情報のバリアフリー化が進みそうだ
12月3日から障害者週間ということらしく、先週末5日6日は中野のセントラルパークでいろんなセミナーが開催されていた。
いよいよ来年4月には障害者差別解消法が施行されるので障害者の情報へのアクセス、アクセシビリティの話が重要な課題としてとりあげられていたっぽい。
障害者差別解消法の中でも
「社会的障壁をとりのぞくための合理的な配慮をすること」というのが「補助器具やサービスを提供すること」ということになる。
具体的には「発達障害のあるひとのために他人の視線などをさえぎる空間を用意する」だったり「視覚障害がある職員が仕事で使うパソコンに音声読み上げソフトを導入してパソコンで仕事ができるようにする」だったり。
来年4月以降は、これらが国や自治体では義務づけられ、事業者も努力義務が求められることになる。
生来目の見えない人よりも、中途で失明・視覚障害者となる方が多くて、白杖などを利用した歩行訓練を受けていなくて、また点字を読めないひとが増えているというのが現状。ガイドヘルパーや音声による情報提供の必要性が高まっているとのことだった(高齢化もあって2030年ぐらいには視覚障害者は約200万人になると言われている)
マイナンバーの通知なども視覚障害者は、番号を読みあげてもらわなければ分からない…って、大切な番号だから他人に漏らしちゃいけないと言っておいて、そりゃないだろという話など、事例報告も。わたしは意識が低いしいろいろ無自覚に歳食ってきてるんで、事例報告は気づかされたことが多くて勉強になった。
情報バリアフリーの話の中、デモでほんの少し流れた合成音声付き電子書籍の音声が「流暢」で機械感がほとんどなくてパネラーや場内ちょっと驚きだった。再生はAMISで電子書籍そのものはDAISY図書。市販の合成音声(?)についてはこの雑記帖でも聞き比べたりもしたけど、かなりよくできていてこれで十分問題はない。
音声というと今までは朗読者が肉声で読みあげてるんだけど。
んなテキトーな朗読されたんじゃ困る、許可できないという著作権者(作者)もいる、というのと同時に、読み手側からは少しぐらいはどうでもいいから早く読ませて欲しいという声があって、品質を高めるのは当然としても、普及を考えた時に品質に拘りすぎて進まないのはいかがなものか、という話があった。
朗読は半年ぐらいはかかるし、ボランティアベースがほとんどなので本数も限られてしまう。その点、合成音声なら時間も短縮できるし、パソコンと作業するひとさえいれば本数も増やすことができる(権利処理はまた別だけど)
校正のところが問題になる。
人名や地名、当て字など作者の意向が強く出るところはしっかり校正しなきゃいけない。その一方で、たとえば「ニホン」なのか「ニッポン」なのか「イゴ」なのか「イコウ」なのか「シチ」なのか「ナナ」なのか文脈などで微妙に違ったりする部分についてはちょっと勘弁してもらえれば校正も早い。いや、ちゃんときちんとしっかりやんなきゃいけないのは確かだけど、上記したように「少しぐらいはどうでもいいから早く読みたい」というリクエストに応えるために校正の「優先順位」をつけることも必要かなあ、と。紙印刷と違って修正はほとんど人件費だけだし。
てことで、ちょっと作ってた音声付き電子書籍だけど、やはり少しでも音声の品質を上げるにはフリーだと厳しいと実感(わたしとしてはフリーの音声でもOKなんだけど世間一般の標準基準、ハードルがあがってる)
mac、windowsのユーザー補助に使われるシステム音声を利用することにした(EPUB3電子書籍に音声をつける(media overlays)ためのスクリプトにwindowsの音声haruka用のスクリプトを追加)
これらもかなり自然なイントネーション。ただし、システム音声の使用許諾、権利関係でわたしが作って公開するわけにはいかない。
『動画で見る音声付き電子書籍の作り方』https://t2aki.doncha.net/?id=1424569705
(↑そのうちきっともう少し詳しく書きます)
WINDOWSのフリーソフト、softalkと棒読みちゃん版サンプル
macのシステム音声、OTOYA版サンプル
WINDOWSのシステム音声、Haruka版サンプル
↑こうして並べてみると、macのOTOYAは聞きとりやすい。
WINDOWSのHarukaは句読点区切りではなく、読点区切りの方がよかったかな。
[12/07 17:21:24]追記。
あ。でも結局のところ、kindleやkoboなどの専用端末やアプリが対応してくれないと=蛇口がないと、電子書籍に関しては普及の速度はあがらんわな。
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WEB本棚「趣味は読書2」の集計データ
WEB本棚「趣味は読書2」
https://doncha.net/
