今年は年末年始休暇が長いらしい
クリスマスが終わったら今年もあと4日、いよいよ年末。フリーターに年末年始は関係ないけど、仕事をいただいているところは27日終了、年始は5日からというパターン。年内の電子書籍制作はあと2~3本か。
ウチは今年の冬コミ、初落選。とはいえ、あの熱気の中に身を置くのは刺激になるので、大みそか31日は一般参加で行く予定。例年と同じくコミケが終わったら今年一年の終了。
今年は上下左右・右往左往のダッチロールだった。
電子書籍がらみでは。売り上げ不振でひとが辞めたり業務縮小したりのあおりを食らったり、かと思えば、小さいながら新規でお仕事をいただいたり。
WEBの保守運用業務が安定していただけたのでかろうじて。
ていうか、これじゃ食っていけないので困ったことになったなあ。
制作に関していうと、中国でやりますのでとリフロー1コンテンツ****円や、固定レイアウト***円、なんていう噂(真偽未確認)も聞こえてきたのでクラクラするばかり。
んな値段で受けてたら、日本の高校生アルバイトの日給にもならない。ほんとかなあ。
文字中心のシンプルなものなら一日あれば数コンテンツは形にするけど、定期的に大量受注ができないととてもやっていけんわな。
今のところ、知る限り1コンテンツ15000~30000円が相場なんだけど。
自分のところで出してる電子書籍に関しては、年始から春ぐらいまでは先行者有利で(kindleで)それなりに売れてたけど、夏過ぎたら勢いはなくなった(無料も入れて4桁)ただ、これは出し続けてナンボ・積み上げてナンボだと思ってるので悲観はしていない。むしろ、積み上げてからが楽しみ(にしても、iBookstoreが思ったほど動かないし=無料を入れてやっと3桁、google playはどこにあるんだか…)
来年は、kindleを中心とした電子書籍、コミケやコミティア、文学フリマなど同人誌即売会のほかのチャンネル=販路のことも考えないと。
まだまだ厳しいけど、種まきしながら、小さなことからこつこつと。
([06:01]数字が一人歩きされるとまずいので伏字修正)
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固定レイアウトのSVG指定
先日公開した『kindle猫写真集』https://t2aki.doncha.net/?id=1382691748 の固定レイアウト、SVGでの指定について補足自分メモ。
KADOKAWAグループのEPUB制作仕様が公開されたので中を見たところ、画像は固定レイアウトにしてSVGで記述する、ということなのでちょっとだけ調べた。
目次画像用に使ったxhtmlファイル
(画像のサイズは 900x1270 で、画像の中に目次がある)
※KADOKAWAの仕様ではまだ「imageマップは使わない」となっているけど、ibooksなどEPUB3では使えるので目次に使った(クリッカブルマップのSVG版、かな)
上記のxhtml、もろもろ呪文状態で使ってるんだけど
svg(SVGで画像表示の設定。XMLだ)
・viewBox
画像領域のどの部分を切り取るかという指定(画像領域の左上からxyの座標を指定する)上記だと、x座標0、y座標0、幅900、高さ1270
・width height
viewBoxで切り取った画像領域をブラウザ(リーダー)で表示するサイズを指定。上記だと幅100%、高さ100%と目いっぱい表示するように指定(opfや、metaタグのviewportだったりで表示サイズを900x1270に指定してあるので天地左右100%でOK)
image(実際の画像ファイルの指定)
・実際のサイズを指定してファイルを指定する。 HTMLだとimgタグ。
rect(四角領域を作ってクリッカブルマップ)
・xy座標と、幅高さを指定してその四角の中は透明で埋める(fill-opacity)この四角を目次のリンクにする(HTMLのusemapより指定のしかたが分かりやすい)
一枚画像だけのためのxhtmlファイルなので愛想もなにもない短い単純なファイル。
固定レイアウトは画像サイズも揃えるので、画像ファイル名だけが違うxhtmlが画像の数だけ単調に並ぶ。
KADOKAWAのEPUB仕様では、リフローだとspine部で該当ページだけ固定レイアウト指定することになっている。
本文に混じる挿絵や見開き横長挿絵のために固定とリフローの混在がkindleやibooksで使えるようになってからが本番、だな。
KADOKAWA-EPUB PORTAL(EPUB制作仕様ページ)
https://kadokawa-epub.bookwalker.co.jp/home
↑これはかなり細かくて丁寧な資料なので、オススメ。
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EPUB3編集にSigilは使えない
