WINDOWSの音声合成Harukaさんは有能だ
音声合成ネタ。
WINDOWSも8から音声合成エンジンがデフォルトで利用可能になったとか(わたしはいまだにwindows7なので伝聞情報)
その日本語音声のHarukaは、ユーザー補助のテキスト読み上げに使われているもので、かなり自然に聞きとれる。macもそうだけど、こういうところは、アメリカさんは、きちんとしっかり対応するんだなあ、と素直に感心してしまった。
マイクロソフトの取り組みとしては
【Microsoft】日本語音声合成エンジンのご提供について
https://www.microsoft.com/ja-jp/enable/products/7narrator/default.aspx
マイクロソフトでは、障碍 (しょうがい) のある方のパソコン活用に役立てていただくため、日本語音声合成エンジンを無償 (数量限定) でご提供します
という記事が2010年ごろ(?)に上がっていたようだ。
てことで、試したくなったので、検索してみたらば、もう5年以上も前からいろんなブログや掲示板などでノウハウが公開、蓄積されていた…おのれの不勉強に今さらながら呆れてしまう。
無料の音声合成エンジン 「Microsoft Speech Platform 11」
https://mahoro-ba.net/e1541.html
SAPI有効にする方法
https://yarimasu.ankochan.net/d/SAPI%CD%AD%B8%FA%A4%CB%A4%B9%A4%EB%CA%FD%CB%A1
Windows7で音声合成(Text to speech)
https://blog.mogya.com/2012/01/windows7text-to-speech.html
↑こちらのページを参考にWINDOWS7のネットブックにHarukaをインストールした(有用な情報ありがとうございます)
やることは3つ
・Microsoft Speech Platformのインストール
https://www.microsoft.com/download/en/details.aspx?id=27225
x64_SpeechPlatformRuntime.msi(64bit)
x86_SpeechPlatformRuntime.msi(32bit)
↑どっちか。
・TTS音声Harukaのインストール
https://www.microsoft.com/download/en/details.aspx?id=27224
MSSpeech_TTS_ja-JP_Haruka.msi
・レジストリの設定
上記のページを参考に。コマンドプロンプトを管理者モードで立ち上げて
↑をコピペして実行
このユーザー補助に使われる音声、macはコマンドラインでsayコマンドを使えば簡単に利用できたんだけど、WINDOWSがちょっとわからず、結局またperl(Active PerlでWin32)から使うことになってしまった。
読ませたのは『地下生活者の手記』ドストエーフスキイ・米川正夫訳の一節。
「悪人にも、善人にも、卑劣漢にも、正直者にも、英雄にも、虫けらにもなれなかった」
WINDOWSとMacの音声聞き比べ。
「WINDOWS7 SAPI5 Haruka」
「Mac sayコマンド」
WINDOWSもmacも。
OSのデフォルトレベルでここまで聞きとりやすくなってんだなあ。
電子書籍でいうと、これに人名や当て字、ルビを読めれば十分だし、さらに読み上げている箇所のハイライト表示とか、それらの仕込みも実は進んでるんじゃないか。となると、マルチメディアDAISY図書やmedia overlaysによる音声付きEPUB3電子書籍は過渡期の徒花かも。
» ローカル環境で電子書籍を作る、Macアプリ・Windows版ツール 「かんたんEPUB3作成easy_epub」
TPP丸呑みで著作権保護期間70年らしい
いままでは50年だったのが、TPP妥結によって70年となるとか。20年延長だ。