というサイトを制作して公開している。
2006年4月1日、自宅のサーバーで公開開始。震災の影響(停電)で自宅サーバーを諦めてレンタルサーバーに引越したりしたけど、そろそろ10年近く続けていることになる。ここ数年はほとんどメンテしてなくてスマホにもまともに対応していない古くさい造りのまま。それでもわたし自身はけっこう重宝してるし、アクティブな参加者さんもいて、本棚を作る・眺めるのは楽しいものだ。
てことで、またちょっと「趣味は読書2」のデータ集計。
(前回5月→https://t2aki.doncha.net/?id=1431564639)
現状(11/6日現在)
登録会員数:330人。登録タイトル数:40326。登録著者数:14452人
人気タイトルは『空の中』『太陽の塔 』『陽気なギャングが地球を回す』『 重力ピエロ』『予知夢』『しゃばけ』など。
人気の著者(著者だけじゃなく翻訳者もカウント)は恩田陸、東野圭伍、茅田砂胡、小野不由美、宮部みゆき、栗本薫、伊坂幸太郎、田中芳樹、有川浩、スティーヴンキングなど。
浅倉久志、大森望がベスト30に入ってるのは翻訳物も読まれている(登録されている)ということ。
詳細はこちら→https://doncha.net/about.pl?c=report_bolivia
(毎月1日更新するように仕込んだ)
いわゆるベストセラー作品、ベストセラー作家が順当に上位を占める感じかな。
ただ、上位は集計上位ということで、うひゃこれ読んでるのか、とニンマリできるのは上位に出てこない隠れたタイトル、作家さん。
本棚はやたら公開するものではないということで、「趣味は読書」はクローズドな作りだけど、ログインすれば他の参加者さんの本棚を眺めることができる。たまにぼーっと眺めて次これ読んでみようと思う本もある。
…てなこと言ってるけど、実際は、アクセスログ解析で見る限り、みなさんほとんど(9割以上)自分の本棚へ直行直帰なので、新しい本との出逢いということでは、残念ながら機能してないかな。
もうひとつ。今回、登録されているタイトルのカテゴリを集計してみた。
「趣味は読書」ではカテゴリは参加各個人が自分でつけることにしたので、たとえばわたしは
こんなカテゴリわけにしたけど、他の参加者さんはまた違っている。
WEB本棚「趣味は読書2」としてのカテゴリ集計はできない。
ので、アマゾンでつけられているカテゴリを使った。
この最初のカテゴリ。
これはカテゴリとして苦しいのでひとつ上のカテゴリ(「日本文学」「直木賞」)を採用。
登録されたタイトルのカテゴリ数:593
【ベスト10】
冊数 | カテゴリ | 10149 | コミック |
---|---|
5556 | 日本文学 |
4310 | 英米文学 |
3574 | ライトノベル |
1944 | ミステリー・サスペンス・ハードボイルド |
1264 | 文学・評論 |
1260 | SF・ホラー・ファンタジー |
753 | 歴史・時代小説 |
514 | エッセー・随筆 |
468 | 近現代の作品 |
(※APIで取りこぼしてるものがあるし、洋書(.com .ukなど)はカウントしていないので数字はざっくり参考値)
アマゾンがつけるカテゴリは「売る側の、売るための」カテゴリわけなので、本を整理整頓・管理するためのカテゴリわけとは種類が違う。
集計に使ったカテゴリ例にあるような「あ行の著者」とか、えーほら、なんやったかな「い」で始まる名前でな、という時には役に立つ、のだろう(さすがにこの手のは集計から外したけども)
それらをごちゃっと一緒くたに集計して、何か意味があるかと言われると、よくわからない。アマゾンのAPIにリクエストするだけで取得できるしとりあえずネタ程度に面白いかも知れない、ぐらいかな。
このベスト10カテゴリ合計は全カテゴリの75%を占める。これが「趣味は読書2」に登録されている本の傾向。
「その他」には、アマゾンの売るための動線確保カテゴリ「霊界・恐怖体験」だの「企業革新」だの「微生物学」だのニッチなもの、というかそれってカテゴリなのかというようなものがぞろぞろと。これはこれで見てると「こーゆーとこからも集客あるのかあ」的に面白いんだけど、わたしの想定するカテゴリとしては雑音・誤差。
また、小説などの場合、ほぼ1タイトル1冊なのに対して、コミックは1タイトルでン十冊なのもあって(こち亀などジャンプ系の人気マンガを全巻登録してらっしゃるかたもいて)同じように集計するとどうしても1位はコミックになる。
アマゾンの大雑把なカテゴリを使ったので当然っちゃ当然の話、街の書店と同じような棚の並びになって意外性に乏しい結果となった…て、意外性を求めてどうする。
まだまだ知らない面白い本はたくさんあるので、こうやって本棚、ずらっと並ぶ本のタイトル・作家さんの名前を眺めると「たくさん読まねば」と焦るなあ。命短し本読め爺ぃ。
