ: デフォルトの動作は [ホーム] ボタン
・下にスワイプしてから右にスワイプ: デフォルトの動作はグローバル コンテキスト メニューを開く
・下にスワイプしてから左にスワイプ: デフォルトの動作は [戻る] ボタン
・右にスワイプしてから下にスワイプ: デフォルトの動作は通知を開く
・左にスワイプしてから上にスワイプ: デフォルトの動作は [最近使ったアプリ] ボタン
実際にkindleを開く
「ホーム画面」
1)kindleのアイコンをシングルタップして選択
2)ダブルタップしてkindleを起動(ライブラリ画面が開く)
3)読みたい本をシングルタップで選択
4)ダブルタップで本を開く
操作は
・少し広げた指二本を左右にスワイプしてその方向へのページめくり
・シングルタップでページ選択してダブルタップでメニュー表示
TalkBack読み上げの感想
いわゆる機械の音声で、ひとが朗読しているようなものを期待しちゃいけない。
棒読みイントネーションで、文節・単語の区切りも変。単語の読み違いもある。とはいえ、これはこれでありだと思う。
7〜8年ぐらい前だったか、ボランティアのパソコン教室にお邪魔したことがあって、弱視のかたがスクリーンリーダーで音声を聞きながらパソコン操作をしているのを初めて見た(知った)
完璧な読みであるに越したことはないけど、今スグに、読める・情報を知ることができる環境は大事だなあ。
棲み分けというか。
読みやイントネーションについて原本ママを求められる小説などは校正・編集した音声をmedia overlayで埋め込めばいいし、そこよりも「早く今スグ」が求められるものなら「ユーザー補助」機能にまかせればいい。
※ちなみに、途中でワケがわからなくなっても、パニクらずに「上にスワイプしてから左にスワイプ」して「ホーム」画面に戻ってそこからユーザー補助・TalkBackにたどり着いてOFFにすれば大丈夫。
[11/30 09:06:23] 追記。
ユーザー補助での読み上げだと「ルビ」を読んでくれないんだなあ(当たり前か)
ルビを読んでくれるなら、読みの校正が可能になって、本の最低限の質は得られる。読み違いって、言ってみりゃ誤字誤植だから、わかっていて直せないのは、残念。
[11/30 10:31:56] 追記。
googleのデフォルトの音声エンジンよりもKDDIのこちらがオススメ。
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.kddilabs.n2tts&hl=ja
googleデフォルトが句読点をあまり意識していないのに対し、KDDIの方は句読点で間を取るので格段に聞き取りやすい
[2015/02/22 12:04:35]
AndroidのTalkbackやiOSのVoiceOverとはまた別に、EPUB3のmedia overlaysを利用すればEPUB3電子書籍に音声を付けられる。
『動画で見る音声付き電子書籍の作り方』
↓実際にここで作った音声付き電子書籍一覧
「眼聴耳視」音声付き電子書籍公開リスト
» ローカル環境で電子書籍を作る、Macアプリ・Windows版ツール 「かんたんEPUB3作成easy_epub」
epub制作に必須のArchive Zipのメモ
電子書籍作成ページの依頼があって久しぶりにスクリプトを眺めてみた。
(電子書籍の制作ではなくて、電子書籍を作成するページの作成)
エラーのないepubを作るのは手順の塊…というか手順だけなので面倒くさいんだけど難しいスクリプトでもない。
ユーザーの入力をどこまで自由にするのか、ページ移動はどうするのか、エラー処理は、ブラウザ対応は、などなどepub作成以外の部分で考えなきゃいけないことがいろいろあるのはwebだからしかたがないところ。
Archive::Zipのメモ1
てなことを考えながら見てたら、epubをパッケージするzipのモジュール、Archive::Zipでエラー。
他のスクリプトでは問題なく使えているモジュールで原因がわからないし、該当箇所を見てもよくわからない。
zipにファイルを追加していくところでエラーになってしまう。いろいろ試行錯誤。
結果。追加するファイルが見当たらない、pathが違ってたというだけのことだった。コンセントが抜けてますよレベルの話だった。
…でもなあ、このエラーメッセージじゃわからん。とほほ。
Archive::Zipのメモ2
