リアル書店には敵わないけど
リアル書店というか人間の脳みそ&目というか。
書店にはいった瞬間飛び込んでくる本は何冊あるのか、とか、棚の前に立ってそこでは何冊見えているのか、とか。ちゃんと数えてないけど、たぶん100冊じゃきかない。
すべてを把握しないにしても、だいたいこんな、へぇぇなるほど、ぐらいで「見当」はつけられる。そうして「偶然」いろんな本、作者に出会っていく。実際、自分のことを思い返してもそうだ。
本屋さんにいって、ハヤカワ文庫の棚で星新一を抜き出してるうちに、同じ棚に並んでいた、小松左京を「発見」し、平井和正に「出会い」、また、講談社文庫で星新一を抜き出してるうちに、遠藤周作を「見つけた」。
どれもこれも「偶然」見つけて、立ち読みして、中身を確認して、面白かったら買っていた。…って、子供なりに、小遣い配分を真剣に考えて、選んで買っていた。
ところが。ネットのECサイトはそこが難しい。
amazonでも、一画面に表示する本の冊数は40冊程度。オススメとか履歴、あの手この手でピンポイントで見せるけど、それって、こちらの興味の「範囲内」の場合がほとんどで、本屋さんでの「偶然」を期待していいんだか。
小説同人誌プレビューサイトの 創作文芸見本誌会場HappyReading も当然同じ問題がある。
トップページでは、ピックアップと称してランダムに見せるコンテナで4冊、一覧部分で10冊。この14冊が書店で言えば、面陳する平台とかスタンド。メニュー部分に最近立ち読みされた本などコーナーごとで計16冊。これはタイトルだけの表示なので、言ってみれば棚ざし。マウスオーバーで表紙画像のサムネイルを表示する。
これでとりあえずいっぱいいっぱいの計30冊。
一覧ページ→詳細ページ→一覧ページというECにありがちな基本的な動線に追加して、詳細ページに次にランダムに詳細ページを開くリンクもつけたので、一覧ページ→詳細ページ→詳細ページという動線も。書店の中をぶらぶらとあてもなくうろつく感じになればいいかな、と。
これ以外にどんな見せ方、紹介のしかたがあるのか、一所懸命考えます、はい。
できれば。オススメ系はいれたくない、かなあ。
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読者不在の予感
コミケやコミティア、文学フリマといった同人誌即売会の活気は本物で、参加者、本の作り手の気持ちも本物。コミケなどは、30年近く前に初めて行ったときから、ずーっと熱を持ち続けている。ちなみにそれは、同人誌即売会に限ったことではなくて、モノマチや、デザフェスなどのモノ作りの個人クリエイターたちにも言えることだ。
そんな活気熱気あふれる個人を応援サポートする仕組み・仕掛けを作れば、いち個人がもう組織、企業に頼ることなく自立して作ったものを届けることができる。
大量生産大量消費の時代じゃないはず。
個人、個々が魅力に感じるものは千差万別。これがいいのだ、みなさん、さあこれを買いなさい、これを持ってないと遅れますよ、じゃなくて、送り手も個人なら受ける側も個人というか。
てなことを考えていた、というのもあり、身内が小説書きだというのもあって、文学フリマ界隈を見ていて作ったサイトが 創作文芸見本誌会場HappyReading
一次創作の同人小説誌のプレビューサイト。最低限の書誌情報と書影、立ち読み用テキストを並べ、書店や即売会会場のように本を見せる。リアル書店や即売会会場に敵わないにしても、読者が欲しい本にたどり着くのに、少しでも早く、新しい本を見つけるのに、少しでも幅広く、見せることができれば、とそれなりに工夫をしてみた。
さらに、paypalを使って同人誌のダウンロード販売も組み込んだ。せっかくだし、登録してくれる書き手も、場を作って提供しているわたしも、ここで多少なりとも販売に繋がれば、継続するモチベーションにもなる。
書き手、作り手側からはおおむね好評のようで、まだまだ少ないとはいえ、今日時点で75冊ほど、登録してもらっている。サイトの知名度があがれば、登録も増えてくるかな、と楽観している。
でも。読者が難しい。
コミケやコミティアの場合、購入専門(海鮮と言う隠語があるらしい)の参加者がいる。それこそ自分の欲しいもの自分狙い撃ちのものがそこにいけばある、認知周知というやつができあがっている。なもんで、書き手側もそれに答えるべく、という意欲が継続できる。
ところが、小説、創作文芸の場合、残念ながらそこまで浸透していない。歴史が違うので、比較するのもどうかと思うけど、文学フリマを見るとほぼ身内仲間内の範囲内。外に向けた発信とか仕掛けが必要必須だなあ、としみじみ。
