webkitが分裂するのか
Appleとgoogleが中心となって開発、採用してきたレンダリングエンジンのwebkit。今度googleがそのwebkit陣営から分かれて独自のBlinkというレンダリングエンジンの開発、採用するというニュースにびっくり、というかげんなりというか。
この結果、webkitは少数派に転落。今後はBlinkがシェアを握る、とか。
https://ascii.jp/elem/000/000/778/778554/
今まで、WEBサイトを作っていて、表示や動作をチェックするのは
・webkit → chrome safari
・gekko → firefox
・trident → IE
の3つだった(って、IEはもうほとんどノーチェック)のが今後はBlinkが増えて4つでチェックすることになる。
動画配信のECサイトのに在籍していた頃の悪夢が再びみたび。当時はアクセスログからもユーザーの8割はIE。
IEをターゲットに作ってWEB標準に合わせる vs WEB標準で作ってIEを別扱いにする
どっちにするか議論した結果、開発時点ではWEB標準の firefoxとchromeをターゲットに作って、IE用に別スタイルシート、ということでやっていた。そちらの方があちこちにノウハウもあって断然効率的だった。
同じソースを表示させてなんでこんなに違うんだ、と。IEの素行の悪さに殺意さえ覚えつつ。
webkitもBlinkも、FireFoxのGekkoに代わる?新しいServoも、WEB標準だろうからそんなに酷い違いは出ないと思いたい。
電子書籍もまったく同じ。アプリやデバイス、リーディングシステムで見た目が変わるのは勘弁してくれ。
「いつどこでだれが見ても同じものを」というのは紙媒体にはかなわない。
ユーザーに優しいかどうかは別の話になるけどね
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電子書籍の目次が難しい
無職50代の請負仕事に、電子書籍EPUB3ファイル制作もやってる(年金まで食っていかないと)
以前も書いたように元になるデータはHTMLだったりワードだったり。
電子「書籍」ということで、目次も凝ったデザインレイアウトを求められることがある。でも、いわゆる書籍の目次と違って電子書籍の目次は「ナビゲーション」で、アプリやデバイスなどのリーディングシステムと密接密着。
使えるタグが限られている。
https://www.idpf.org/epub/30/spec/epub30-contentdocs.html#sec-xhtml-nav
使えるのは、hタグ、リストタグ(ol li)、ハイパーリンク aタグに、spanタグぐらい。
WEBのHTMLのようにdivタグ使ってコンテナごとにデザインレイアウトはできないっぽい。また、リストタグの中はaタグかspanタグで装飾されている必要があって、テキストをナマで置いたり改行のbrもエラーとなる。
クライアント、デザイナーさんに説明してもらえるとありがたいんだけど、それが難しい場合もあるようで…となると、本来やっちゃいけないと思いつつ、下請けに「No」はない。
ナビゲーション文書(nav.xhtml)とは別に「目次」を作って並べてしまう。その時、ナビゲーション文書がspineに入っていると(kindleの場合?)「linear=no」にしても表示されてしまうので、spineから外しておく。
epubcheckでエラーにこそならないものの、しっかり警告されるし、mobi化してプレビューワーでチェックすると、ナビゲーションは未定義になってしまう。
内容が変更になった場合など、目次をふたつ書き換えることになり、ミスの元となる。
電子書籍の特性を認知してもらうにはまだまだ時間がかかりそうで。そうこうしているうちにいろんなEPUB3ファイルが出回ることになるなぁ。
…うーむ。こりゃ石を投げられてもしょうがない、おれ。
twitterで情報をいただきました。ありがとうございます!
