webでいいじゃんテキスト最強!
WEBで時々みかける「WEBでいいじゃん」「テキスト最強!」
たしかにその通りだと思うけど、「どうせクソになって出るんだから、なに食っても一緒だろ」といってるのと同じ。
e-book、電子書籍と名前をつけられてるんだから「本」でないと困る。
本は、表裏の表紙があって、背表紙があって、本を開くと文字・文章が紙に印刷されていて、それを目で追って読むもの。
電子書籍は、専用端末・専用アプリでテキストが表示されていて、それを目で追って読むもの。
ということにしておいて欲しい。
なんでなのか、うまく説明できないので、話をいきなり飛ばすけど。
わたしは、テオ・アンゲロプロスという監督の映画が好きだ。『旅芸人の記録』『アレクサンダー大王』『霧の中の風景』『ユリシーズの瞳』『永遠と一日』そして何より『シテール島への船出』
どれもこれも3時間当たり前という映画で、ストーリーは、たとえば耄碌した恍惚頑固爺が帰ってきて放浪するだけ。何が面白いのかよくわからない。学生時代に初めて観てハマった『旅芸人の記録』。この初めての時、DVDを借りてウチのテレビで流したとしたら、途中で投げてた。
映画館だからハマれたのだ。
スクリーンと一対一を強要されて、スクリーンの中の世界に目が釘付けとなり、緊張感にいちいち鳥肌が立った。スクリーンの中の時間と空気を押しつけられる快感というか。
テオ・アンゲロプロス特集の「ユリシーズの瞳」を観てきた。ラストは腰が抜けた。話はなんだかよくわからないけど、画面から目が離せず、妙な説得力と凄みがあった。話がよくわからんのに魅入られて面白いって、毎度のアンゲロプロスだった。
映画が初めて記録を始めた頃の、未現像のまま消息不明になっている幻のフィルム。それは最初の眼差し、無垢な眼差し。それを探す旅の物語。とか。
戦火の街。霧の日だけ、街が元の姿になる。視界がない霧の日は狙撃兵がいないから。街に出た人びとは、深い霧の中、音楽、芝居、ダンスを楽しむ。とか。
個々の状況にいちいち鳥肌がたって、画面がいちいち絵になってる。特に霧に覆われるサラエボのシーンは一瞬たりとも目が離せない気が抜けない緊張感。ひとにはなかなか勧められないんだけど、3時間があっという間だった。いや痺れた。
本を読むというのも同じだと思う(体験なんていうと大げさか)
本を読んでいるときは本と一対一、本を読むことに集中したい。それを提供するのが電子書籍というパッケージ・かたち。
今さらだけど。
電子書籍でパッケージされたことで、デジタルデータが商売になるというのもあるし、それ以上に、本と一対一になる環境が提供されたというのが嬉しい。
となると、たぶん、わたしが求めるのは専用端末なんだろうなあ。iPhoneアプリで読むより、KindlePWで読んでいるときの方が本を読んでる実感。プライベートでも仕事でも電子書籍がらみが多いので、普及を考えるとスマホで読んでもらった方がいいんだろうけど…。
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ここんとこいただいた「イイネ」
インスタグラムでいただく「イイネ!」の一部をこちらに放流。
一生懸命ない知恵絞って作ったサービスとか、雑文と違って、こいつらはナニもしなくても、いるだけでイイネを稼ぐ。ちっ。
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電子書籍の中抜き
噂話のヨタ話。データも根拠もない伝聞と思いつきの垂れ流しなのであしからず。(ネタ元は、中小零細版元、電子書籍専門の零細版元、電子書籍も始めた零細版元、フリーのライター、デザイナーとの雑談。印刷会社系・ネットベンチャー系の電子書籍取次ぎ主催交流会噂話の又聞きとか)
電子書籍オリジナルで商売をしている中小零細版元の売上は好転することなく厳しい状態が続いているらしい。業務縮小や人員削減なんて陰気な話がひそひそと。
・大手版元の本格参入で先行者利益(先発優位)が吹っ飛んだ。
・低価格帯はそれこそアプリと同じ競争激化、有象無象に埋もれてしまった。
・同じランキングでも、去年暮れから今年頭までと、今年の春以降ではダウンロード数(購入数)がまるで違って激減した。
上記の雑談は、
・紙の資産がある・ブランド力のある大手既存版元はやはり強いということ。
・コンテンツ制作にあたって、実売だけだと金が回らないということ。
この2点ということか。
電子書籍商売は難しいんだなあ、というのは以前にもヨタ話を。
『電子書籍は版元には厳しいらしい』 (2013/4/28)
中小で少人数とはいえ、事務所の家賃光熱費、人件費もろもろの固定費を考えると、定価99円とか190円、290円の本を最低でも何冊売らなきゃいけないのか、だ。
紙印刷のベストセラーだと1タイトルで、ン10万部なんて部数が出るけど、電子書籍のダウンロード数ってどうなんだろう(検索すると https://bestseller.digital-dokusho.jp/digital/index.html 10万部以上というケースもあるのか)そのベストセラーを出すまで辛抱がきくか・体力があるかどうか。
電子書籍で、取次ぎや出版社を「中抜き」ということが話題になったけど、別の意味の中抜き現象かもしれない。
現状うまく転がりそうなのは、紙資産のある既存版元か、売上が死活問題にならない個人レベル。この二極化で中抜きされるのは電子書籍専門の中小零細企業ということだったか。
(この手の、市場がどーした売上がどーたら、という話題に過剰反応するのはネット屋ばかりに見えるのは、危機感を募らせてるからかなあ、と邪推)