[11/10 08:25:49]
もはや古臭いサイトと言いつつ、twitter連携は仕込んでいて、読了/積読のツイートをしたり、ツイートすると本棚を検索して結果をリプライしてくれたり。今の時点でも、まだちょっと便利なところはある、かも。
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ネットブックのSSD化
いちいち雑記に書くほどの内容じゃないんだけど「いつHDDからSSDに換装したのか」後で思い出せるように、の文字通りの備忘録。
一昨日10/22日にDELL のネットブックInspiron mini 1012のHDDをSSDに換装した。
SSDにしたかった理由はふたつ。
・ファンのついていないInspiron miniは発熱がひどい。少しでも熱を抑えたい。
・HDDの速度がボトルネックになって、HDDへのアクセスが生じるような操作でいつも待たされるので速いのが欲しい。
熱については。
夏場はCPUやHDDのあたりを触るとはっきり熱い。CPUが70℃近くまで温度があがってるし、HDDも40℃超。実際、熱暴走でシャットダウンしたことが何度かあってビビった。
なもんで、スタンドタイプの冷却台にネットブックを置いての使用。奥側の底面が上って角度がついてキーボードも叩きやすいし、ウチでは気にすることもなくその状態で使ってる。ただ、せっかくの軽量小型で持ち運びに最適だというのに、このスタンドも一緒に持ち出してるのはイケてない。
夏場はCPUとHDDの温度をいつも気にしてS.M.A.R.T.ユーティリティで監視している状態。
速度については。
フォトショやイラレ、インデザなどメモリ大食いのソフトが、ネットブックのメモリじゃ足りなくて、いちいちディスクに書きこんでいるのが分かるほど待たされることがある。エクセル(.docx)やワード(.xlsx)などはファイルをxmlで保存しているんだけど、こいつを展開するときにどうやらディスクに書きこんでいるらしく、やっぱり待たされる。エクスプローラーでフォルダを開くだけなのに待たされることがあって吃驚。
で、今回、ヨメが秋葉原のツクモで240GのSSDが店頭限定タイムセール9000円弱というのを見つけたので即購入。Inspiron miniのHDDは250Gなのでちょっと小さくなるけど、現時点で使用量が80G程度なので問題なし。
(しかしまあSSDなんて超高価なシロモノだと思ってたけどほんと安くなってんだ)
「Apcer Thunderbird (AST680S)」
https://jp.apacer.com/products/Solid-State-Drive-Thundebird-AST680S/
こいつにHDDの中身をクローンで写すためには2.5inchドライブのコネクタをUSBと繋ぐ必要があるので、玄人志向のアダプタ(?)をアマゾンで購入。720円也。
「2.5型SATA対応 SDD/HDDケース(GW2.5SC-SU2)」
https://www.kuroutoshikou.com/product/case/25hdd/gw2_5sc-su2/
両方合わせても1万円。
クローンコピーをするためのツールが無料で公開されているのでありがたく使わせていただいた。
「EaseUS Todo Backup 」
https://jp.easeus.com/backup-software/personal.html
クローン作成で少しハマったのでメモ。
・まっさらのSSDを認識させるには
「スタートメニュー」→「コンピュータ」→右クリック→「管理」→「ディスクの管理」
(SSDの)「ディスク1」を右クリック→「ディスクの初期化」(MBRにチェック)→「OK」
・EaseUS Todo Backupの設定
デフォルトだとどういう理由かわからないけど「RECOVERY」領域に40Gぐらいとられるので、ターゲットを「編集」する必要がある。
元の構成を見ながらそれに合わせてターゲット(SSD)も設定しなおした。
SSDの御利益。
S.M.A.R.T.でみると、今まで40℃ほどだったHDDの温度が30℃になっている。
フォトショなど起動時にフォントを読みこむんだけど、そこが劇的に早くなった。転送速度が効いてるのが体感速度ではっきりわかる。
検索してると、どうやらパソコンのバッテリー駆動時間も伸びるらしい。
SSDの値段が下がってきたからこそだったなあ。
…なんて書いてるけど、実際の換装作業はヨメにお願い。
わたしはオーディオのケーブルもまともに接続できないので、パソコン、それもネットブックを開いて、などまるで無理。
ちなみに、このネットブックのマザーボードを交換したのもヨメの仕事。感謝しております。
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イノベーションという名のでっちあげ