著作権の保護期間は何年だったら妥当なのか、という議論はおいとく。
これまで50年でやってきたのに、20年延長ってなんじゃそりゃということ。ルールを変えることになるのに、その根拠はなんなのか釈然としない・説明はあったんかよ、と。
わたしは著作権問題に関して、殊更、高い意識を持ってるわけでもないし、実害を被るわけでもないので、他人事だろうと言われればそれまでなんだけど。
青空文庫の2015年10月07日「TPP大筋合意との報に際して」
https://www.aozora.gr.jp/soramoyou/soramoyouindex.html
の声明文(?)の中でもここ
青空文庫に関わるボランティアは、その多くが作家や作品のファンであり、また少なからぬメンバーが、自分たちの好きな本がいつまでも読み継がれ、世界じゅうで自由に分かち合われ、これから先も公有財産として大切にされてゆくことを強く願うだけでなく、共有された知や文化が社会に循環され、次の新しい創作物が生まれて未来の文化が育まれてゆくことを心から祈って、日々の作業に取り組んでおります。
を読むと、やはりなんの理由・どんな根拠で20年延長、70年となったのか、理不尽、と思ってしまう。
ひとさまの商売の邪魔をしようとか、利益を損うとかいうような話でなくて、「好きな小説」「好きな作家」を読めない状況だけど、なんとかみんなにも読んでもほしいんだよお、というところ。
「うえええ、これスゲー面白いじゃん」「うわ。やべ、泣けた」とか本を読んでどこか動かされたら、ひとに勧めたくなるのが人情、本読みの原点ってもんだろう。ボランティアとして関わるかたの動機は理解できるし、それが作品を世間に広めていくエンジンとなってるはず。
50年が70年になるだけっちゃだけなんだけど20年ってひと一人が成人する時間で、わたしなどはたぶんあと20年たったら、向こう・彼岸に行ってる時間だ。このルール変更はずいぶん乱暴すぎやしないか。
ちなみに、今すでに公開されているものに関しては。
「著作権が期間満了で消滅した後に権利が復活することはない」というベルヌ条約の規定を遵守
ということらしいので、そのまま公開するのは大丈夫っぽい。
わたしは青空文庫のボランティアではない、ただの野良IT屋だけど。
中山省三郎訳のツルゲーネフの『猟人日記』を音声付き電子書籍にして、少しずつ公開してたりして、これが70年となると2017年まで保護期間。
また、いま写経中の米川正夫訳のドストエフスキー『地下生活者の手記』も50年ならば、今年の12月で保護期間終了なんだけど、70年となるとさらに20年先。
とりあえず、このふたつに関しては、滑り込みで大丈夫という理解でいいのかな。
「眼聴耳視」音声付き電子書籍公開リストhttps://t2aki.doncha.net/?id=1425130349
だめ!それアウトとか言われても、障害者差別解消法のことなんかがあるんで、電子書籍化しておいてもどこかで役に立ってくれそうなのでめげずに写経&合成音声作業をしておこう(モチベーションだだ下がりだけどなー)
ニュースやブログなど眺めると、結局TPPってあれこれ丸呑みという話で、いよいよニッポンはイレブンと呼ばれる世界かよ、と。
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青空文庫のルビや傍点をHTMLタグに変換
小ネタ。
青空文庫形式で書かれたテキストをちょっといじる機会があったんで、例によってperlでごそごそと。
『青空文庫 組版案内』(https://kumihan.aozora.gr.jp)に詳細な資料や、青空記法で書かれたテキストをXHTMLに変換するrubyのスクリプトも提供されている。
青空文庫からXHTMLへはrubyのスクリプトを使わせてもらえばそれで解決なんだけど、用途・前提が青空文庫。当然ながら青空文庫用のcssが埋めこまれる。
電子書籍にするのにそのままでは使えない。