だらだら、つらつら書いてみたけど。
「中抜き」って市場が確立されてから出る言葉。その市場は去年暮れにやっと立ち上がったばかりで、まだ1年もたっていない。現状トップのKindleストアの売上がどのぐらい伸びるかで市場のいろいろが決まってくるんだろうなぁ。
ネットのスピード感とかだと、もう10ヶ月。でも、まだ10ヶ月。
我が家は地道に続けて行こう。
[08/08 20:05:43] 追記。
電子書籍で金になりそう・ひと儲けなどと、参入してきた安直なハイエナ系のネット企業は退場いただく。ということでいえば、わりと正しい淘汰のプロセスに入ったのかな、とも言える、かも。
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リフロー縦書きのセンタリング小ネタ
EPUB3リフローの縦書きで困るのが、縦書きの中でのセンタリング。
縦書きで中央揃えといったら、ページの左右に対して中央に配置されることだろう。なのにページの天地に対して中央揃えされてしまう。なんじゃらほい。
タイトルが1〜2行だけあるような扉ページに関しては以前書いた通り
『EPUB3リフローレイアウトで扉ページ』 (2013/4/1)
bodyを横書きにして、タイトルの入るブロック要素をセンタリングして、ブロック要素の中を縦書きにすることで解決。
・EPUBcheckではエラー、警告ともになく通る。
・リーダーは、ibooks kindle koboがOK。KinoppyがNG。
小見出しなどにも縦書きのセンタリングを使いたいことがある。
この小見出しは、数字部分と下の小見出し2行の部分で構成。
【タイトルや小見出しの仕込みが以下】
・opfファイルのmanifestとspine部分。タイトルと本文の2つのファイル構成
・タイトルページのxhtml
・本文のxhtml(小見出しのある冒頭部分)
この小見出しのセンタリングがうまくいかずに試行錯誤。line-height で調整できることに気づいた(って、WEBでは行の高さを揃えるのに使われる常套手段。とっとと気づくべきだった)
文字の大きさは、数字部分が2em。文章部分が1em。
左から
1)
数字はline-heightの指定無し(bodyに指定されたline-height:1.7)
文章はline-height:1
2)
数字のline-height:1
文章のline-height:1
3)
数字のline-height:1
文章のline-height:1.5
3)
数字のline-height:1.4
文章のline-height:1.5
文字の大きさに応じてline-heightは違ってくる。計算で出るけど計算するより身体で覚える現物合わせ。
あっさりさくっと、縦書きの時は text-align:center が左右に対してセンタリングしてくれればこんな面倒なことをする必要はないんだけどね。
[08/07 20:56:59] 追記。
上記の小見出しは、文字サイズを大きくして縦におさまらなくなると、数字部分と文字部分が横並びに。floatで並べただけのブロック、というので同じ。リフローは面倒くさいことが多いなぁ。
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サンプルの縦書き表示
この雑記帖を「縦書き」で検索するとしこたまヒットする。小説などの文章は縦書きであるべきだと思っている。根拠はない。
EPUB3だ電子書籍だとここで騒ぎ出したのも縦書きができるようになったから。
この雑記帖で日野裕太郎作品のサンプルを立ち読みしてもらうのも縦書きでなきゃ意味がない。 「創作文芸見本誌会場HappyReading」 の立ち読みテキストも(無理やりではなくて、素直な)縦書きで表示したい。
てことで調べてるんだけど、FireFoxがいまだに対応していない。
困ったことに、FireFoxはサイトをコーディングしていくときに便利なアドオンがあって手放せない。
しかたがないので、この雑記帖では、現状はUserAgentで判定してSafari、Chrome、IEの時だけサンプルを表示するようにした。
https://t2aki.doncha.net/?id=1362724515
スクリーンショットは向かって左からIE、Chrome、Safari(WIN7)
この時、気に入らなかったのが、
・縦書きは右から左へ文章が流れる。
・ブロックに収まりきらない分は、左側にあふれる。
・スクロール指定をしたら、ブロックの下にスクロールバーが出て、右から左へスクロールとなる。
全然イケてない。
・ブラウザのスクロールは縦方向でそこに横方向ってどうなの。
・クリックなどのユーザーアクションを求めるのはかなりハードルが高い。
という理由もあるけど。そもそも…
本の段組みのように配置されて、右から左に読んだら、左下から一段下の右上に目線を移動するのが本当だろう。
ブラウザも目線も上から下。クリックなしに文章を追ってもらえる。
ということで、雑記帖でのサンプル縦書き表示は、文字数をカウントして一行ずつ、pタグで囲って「段組み」に流し込むこととなった。
禁則処理のレアケースでバグがあるけど勘弁してもらおう(自分に)
縦書き部分のCSS
ついさっきまでIEもダメだと思ってたのは内緒。
このIE用の指定を見つけたので、何度も似たようなことを書いてるのに、またこんな記事にしたというのがことの真相。
やっぱ縦書きにはこだわりたいんだよなあ
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