イノベーションとかいうカタカナ言葉がある。
「新しい価値の創造」ということらしい。
ハインラインの『夏への扉』なんかは清々しいほどの未来礼賛。これから技術の進歩で世の中はどんどん良くなる一方である、というお話でもあった。
確かに現状に問題があったらば、技術がそれを解決して、未来は確実に豊かで良いものになっていく、というのは納得できる。また、現状てのはいつも問題を抱えるだろうから、解決しなきゃいけないことはいつまで経ってもなくならない。そのために技術も進歩し続ける。
でも、昨今のイノベーションとやらだ。
「新しい価値の創造」はいいけど、それって無理矢理じゃね?誰にとっての価値?というのはどうなんだろうか。
野良ITなもんで、ITやネットがらみで仕事をいただいたりしてるんだけど、それこそ技術は日進月歩。昨日スタンダードだったことが、今日はもう使いものにならない、なんてことがある。そのたびに「これも雇用創出かっ!」と思いつつ、なかなかしんどい話だ。知的好奇心とか自分スキルアップという高揚感・ワクワク感もないのは歳くったせいか。峠の頂上まで石を運んだと思ったら、くだりになってまた石を上まで運ばなきゃいけない徒労感とでもいうか。
半村良の『石の血脈』を引用してみよう。
いったい第二位の患者を買って不死を得る人間はどんな奴らなんだ。三戸田謙介のような資本家だ。億万長者だ。王侯貴族だ。奴隷に鞭うち、市場を支配し、需要を作り出し、その需要を技術で変化させる。正当な労働で手に入れた人々の宝物を、あっという間に中古品の価値につき落とし、あたらしい夢を高く掲げてまた汗を流させる。貯蓄させ、その価値を左手の指一本で操作してゼロに近づける。そしてまた貯蓄させる。
イノベーションとやらの「新しい価値の創造」は「正当な労働で手に入れた人々の宝物を、あっという間に中古品の価値につき落す」ことにもなる。
世の中、これの繰り返し。昨日価値があったものが、今日はゴミクズとなる。新しい価値・あたらしい夢は誰にとっても良いことなのか、というこの文脈だと世の中はちっとも良くなっていかない。ハインラインの未来はやってこないだろう。
イノベーションとかいうカタカナ言葉を聞くと半村良の『石の血脈』のこの一節をいつも思い浮べてしまう。
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WINDOWSの音声合成Harukaさんは有能だ
音声合成ネタ。
WINDOWSも8から音声合成エンジンがデフォルトで利用可能になったとか(わたしはいまだにwindows7なので伝聞情報)
その日本語音声のHarukaは、ユーザー補助のテキスト読み上げに使われているもので、かなり自然に聞きとれる。macもそうだけど、こういうところは、アメリカさんは、きちんとしっかり対応するんだなあ、と素直に感心してしまった。
マイクロソフトの取り組みとしては
【Microsoft】日本語音声合成エンジンのご提供について
https://www.microsoft.com/ja-jp/enable/products/7narrator/default.aspx
マイクロソフトでは、障碍 (しょうがい) のある方のパソコン活用に役立てていただくため、日本語音声合成エンジンを無償 (数量限定) でご提供します
という記事が2010年ごろ(?)に上がっていたようだ。
てことで、試したくなったので、検索してみたらば、もう5年以上も前からいろんなブログや掲示板などでノウハウが公開、蓄積されていた…おのれの不勉強に今さらながら呆れてしまう。
無料の音声合成エンジン 「Microsoft Speech Platform 11」
https://mahoro-ba.net/e1541.html
SAPI有効にする方法
https://yarimasu.ankochan.net/d/SAPI%CD%AD%B8%FA%A4%CB%A4%B9%A4%EB%CA%FD%CB%A1
Windows7で音声合成(Text to speech)
https://blog.mogya.com/2012/01/windows7text-to-speech.html
↑こちらのページを参考にWINDOWS7のネットブックにHarukaをインストールした(有用な情報ありがとうございます)
やることは3つ
・Microsoft Speech Platformのインストール
https://www.microsoft.com/download/en/details.aspx?id=27225
x64_SpeechPlatformRuntime.msi(64bit)
x86_SpeechPlatformRuntime.msi(32bit)
↑どっちか。
・TTS音声Harukaのインストール
https://www.microsoft.com/download/en/details.aspx?id=27224