EPUB3ファイルの編集にSigilを使ってはいけない、という小ネタ。
epubcheck-3.0.1でエラーも警告もないEPUB3ファイルを、Sigilで編集して保存するとエラーまみれになってしまう、という状況。SigilはEPUB2に完全対応を謳っているけど、EPUB3はどうやら中途半端な対応らしい。
なので、Sigilを通して作るとepubcheckではエラーを吐くことになる。
「かんたんEPUB3作成easy_epub」 で作るEPUB3はepubcheckでエラーのないValidなEPUB3ファイル。
このファイルはEPUB3で、
・toc.ncxは生成していない。
・opfファイルでナビゲーションに指定した文書で、目次とlandmarksを記述。
epubcheck-3.0.1のチェックではエラーも警告もない。
ところが、このEPUB3ファイルをSigil (Mac build 0.7.2)に読み込ませると
toc.ncxがない、というエラーが出る。そのままにしてSigilで開いて何もせずに「別名で保存」してepubcheckにかけるとエラーだらけとなる。
・各xhtmlのDOCTYPEがすべて書き換えられている。
・content.opfに不明なattributeが書き加えられている。
・toc.ncxファイルが追加される。
・content.opfにtoc.ncx絡みの記述が追加される。
・Section0001.xhtmlというファイルが要求されているが作られていない。
上記、Sigilが追加したり編集したりしたものすべてが、epubcheck-3.0.1ではエラーのもととなる。
・各xhtmlのDOCTYPEを元のものに戻す。
・content.opfの不明なattributeを削除する。
・toc.ncxファイルを削除する。
・content.opfのtoc.ncxと絡みの記述を削除する。
・Section0001など覚えのない記述も削除する。
Sigilがわざわざエラーをつけてくれるので、その部分をもう一度編集する必要がある。
EPUB3ファイルの編集加工にSigilは使い物にならない(SigilはEPUB2まで)
愚痴になるけど。epubcheckでエラーがないように四苦八苦して作ったEPUB3ファイルなのに、google様謹製のツール、Sigilを使うと滅茶苦茶にされてしまう。google様か野良ITかどっちを信用するかとなると、当然google様。どっちが間違ってるかということになると、当然野良IT、と判断されることになる脱力感。
とはいえ、今のところ、EPUB3でエラーのあるなしよりも「kindleの登録に使えるか」がポイントだろう。
Sigilで編集加工してEPUBファイルを作って、kindlegenでmobiファイルを作成、kindle previewで見る限り致命的なエラーは出ていない。プレビューワーの本の情報をチェックしても、論理目次もHTML目次、スタートページなど問題はない。
EPUB3対応だけじゃなく、ストアごと、リーダーごとの対応が、まだまだいろいろあって、すんなりいかないことばかりでございますです。
[11/09 17:25:10]
ネットで検索してると電子書籍、EPUB制作にSIgilを使ってうんぬん、という記事・ブログが目につくけど、ちゃんと検証してるのかな。EPUB3になってSigilは使えないということをわかって書いてるのか、疑問。ていうか、Sigilを勧めるのはやめてくれ。
[12/11 16:48:02]
今日時点、わたしの知る限り、縦書きのEPUB3にまともに対応しているアプリは「一太郎 2014」
https://www.justsystems.com/jp/products/ichitaro/feature4.html
SigilなどEPUB2までしか対応していないツールで、無理矢理EPUB3を作るために時間と労力を使うぐらいなら、一太郎を購入した方が早い。
[1/22 11:54:05]
InDesign CC も対応してました。
https://www.adobe.com/jp/products/indesign.html
[01/23 13:02:34]
無料で使えるEPUB3の電子書籍作成サービスなど(kindleやibookstoreで販売実績のあるもの)
【WEBサービス】
・ EPUB3::かんたん電子書籍作成
・ でんでんコンバーター
【ローカルアプリ】
・ かんたんEPUB3作成easy_epub
・ 青空EPUB3
» ローカル環境で電子書籍を作る、Macアプリ・Windows版ツール 「かんたんEPUB3作成easy_epub」
縦書き電子書籍で最低限のスタイルシート
「何を今さら」なんだけどちょくちょく聞かれることがあったりするし、自分整理のためにも。