本文で青空記法が使われてるのはルビと傍点、太字程度だったので、その3つをHTMLのタグに変換するスクリプトをでっち上げ。
perlのスクリプト的には、漢字かななどの判定にUnicodeブロックが便利でおすすめ。
無名サブルーチンも便利。
意外なところで青空記法が使われててちょっとびっくりだった。
テキストデータ利用ということで、ボランティアさんが入力するのに青空記法はわかりやすくていいんだろうなあ。
青空EPUBの現バージョン3-1.1.0b45はepubcheckでエラーになる。
原因はnav.xhtmlのlandmark部、「Undefined property:title-page」で、ここを「titlepage」にすれば大丈夫。
自転車置き場の新顔…のわりに態度がデカイ。
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サンプルの縦書き段組表示
やっとFirefoxが縦書きに対応したことで、すべてのブラウザで縦書きでの表示ができるようなった。
今までは、「サンプルを読む」みたいなリンクをクリックすると、Firefoxの場合は横書き、それ以外のブラウザは縦書きのポップアップウィンドウを表示させていた。苦肉の策。
今後はブラウザ判定して分岐させる必要がなくなったので、以前やってたようにページに縦書き段組のサンプルをajaxで埋め込む方法に変更した。
(とはいえ、新しいバージョンが出たからといってみんなすぐにインストールするとも思えないので、しばらくは必要だと思うけど)
ajaxにしたのは。
サンプルはそれなりに多いんで、ページ表示がひょっとして遅くなっちゃいけないと思ったから。
サンプル以外の表紙やキャッチなんかのいわゆる書誌情報は、とっとと表示してもらいたいということ。WEBで唯一断言できるのが「速さは正義」だ。表示にもたもたしてたらそれだけでそのページは終了だ。
ajaxならまずページは先に表示されるので、体感的なページ表示速度に影響しない。
縦書きのポップアップを使わなかったのは。
クリックはコストが高いから。
以前にも書いたかもしれないけど、オンデマンドの動画配信サイトで仕事をしていた頃に何度も(毎日)計測していた。ほとんどのユーザーはランディングページ→離脱。
いや、楽天のチラシのようなフンドシのような長いページをダセエーと思ってるけど、あれは正しい。
ユーザーのクリック誘導がいかに大変かという結果。理由もなくあんなクソみたいなページ構成にしてるわけじゃない、てことだと思う。
また、WEBページで、ページを縦にスクロールしていって、サンプルの縦書きのコンテンツだけ横にスクロールというのは違和感がある、目線の動きとUI的にありえない。
縦書きの文章は段組されて、目線の流れ的に、右上から左に読んで行って、左下端にきたら、下の段の右上端から読むものだ。
てことで(表示速度のリスクとクリックコストと縦横混在混乱を検討して)、縦書き段組を復活させた。
(のはいいけど、Safari、ChromeはともかくIE(ver.10)がまたCSSの解釈が微妙に違ってるぽいなあ)
もちろん不満点はあって。
とにかくWindowsはフォントが汚いんでビックリ。
ディスプレイの設定でマシになるとのことだけど、そんなことを来訪するユーザーに強要するわけにはいかない(昭和のホームページでは「画面1024px以上推奨」とか「フォントサイズ12px推奨」とかあったけど)
ダッシュが繋ってくれない。
これは電子書籍でも苦労してるところだからしょうがないか。
ただ、WEBというかブラウザにあまり多くを求めてもしょうがないんで、現状はこれでOK。
電子書籍を読むなら、それに特化した専用端末か専用アプリを利用するし。
この雑記帖を「縦書き」で検索するとどっさりヒット。2009年とか2004年ぐらいから待望の縦書き実現、というやつ。
やっと、Firefoxありがとう、だ。
日野裕太郎の作品紹介ページでサンプルが読めるのでゼヒゼヒ!!