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待っててもひとは集まらないのだ
「創作文芸 見本誌会場 HappyReading」に登録を募るため、twitterのダイレクトメールを利用してみた。
サイトはそれなりにできた、と自画自賛したところで、しょせん器を作っただけ。
肝腎なのは中身。
ぼーっと待ってても登録が増えるわけではないので、知り合いにお願いすることから始めて、現時点で8サークル18冊の登録をもらった。少しずつだけど、数が集まり始めると、見ていて楽しい。
ITだWEBだ、とサービスがいくつも立ち上がってるけど、どれもこれもしょせんただの器。よくできた器を作ったところで、中身がなければしょうがないし、中身が揃ったからといって器がエライと勘違いしちゃいけない。
中身を揃えるためには器のクオリティなどあまり重要ではない。たぶん。
選挙というか議員さまたち、地元のイベントに顔を出し、冠婚葬祭も欠かさない。たとえとしていいのか微妙だけど、結局こういった地道な「人づきあい」が大切なんだよなあ。きっと。
てことで、 創作文芸 見本誌会場 HappyReading では、絶賛見本誌募集中!小説同人誌の最初の関門。まず手にとってもらって中身を見てもらうために、立ち読みのテキストを用意してサイトに掲載しませんか!?
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創作文芸見本誌会場HappyReading
必要だろうと思った機能を最低限つけて、バグをひとつずつ潰して、まず最初の完成形となった。
とりあえずのメモ。
データベースは、mysqlではなくてsqlite。
どうして?lolipopのmysqlは重いので、ページ表示がもっさりしてしまう。レスポンスが早い、というのがwebの絶対正義。
sqliteは複数の同時アクセスに弱いという評判だけど?確かにその通りらしいけど、ウチぐらいのアクセスなら十分。むしろファイルひとつがそのままDBなので、バックアップなどのメンテがらくちん。そっちのメリットのほうが大きい。
mysqlとかpostgresqlのようなRDBが必要になったら、そのときそのままSQLなどは移せる。
データ構成は。
基本的に、一意に決まる本の情報以外の付属情報はすべてタグとして処理。著者やカテゴリなど。でも、イベント情報関係は別テーブルで管理(同人誌の場合、イベント参加情報は重要なので)
詳細ページを閲覧された回数や立ち読みされた回数はまた別管理で。モチベーションのため。
ページ表示に使うためのマスターテーブルは特になくて、idではなくて、ユーザー入力によるテキストのタイトル部分をキーにしている、というのが後々禍根を残しそうな予感。でもたぶん、そのおかげでおそらく内部SEO対策となる、はず。urlとページタイトルとコンテンツのh1の関連が強くなるし、そこで使われるキーワードがアンカーテキストとしてページ上部に出現する、いわゆるSEOとしては理想的な構造。
サイトの目的とか。
立ち読みをしてもらう。
面白かったら作者やサークル、カテゴリで芋づる式に次の立ち読みをしてもらう。
動線はそのために作る。それによって結果として内部SEO対策となる。
表示側。
一覧ページと詳細ページだけ。あとは、利用規約など。
サイトのトップページは必要ない?意図を持ってなにかをおすすめするとか企画するようなサイトではない。なので、単純にひらたく、なんらかの一覧ページをトップにすればいい。
ページの目的は立ち読みのテキストを読んでもらうことなので、一覧も詳細もワンクリックで立ち読みが開くように。
サークル名や著者名など本に付属するデータはすべてリンクとする。面白かったら芋づる式に次を読んでもらいたいから。
登録側。
テーブル構造のまんま。必須項目などはjavascriptでUIを作る。必須入力項目が多いので、少しでも便利にしておきたいところだけど、まだまだ検討材料が多い。
同人誌に限った話ではなくて。デザフェスなんかを見て感じることで。
世間とか時代とかに、もし閉塞感があるとすれば、これからは組織に頼らない個人こそが勝負できるんじゃないかと思う。
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創作文芸同人誌は売れない、のか?