仕事がらみや公開している easy_epub で使っているスタイルシートから抜き出してメモ(文字通り備忘録)。
とりあえずこれだけでシンプルな縦書きの電子書籍となります(EPUB3チェックではValid)
body
デフォルトで縦書きを指定。
writing-mode:vertical-rl→縦書き(vertical)で、右(right)から左(left)という指定
line-height(行間)は1.75(横書きだと改行の多い文書はスカスカに見えるので1.6ぐらいがいい塩梅だと思う)
body.vertical
縦書きの指定。bodyと同じ。
body.horizontal
横書きの指定。
writing-mode:horizontal-tb→横書き(horizontal)で、上(top)から下(bottom)という指定。
.vertical と .horizontal を作っておくと、ページ単位で縦書き/横書きの指定が簡単。
「本文はデフォルトの縦だけど奥付は横書き」とか「扉ページ=縦書き中央配置のページを作るための小細工のため」に使う。
縦中横
縦書きに混じる!?や平成25年、ABCなどの半角英数字や記号などを正立させる。リーダーによって何文字まで正立するか違いがあるので、2文字ぐらいまでが安全なところかな。
縦書き関連はここまで。
以下はわたしが普段使い回ししている=使用頻度の高いスタイル設定
傍点
sesamiはゴマみたいな形、dotは丸。縦書きの場合はゴマ、横書きの場合は丸というのが好み。
h(見出し)タグ
何も指定をしないと、リーダーのデフォルト設定となり、思った以上に大きい文字になることが多いと思う。ので、ここで文字サイズなど指定しておく。
imgタグ
google play ブックスなどの場合、デバイスの表示領域以上の大きいサイズの画像を全部表示しようとして画面をハミ出してしまってびっくりすることになる。なのでここで最大サイズを100%と指定しておく。
(kindleはmax-width、max-heightに対応していないので、kindlegenで変換すると警告がでるけど無問題)
pタグ
段落タグ
文書、元テキストは段落単位にしておくのが基本。リフローは改行位置が決まらないので、改行したければBRタグを使うか、空のpタグを使う。
p.line-indent1
リーダーのデフォルトがどうなってるのかよくわからないので、行頭の一字下げはなしにしておいて、行頭字下げのコントロールはスタイルシートでする。
p.paragraph-indent1
段落を字下げしたいリクエストもあるので用意しておいた
扉ページ(縦書き中央配置)
具体的なXHTMLと指定のしかたはこちら→ 『EPUB3リフローレイアウトで扉ページ』
ページを横方向にして、縦書きにしたいタイトルを入れたdivなどのブロック要素をセンタリングして、ブロックの中を縦書きにする。
他、もろもろ本体は 『macOSでEPUB3作成』 にあるMac版、Windows版のeasy_epub.zipの中に入っています。このツールで作ったファイルをそのままkindleの登録に使ってます。
電子書籍のスタイルシートは 「緊デジのテンプレート」 なども公開されていて、中をみるといろんなパターンがあってとても参考になります。おすすめ。
わたしがEPUB3を始めたきっかけは以下の記事とCSS。ひたすら大感謝です。
・ 期待の電子書籍フォーマット『EPUB3.0』で電子書籍を作ってみよう
・ 草枕を作ろう 縦書きHTML簡単作成ガイド
» ローカル環境で電子書籍を作る、Macアプリ・Windows版ツール 「かんたんEPUB3作成easy_epub」
モリサワMCBookからEPUBに
モリサワのMCBookという電子書籍ソリューションパック
https://www.morisawa.co.jp/biz/products/mcbook/
大雑把に、InDesignなどメジャーな組版ソフトで作ったデータを変換、編集してapp storeなどの電子書籍アプリにするもの。
モリサワのフォントが使える、印刷現場・DTPではメジャーなモリサワということで発表当時話題になったのを覚えている。使ってみたい!と思ったら法人契約限定だったのでがっかりした記憶。
ところが iBookstoreオープンでAppStoreのブックカテゴリは、単純な電子書籍アプリは審査が通らなくなってしまった。 『AppStoreの電子書籍アプリは終了』 (2013/3/31)
AppStoreでアプリとして販売していた電子書籍をEPUB3にしてkindleやiBookstore、googleで販売、という流れに。(AppStoreで電子書籍アプリを販売している版元、制作会社はもちろん、電子書籍を作るためのアプリを制作販売しているところもダメージが大きいよなあ)
モリサワのMCBookはEPUBも出力できる。