↓このへんからどうぞ
https://t2aki.doncha.net/?id=1362724515
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作品の寿命
なるほどなあ、そういう考えかたもありかもしれんなあ、という微温い小ネタ。
本を書いて出版するからには、読者に届いてその作品をずっと愛でられていたい・大切にしてもらいたい、というものばかりだと思ってたし、実際、底辺とはいえ出版社で編集をやってた頃の作家さんは例外なくその通りだった。
でも、そうじゃないこともあって、ちょっと驚いた。
・本を買ってもらって、読んでもらったら、本はその場で消えてなくなってほしい。
・わたしが死んだら、わたしの出した本はすべて燃えて消えてほしい。
なんでやねん、と聞いてみたらば「だって気持ち悪いじゃないですか」と。
いつまでも自分の文章や絵が残ることが気持ち悪いということだろうか。
でも、なんかわかるような気がした。黒歴史の積み上げというか…とか言うと叱られそうだけど。
あるいは、その時、思いが伝われば良くて、カタチはいらないというか。
もしくは、古い自分の作品は、今の自分から見ると完成度が、とか(そういや、再録や単行本化で古い作品を引っ張り出して見せると、これまたほぼ例外なく、ヤメテ!見せないで!という悲鳴があがった)
なので、みんながみんな、自分の書いたもの発表したもの出版したものについて、同じ思いではないということも少しは意識しておきたいかなあ、と思ったしだい(今さら)
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風物詩:電子書籍は信用できない
とらのあなのダウンロードストアが終了したらしい。
DRMのかかった閲覧認証が必要な本は読めなくなる。またかというネタなんだけど、DRMでコントロールされた電子書籍は、本を購入するのではなくて、閲覧権を購入するということ。
なもんで、ストア、サービスが終了したら購入した本は読めなくなる。
「本を買った」と思ってると、買った本が読めなくなるなんて論外で、確かに電子書籍は信用できない。その通り。
とらのあなダウンロードストアも終了、閲覧認証の必要な購入物は再生不可に。それについて。
https://d.hatena.ne.jp/geromi/20150919/1442671230
またサービス終了によって、購入物の閲覧が不可になる現象が発生か。
電子はこういう現象があちこちで起きてるので買ってなかったから良かったものの
改めて電子書籍の信用の出来なさぶりがわかる。
今までどれだけサービスが終了となって「買った本」が読めなくなったというのがまとめられていて興味深いエントリだ。
わたしの場合、それほど所有欲がないし、何度も再読する本は限られた一部なので、サービスが終了して本が読めなくなってもそれほどダメージはない。もちろん「えええええ。そりゃないよ」とか言っちゃうとは思うけど、たぶん言うだけ。
再読したい本・手元に置きたい本は、別のストアでまた買うか、紙本で買うかな。
そもそものところ。ほんと、そんなにみんな、買った本を再読してるのかな。
また、紙本との比較で
というのも首肯できるところなんだけど、これはこれである意味、八百屋でさんまを買えないのはおかしい、というようなことだとも思う。
そこはこだわりもなく、割とどうでもいい話だと思う。というかちょっと違う話だ。
てのが、わたしの読者側からの視点。
ただ、本(電子書籍)を出している立場でいうと、読者が困るのは論外。
てめえの都合で勝手にサービスを終了して、それで読者が読めなくなるのはおかしいという声を上げてんだから、なんとかしろよ、と思う。売る側的に、機会損失というか信用失墜というか、企業責任というか、投げっぱなしジャーマンかよ、とか。
対策を考えなきゃいけない。
サービスが終了しても、うちには本(電子書籍のEPUBファイル)がある。本がなくなることはない。デジタルデータは劣化することなく手元にある。
再読したいと思ってもらえるようなコンテンツを提供できているとして、サービス終了で読めなくなった場合に、EPUBファイルを提供するというのが解決策だろう。今後は万が一ストアが終了、サービスが終了したような場合のために、奥付あたりに「こちらに連絡をいただければEPUBファイルを提供いたします」とURLとともに付記追記しておこう。
この「電子書籍は信用できない」という風物詩について。
電子書籍側属性のひとと一般との乖離は、たぶん相変らず埋まってなくて。
犬子さん(@sleeping_husky)と電書ちゃん(@denshochan)のツイートが象徴的だと思う(わたしは犬子さんのツイートにまったくの同意)
さいたま新副都心、けやき広場のビール祭りはまったりしていて好きなイベント。
今日もたっぷり堪能いたしました。うーん、まんだむ。
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