MSSpeech_TTS_ja-JP_Haruka.msi
・レジストリの設定
上記のページを参考に。コマンドプロンプトを管理者モードで立ち上げて
↑をコピペして実行
このユーザー補助に使われる音声、macはコマンドラインでsayコマンドを使えば簡単に利用できたんだけど、WINDOWSがちょっとわからず、結局またperl(Active PerlでWin32)から使うことになってしまった。
読ませたのは『地下生活者の手記』ドストエーフスキイ・米川正夫訳の一節。
「悪人にも、善人にも、卑劣漢にも、正直者にも、英雄にも、虫けらにもなれなかった」
WINDOWSとMacの音声聞き比べ。
「WINDOWS7 SAPI5 Haruka」
「Mac sayコマンド」
WINDOWSもmacも。
OSのデフォルトレベルでここまで聞きとりやすくなってんだなあ。
電子書籍でいうと、これに人名や当て字、ルビを読めれば十分だし、さらに読み上げている箇所のハイライト表示とか、それらの仕込みも実は進んでるんじゃないか。となると、マルチメディアDAISY図書やmedia overlaysによる音声付きEPUB3電子書籍は過渡期の徒花かも。
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TPP丸呑みで著作権保護期間70年らしい
いままでは50年だったのが、TPP妥結によって70年となるとか。20年延長だ。
著作権の保護期間は何年だったら妥当なのか、という議論はおいとく。
これまで50年でやってきたのに、20年延長ってなんじゃそりゃということ。ルールを変えることになるのに、その根拠はなんなのか釈然としない・説明はあったんかよ、と。
わたしは著作権問題に関して、殊更、高い意識を持ってるわけでもないし、実害を被るわけでもないので、他人事だろうと言われればそれまでなんだけど。
青空文庫の2015年10月07日「TPP大筋合意との報に際して」
https://www.aozora.gr.jp/soramoyou/soramoyouindex.html
の声明文(?)の中でもここ
青空文庫に関わるボランティアは、その多くが作家や作品のファンであり、また少なからぬメンバーが、自分たちの好きな本がいつまでも読み継がれ、世界じゅうで自由に分かち合われ、これから先も公有財産として大切にされてゆくことを強く願うだけでなく、共有された知や文化が社会に循環され、次の新しい創作物が生まれて未来の文化が育まれてゆくことを心から祈って、日々の作業に取り組んでおります。
を読むと、やはりなんの理由・どんな根拠で20年延長、70年となったのか、理不尽、と思ってしまう。
ひとさまの商売の邪魔をしようとか、利益を損うとかいうような話でなくて、「好きな小説」「好きな作家」を読めない状況だけど、なんとかみんなにも読んでもほしいんだよお、というところ。
「うえええ、これスゲー面白いじゃん」「うわ。やべ、泣けた」とか本を読んでどこか動かされたら、ひとに勧めたくなるのが人情、本読みの原点ってもんだろう。ボランティアとして関わるかたの動機は理解できるし、それが作品を世間に広めていくエンジンとなってるはず。
50年が70年になるだけっちゃだけなんだけど20年ってひと一人が成人する時間で、わたしなどはたぶんあと20年たったら、向こう・彼岸に行ってる時間だ。このルール変更はずいぶん乱暴すぎやしないか。
ちなみに、今すでに公開されているものに関しては。
「著作権が期間満了で消滅した後に権利が復活することはない」というベルヌ条約の規定を遵守
ということらしいので、そのまま公開するのは大丈夫っぽい。
わたしは青空文庫のボランティアではない、ただの野良IT屋だけど。
中山省三郎訳のツルゲーネフの『猟人日記』を音声付き電子書籍にして、少しずつ公開してたりして、これが70年となると2017年まで保護期間。
また、いま写経中の米川正夫訳のドストエフスキー『地下生活者の手記』も50年ならば、今年の12月で保護期間終了なんだけど、70年となるとさらに20年先。
とりあえず、このふたつに関しては、滑り込みで大丈夫という理解でいいのかな。
「眼聴耳視」音声付き電子書籍公開リストhttps://t2aki.doncha.net/?id=1425130349
だめ!それアウトとか言われても、障害者差別解消法のことなんかがあるんで、電子書籍化しておいてもどこかで役に立ってくれそうなのでめげずに写経&合成音声作業をしておこう(モチベーションだだ下がりだけどなー)
ニュースやブログなど眺めると、結局TPPってあれこれ丸呑みという話で、いよいよニッポンはイレブンと呼ばれる世界かよ、と。
» ローカル環境で電子書籍を作る、Macアプリ・Windows版ツール 「かんたんEPUB3作成easy_epub」