…んだけど、わたしが預かったデータはEPUBチェックであっさりエラー。バージョンによるかもしれない。こいつをEPUBチェックを通るようにして、目次などナビゲーション文書をつける。
バラして中を見ると、構成は約束通りのEPUBパッケージ。問題が以下の3点。
・toc.ncxがあって、プロパティのnavを指定されているnav.xhtmlがある。ところが、このナビゲーション文書、本文の最初のページが記述されているだけで目次の役に立っていない。
・本文中にエラーになるタグがある。
・スタイルシートでモリサワのフォントが指定されいている。
ナビゲーション文書の作り直し。
content.opfはxmlなので、Data::Dumperで確認して、XML::Simpleで解析。フォルダ構成を見直して、再構築する。(「理解・分解・再構築」(c)鋼の錬金術師) 改めてcontent.opfを作り直して、nav.xhtmlは新規に作成。
XMLの長所・利点というか、こういう標準化された記述方式は、アクセス、理解が早くて助かった。
本文中のエラータグは適当にストリップ。ルビ関係のタグ程度だった。
モリサワのフォント指定は、明朝・ゴチックに太字をまじえてそれっぽく指定しなおし(ビミョーな感じ、というかやっぱり違和感。こればかりはしょうがない)
上記3点を直して、EPUBチェックもValidで通るようにした。
落とし穴だったのがkindlegenで警告。
max-width max-height
column-width -webkit-column-width
の4つのCSSプロパティは対応してないから削除した、と。
なんか見た目、変だよなあと思ってた扉ページや小見出し、画像表示などの部分かな。kindlegenが削除したのはレイアウトがらみのプロパティ。目視チェックで確認しながら、それっぽく指定しなおした。
別の話。AppStoreの件はかなり深刻らしく、廃業・事業変更なんて話まであるらしい…て、それだけAppStoreでの売り上げがよかったってことだなあ
» ローカル環境で電子書籍を作る、Macアプリ・Windows版ツール 「かんたんEPUB3作成easy_epub」
kindleの目次が相変わらず。
アクセスログを眺めると、いまだに「kindle 目次」あたりの検索ワードで当サイトへの着地が多い。電子書籍制作に関するノウハウ系はもう収束・終息かと思ってたけど、そうでもないっぽい。
InDesign(今日時点のクラウド版)の吐き出すEPUB3だと目次が使えない、という話を最近聞いて中を見せてもらった。
EPUBチェックではエラーはない。でも、kindlegenでmobiファイルに変換してプレビューワで確認すると「目次」と「最初のページ」が定義されていない。最初のページは(現時点だと)指定がなくてもビューワーが適当適切なページを開いてくれる。でも、目次が指定されていないと、KDPの審査ではねられる(たぶん)
てことで、InDesignが吐き出したEPUB3で、目次を使えるようにした時のメモ書き。
やったことは以下↓
OEBPSフォルダのファイルの中から toc.ncx を削除。
content.opfの
・toc.ncx の記述を削除
・spine の toc=ncx を削除
・spineに、idref=toc (toc.xhtml)を追加
toc.xhtmlに
・landmarksを追加(カバーや目次、本文開始ページなどの指定)
細かいことをいうと。
content.opfのmanifest部
・プロパティのnavを指定されているのは toc.xhtml
…なのに、InDesignの吐き出すEPUBでは、toc.xhtml には目次などを指定するlandmarks部がない=カバーや目次、本文開始がわからない。かといって、toc.ncxがnavに指定されていないのでビューワーは目次がわからない。
目次(ナビゲーション)を使うためには最低限
・content.opfのmanifest部で property に navを指定されたxhtmlファイルが必要。
・navを指定されたxhtmlファイルには目次とランドマークの記述が必要。
この2点。
EPUBチェックに通っても、kindleではねられたんじゃ意味がない。プレビューワーの本の情報をチェックして要確認。
Sigilにしても、InDesignにしても、それなりの評価のあるツールもEPUB2でいいんじゃね?ぐらいにしか考えてないように見える。
日本語の縦書きに対応したのはEPUB3から。欧米の横文字はEPUB2あたりでいいんだろうけど、こっちは困る。なまじ定評のあるツールなだけにそれなりに広く使われていて、いい迷惑だ。
toc.ncxを吐き出すようなツールはとっとと退場してくれ。
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