同人誌の話ではむかしむかしからやってる議論というか通過儀礼というか。コミケあたりではすでに出尽くしてもう何周目か、というような話も、文学フリマというまだまだこれからの場所では火事場も初々しく新鮮。
https://togetter.com/li/220662
https://togetter.com/li/222185
儲けることを目的とするゲームと、出すことを目的とするゲームじゃルールが違うのに、この両者は毎度毎度不毛なスレ違いというか平行線で、口角泡を飛ばし、怒髪天をを撞く。
そんな微妙なところに、客観的に面白い、とかいうありえない単語を基準に持ち込んだら、そりゃあんた火事場に油ですよ。と。ね。
面白いもんだから、ついクチ挟んだらまとめに入れられて、ちょっと困った。いつもなら言いっぱなし投げっぱなしなんだけど、このまとめってアーカイブで、なにかあると参照されやすい。
ということで、しぶしぶ有言実行してみたのが、今回作った 「創作文芸 見本誌会場 Happy Reading」
めもを見ると12月3日から作り始めて、ほぼ出来たのが12月11日。データ登録をしてバグ修正しながら、twitterの一部のひとにお知らせしたのが昨日12月14日。ほぼ10日、というか週末しか使えないようなもんだから実質4~5日で作ったにしては、よく出来ましたの自画自賛。
もっとも。自分として新しいことはなにもしてない。今までやってきているサイトのモジュールの使いまわし、ブロック組み立て作業っぽい、なあ。ちょっと面白みに欠ける。
今回新しかったのは、jquery の bind を使えば copy に return false する=コピー禁止にするのが簡単に実装できたこと。ぐらいなものか。
ロリポなので、例によって、やたら重い mysql を使わず、 sqlite にしたので、同時アクセスがどうなんだ、と思うけど、ぶっちゃけそんなにアクセスがあるとは思えないんで、大丈夫だろう。
てことで、こちらでまずフライング気味に告知。
バグの様子を今週末ぐらいまでみて、問題なさそうなら、twitterの方でもハッシュタグをつけてURLを広く流してみる。
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もう12月。年末じゃないか。
今年はいろいろあった。と、回想モードに入るにはちと早いんで、またそのうち。7月末から働いている事務所がひとの出入りが激しくて、というのは愚痴にしかならないので、そのうちガス抜きしたくなったら。
文学フリマとかコミティアとかコミケなどの同人誌即売会で、創作文芸、一次創作の小説誌は売れない、手にとってもらえない、というモゾモゾする話題があって、紹介する雑誌を作るとかサイトを作るとか。そこでさらにモゾモゾするのが、「面白いものを紹介する」ということで、ひと悶着・火事場騒動に発展。火事場は面白くていいんだけど。
そもそも、わたしは書評とかレビューを信用しない。読む前に他人のつけた評価なんて邪魔なだけ。
本は、立ち読みができればいいのだ。むかしは、本屋はオヤジやおばちゃんの不機嫌な顔を無視して、立ち読みし放題だった。そこで立ち読みして面白ければ買うし、つまらなければ買わない(話がズレるけど、シュリンクして読めなくしたりするからますます本が売れなくなるのだ、中身がわからない商品なんて誰が買うんだ)
てことで、創作文芸小説誌のための立ち読みテキストを用意できるサイトをでっち上げてみた。
「創作文芸 見本誌会場 Happy Reading」
まだ、データ登録のデバッグ中で、その確認ができたら正式公開。きっと近日公開。今週中にはベータ版公開予定。
数さえ揃えばきっと面白いサイトになる。自画自賛。
会員管理をするのがアレなので、twitterの oauth を使ったログイン認証にして、会員さんかどうかはもう twitter まかせにした。…こりゃラクちん。
それはともかく、体調不良気味。気がつきゃ、もう半世紀使ってる体だしねえ。
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