前々からArchive::Zipで圧縮したらそれをファイルの書き出すのではなくて、標準出力にそのまま吐き出せればいいのにと思っていて、ついでなので調べてみたら、当たり前のように用意されていた。おのれの不勉強に愕然。そりゃそうだよなあ。
writeToFileHandleのファイルハンドルに標準出力を指定してやればOKだった。
これで正常なzipファイルを出力することができた。
久しぶりにこの手のことでグーグル様詣で。以前Archive::Zip について調べた時には見かけなかったepubがらみのQ&Aなんかが検索でひっかかってきてちょっとびっくり。
電子書籍を作る側は充実してきてるんだなあ、と変なところで実感した。
» ローカル環境で電子書籍を作る、Macアプリ・Windows版ツール 「かんたんEPUB3作成easy_epub」
音声付きのEPUB電子書籍
詳しくないのでテキトーなことを言っちゃうんだけど。
誰もが情報にアクセスできる、「本を読める」ことが大切。
電子書籍の音声読み上げ機能はたぶん必須となる。
文字サイズやフォント、コントラストや白黒反転などが調整できて読みやすい環境が手に入る電子書籍で、さらにもう一歩進むべきところが音声読み上げだろうという話。
iPad(iOS)あたりはTTS(テキストツースピーチというらしい)、端末に表示しているテキストを読み上げる機能がすでにあって、DRMがかかってなければEPUB電子書籍も読み上げてくれる。
実際に某社で雑談の中で見せてもらった…けど、ぶっちゃけ今日時点、とても使ってもらえるようなシロモノじゃなかった。
「ほら、ハードウェアでもうできるんですよ」と読み上げさせてた本人すら、ページをどうやって送るのかどこを読ませるのか右往左往で満足に操作できない。見てるこちらはもっと意味不明で、これを「できてる」と言っちゃいかんだろと内心思ってた。
たとえば視力・視覚に障害のあるひとにこれを使えば読めますよ、と言ったところでたぶん無理。
某社の音声合成ソフトを見せてもらった。
EPUBを読み込んで、音声をつけたEPUBを作成するというソフト。EPUBの本文であるHTMLを解析して、段落単位(たぶんPタグなどブロック単位)やフレーズ単位(たぶん、句読点や単語を見てる)で、読み上げ音声をつけて、なおかつ、読み上げている部分をハイライト表示する。
(EPUB専用ということではなく、EPUBモードがあるということで、テキストなら何でも読み上げる)
音声をつけて書き出されたEPUB電子書籍は担当者が清々しく臆面もなく自慢してたように、読み上げのイントネーションがかなりまとも。辞書機能もしっかりしてるようで読み間違いはほとんどなかった、かな(固有名詞はさすがに難しいけど辞書登録や編集機能があるので手をかければ問題はない)自慢するだけのことはある。
ハードウエアによる(OSレベルでの)音声読み上げと違って、電子書籍の中だけのことなので、ページめくりやページジャンプなど音声なしのEPUBを読むのとまったく同じ操作で違和感がなくスムーズ。
これなら十分使ってもらえるレベルだなあと素直に脱帽、というか感心した。
EPUBファイルの中がどうなってるのか興味津々。
ファイルをもらってないので中を見ることはできなかったけど、音声を同期させるため(読んでいるところと音をあわせるため)のSMILファイルを自動生成しているらしい。今までこれを手作業なりでやるしかなかったらしく、その作業を知ってるひとに言わせると、これだけでもぜひ欲しいということだった。
商売的に。
端末による読み上げのためにはEPUBファイルにDRMがかけられないけど、音声を組み込んだEPUBならDRMがかけられる、かな(憶測)
対応している端末次第だけど、DRMがかけることができれば著者・権利者の理解も得やすい、ていうかDRM前提の契約になってることが多いらしいし。
このあたり、まるで不勉強だし、ちょっと調べものしてみるかなあ。
[2015/03/05 10:57:00]
というわけで、EPUB3のmedia overlaysを利用した音声付き電子書籍を実際に作成した。
音声合成は
mac
システムの音声Otoyaくん Kyokoさんを使用
windows
SofTalkや棒読みちゃんでAquest社の音声を使用
作成手順や、作った音声付き電子書籍については以下のページ。
『動画で見る音声付き電子書籍の作り方』
『Windowsで縦書き総ルビの般若心経を読み上げ』
上記で作った音声付き電子書籍一覧
『「眼聴耳視」音声付き電子書籍公開リスト』
» ローカル環境で電子書籍を作る、Macアプリ・Windows版ツール 「かんたんEPUB3作成easy_epub」