ナビゲーション(nav.xhtml)のlandmarksでHTML目次を指定すればイケる、とのこと。
(でも、変更時のメンテが面倒なので、ナビゲーション文書ひとつでやりたいなあ)
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だったらお前がやれよ
「こうすれば売れる」「読者を掴むためにはこんな方法がある」
てな記事、言説にはうんざり。いや、ひとさまの商売の邪魔をしちゃいけないなあ、と思うし、他人を否定するようなことをいうと自分に跳ね返ることが多いし、運気が下がりそうなので言いたかないけど。
タイトルどおり「だったらお前がやれよ」ということってどうなの。それもドヤ顔で。
特にまだ若い電子書籍界隈では、こうすりゃ売れる・こんな書き方構成にすべきである、なんてのがわさわさ湧いていてうんざりするばかり。
自分の成功例を元に騙る・語るならいいけど、キミだれ?なんか売れてるものあるんだっけ?というのが何かを言ってても説得力ゼロじゃないのか。
(はっきりと正解があるようなものなら別だし、カウンセリングのように寄り添う形で一緒にやるようなものはまた別)
小説の書き方なんて作家さんで違う。「売れる書き方」なんてありえない。出版社や業界都合で今この時売れているものはあるけどその通りにやったところでどうなの。
元底辺エロ出版社のチンピラ編集者程度でエラソなことは言えないけど、少なくとも20年は編集者としてやってきた。
漫画家さんが、売れてる漫画家さんのレプリカのような原稿を持ってきた時は、割と真面目に怒った。
「悪いけどコレはいらない。だったらさ、ギャラ積んで××センセに頼めばいいだけだよ?あなたに頼む意味ないよね」
もちろん。好きな作家さんがいて憧れて、好きな作品があって、自分もあんな風に書きたい、あんなのを描きたいと思って描くのは、誰しもスタート地点。
だけど、売れなくて思い悩んで、そっくりそのまま(キャラやストーリー、コマ割)やっちゃ、いったい何のために描いてるんだ?と。
読者からの反応なんてあれば超ラッキーで、ないのが当たり前、本を出してみて数字になって初めてわかる。指針・指標などなく暗中模索・五里霧中、それでも描きたい・書きたいという意思の力が必要で、それを才能という。
なので、作家・クリエイターを尊敬するし、応援していたい。
[04/21 22:00:28] 追記。
いや、奇麗ごとじゃなく。
ぶっちゃけ、売れセンの模倣、目先の2〜3本はありがたいんだけど。単行本ラインナップに入ってもらおうと思ったら、レプリカだと2冊も続かない。それだと商売としてよろしくない、ということがあった。
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日野裕太郎作品立ち読みサンプル増量
日野裕太郎の作品の一部ですが、立ち読みサンプルを増量しました(PC版のSafari、chrome限定)
各々リンク先で、小説の50%〜70%ほど読めます。
日野裕太郎って誰?聞いたことないけどどうなの?
けっこう面白いかもしれません。ぜひ立ち読みしてやってください。
本編は kindleストア と ibookstore にて絶賛発売中です〜!
ほか、日野裕太郎作品のレビューはこちら→ https://t2aki.doncha.net/?id=1360323148
しかし。今日時点で、cssのwriting-modeでの縦書き表示ができるのはSafariとChromeだけということに愕然…なんかなあ。
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ミドル世代のキャリアデザイン研修
ミドル世代30歳〜54歳の中でも後期ミドル45歳〜54歳の失業者を対象とするセミナーに行った。
(『ミドル世代(30〜54歳)の仕事探し』 https://t2aki.doncha.net/?id=1363929759 の続編)
たぶん。こういうのを受講する(?)のは初めて。
自分の強み・弱み、棚卸しならぬ自分の資源探し、キャリア構築のためになどなど。目標を設定してそこから演繹法で、自分にはどんな材料があって目標に行くまでに何をすべきか、とか。
うーん、よくわからん。
そもそも。わたしがこういうセミナーに行った理由。
・わたしのキャリア(雑誌やWEB制作)を生かした仕事は52歳という年齢で就職のクチなどない。
↓むしろ今までのキャリアにこだわるのはかえって就職を妨げる歳というのを認識すべきであると言われている。
↓では年齢を軸にした時にどのような仕事があるのか具体的に知りたい。
↓とはいえ、まったく未経験の仕事は不安である。
・年齢相応の仕事とその内容について、また、そういうものでつとまるのか前例を知りたい。
ということ。
だけど、ワークショップ。
「今までやってきたことを書き出しましょう」「おいおい、それが通用しないから来たんだよ」
「強みを、自分の資源として認識しましょう」「おいおい、それが通用しないから来たんだよ」
と、すべてにおいて同じ返答が出るだけだった。口にはしなかったけど。
今までやってきたことの自己振り返りシートなど、元気づけようとしてくれてるのはよくわかった。ありがたい話だ。でも、欲しいのは具体的な話・情報。50代になってもありつける仕事の話だ。
「目標設定しましょう」「メシが食える仕事が欲しい」
「目標設定しましょう」「毎日ニコニコ笑ってシアワセに暮らしたい」
50代で就職はひたすら厳しい。とりあえずフリーター・個人事業主として食いつなぐだけだ。
すごく余計なお世話だけど、若いうちに手に職をつけるか、人脈をきちんと作っておかないと50前後になって、わたしのようにただただ落ち目で食えなくなっちゃいますよ。実体・実態のないノマドだなんだで踊らされてると何の実績もないまま50歳になったら大変です。
文字通り額面通りの「老婆心」
年金まで頑張らないとなあ。
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電子書籍無料キャンペーンの効能
電子書籍の価格設定は悩ましい、というネタで以前書いた。無料キャンペーンをするのは「作者作品を知ってもらうため」
『KDPの価格設定、バーゲン?』https://t2aki.doncha.net/?id=1359633724
「本を売るために」なにがしか無料キャンペーンの効能はきっとあるんだろう。データを見ればきっと有料購入に繋がることもあるんだろうとは思う(実際ウチの場合も、無料を読んで面白かったからと、有料本も買ってくれたかたがいらっしゃる)
それでもあまり積極的になれない。
ネットを見ると(自分の観測範囲)
相変わらず「ネットはタダ」と思ってるユーザーが大半のように見える。
目先の客(UUだのPVだの)が欲しくてタダでコンテンツをバラまくWEBベンチャーが多いように見える。
曰く。収益は広告モデルなので、ユーザーさんには課金しません。
きっと当初は理想もあったんだろう。でも実際のところはどうなんだろう。
広告収入のためにエサとしてコンテンツを集める。広告収入がいくらになるかわからないし、エサに金などかけたくない。ましてやエサ=コンテンツに対する敬意などどこにもない。
広告収入のためにエサとしてユーザーを集める。タダのコンテンツで集まってくるんだからテキトーなものを放り込んでおけばいい。集めさえすれば広告収入となる。
広告に金を出す企業側。まだまだ不景気だ、実際に金を掴んでこない広告費なんて少しでも削って営業部隊に金を回そう。
かくして、ネットは金にならない・金にするのが難しい(最近のカタカナ言葉でいうと「マネタイズが難しい」)となる。収益は広告モデルです、なんて言ってるうちにモノがどんどん劣化していく。
気がつけば、夢のWIN・WINがLOSE・LOSEみんな負け状態になりかねない。
ようやく立ち上がってきた電子書籍は、読者が本を直接買う(買うと書くとDRMうんぬんとツッコミが入るけど、いちいち面倒なのでここでは「買う」)
ビジネスモデルなどと小難しい言葉の入る余地なく、気に入ったものに・好きなものに、お金を払う。昭和の昔から変わりなく当たり前にあるシンプルな世界。
電子書籍というパッケージの登場で、やっとネットでコンテンツに対価を支払う、という空気が醸成されつつある。なので、無料本・無料キャンペーンは慎重に様子をみながらやろうと思う。
前方に広がる焼け野原を繰り返したくないよなあ。
[12/08 21:25:07]追記。
当面、無料キャンペーンはやらない。
iBookstore、 google playで無料頒布が可能。有料のタイトルを無料キャンペーンにするのではなくて、告知用に最初から無料本を用意して、iBookstore、google playを利用する。
↓こちら
『ibooks と googleブックスの無料頒布作品』
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