コミティア108・第18回文学フリマ
昨日5月5日は、ビッグサイトでコミティア108、東京流通センターで第18回文学フリマが開催された。だらだらと当日の日記雑記。
どちらも「ゆりかもめ」「東京モノレール」と、わたしなど普段あまり乗ることのない乗り物で辿り着く日常とは隔離された場所。
「ゆりかもめ」はゆったり大きく広がる湾岸の景色を眺めながら、「東京モノレール」は異様な速度と震動でビルの間を縫って走る花屋敷的スリルを味わいながら。
ウチは第18回文学フリマにサークル参加。
なんだけど、旧知の漫画家さんからコミティアにいるので久しぶりに会いませんかとついったでDMが飛んできていたので、文学フリマは搬入を手伝って(荷物運びして)その後はスグにビッグサイトのコミティアに出かけた。
「流通センター駅」からモノレールで「天王洲アイル駅」下車、りんかい線「天王洲アイル駅」から「国際展示場駅」へ(今日時点、片道534円。所要時間は30分弱)
ねぐらなおさん(https://twitter.com/neguranao)のところに久しぶりに。
たしか3〜4年前のやっぱりティアで、ちらっとだけご挨拶したぐらいでべちゃくちゃしゃべったのはほんと久しぶり。彼には東京三世社時代にずいぶんお世話になった(漫画部門立ち上げ時のレギュラーラインナップ)
いろいろもろもろ厳しいエロ漫画の話や、Jコミでの配信や電子書籍の話などなど。
簡単じゃないという認識だけど、基本的にポジティブなひとで、次の展開もなんとかしなきゃという相変わらずのバイタリティ(体型はすっかり丸くなってたけど、わたしも髪も歯も抜けてるのでお互いさま、だな)
永山薫さん(https://twitter.com/Kaworu911)のところにも。
やっぱり3〜4年前のティア以来。
筑摩書房から『増補 エロマンガ・スタディーズ』が出たばかりで、もし置いてたら買おうと。
やはり相変わらずのエネルギッシュ。この世代は元気なひとが多いような気がする。
その後はいわゆる文芸島(創作文芸、小説同人誌のサークルが集まっている一画のこと)をうろついて、見知った顔を見かけてはひやかしたり、目当ての同人誌を購入したり。
文学フリマとバッティングしてるので双方気にしてるひとたちがいたけど、実際のところはどうだったんだろう。コミティアを歩いてみた限りひとも多くてかなり活気づいていたように見えたなあ。
kindleが始まった2012年暮れのコミケや13年早々のティアなどで「かんたんだからスグやりましょう!」などと煽って回ってたんだけど、その後いろいろ話を聞いたりすると。
その1。
「青空記法でEPUB3ファイルを作れる」〜「パソコンが苦手」まで幅がかなり広く
その2。
税金の手続き?なにそれ?
ということで、今は誰彼かまわず無責任に勧めることはやめた。
制作は誰かに頼むことも可能だけど、税金の手続きについては(代行業者に頼むにしても)自分でやるしかない(appleのアプリは日本で税金処理するのでこんな面倒はない。日本で商売するんだから、Amazonもgoogleも税金処理についてはappleを見ならってほしいもんだ。今回のコミティアでKDPについての講座に出くわしてビックリしたけど、制作の話じゃなくて、税金の手続きについては説明があったんだろうか)
声かけしたサークルさんには。
電子書籍のダウンロード数に期待はしないほうがいい。今はまだ、たぶんイベントでの瞬発力には敵わない。
とはいえ。
イベントで購入してくれたひとが、ほかのも読みたいと思ったときにスグに手に入れられるのは電子書籍の最大の強み。その機会を逃さないし、次のイベント売りにも繋がる(現に電子書籍でも読んでいて同人誌も読みたくて、というかたが前回の文学フリマでは何人かいらっしゃった)
広くいろんなチャンネルを使って地道に継続、ということ。効果はすぐに見えないだろうけど、やってさえいれば何かに繋がる。…と毎度のお話&布教活動。やるなら無償でお手伝いします!と。
コミケもティアも文学フリマも、目の前にこれだけのコンテンツがある。これらが電子書籍となって電子書籍のストアに並ぶようになると全体のボリュームが膨らむ。電子書籍が日常になる。
そうなればウチで並べてる本もどこかで見つけてもらえる可能性が1mmぐらいは増えるはず。
コミティアは漫画や小説、評論などばかりじゃなくて、アクセサリーやコミティアが主催のイベントや展示もあって、歩いていて目に飛び込んで来るものにいちいち驚きや発見があって楽しいイベント。飽きずに歩き回って気がついたら足がへろへろ。
その後、仲間内の文学フリマの打ち上げに合流。
文学フリマの方は3タイトルが完売と、こちらも活気があったようでやはりバッティングの影響はあまり感じられなかった、かも。
イベントまみれの楽しい一日でありました。
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今年は年末年始休暇が長いらしい
クリスマスが終わったら今年もあと4日、いよいよ年末。フリーターに年末年始は関係ないけど、仕事をいただいているところは27日終了、年始は5日からというパターン。年内の電子書籍制作はあと2~3本か。
ウチは今年の冬コミ、初落選。とはいえ、あの熱気の中に身を置くのは刺激になるので、大みそか31日は一般参加で行く予定。例年と同じくコミケが終わったら今年一年の終了。
今年は上下左右・右往左往のダッチロールだった。
電子書籍がらみでは。売り上げ不振でひとが辞めたり業務縮小したりのあおりを食らったり、かと思えば、小さいながら新規でお仕事をいただいたり。
WEBの保守運用業務が安定していただけたのでかろうじて。
ていうか、これじゃ食っていけないので困ったことになったなあ。
制作に関していうと、中国でやりますのでとリフロー1コンテンツ****円や、固定レイアウト***円、なんていう噂(真偽未確認)も聞こえてきたのでクラクラするばかり。
んな値段で受けてたら、日本の高校生アルバイトの日給にもならない。ほんとかなあ。
文字中心のシンプルなものなら一日あれば数コンテンツは形にするけど、定期的に大量受注ができないととてもやっていけんわな。
今のところ、知る限り1コンテンツ15000~30000円が相場なんだけど。
自分のところで出してる電子書籍に関しては、年始から春ぐらいまでは先行者有利で(kindleで)それなりに売れてたけど、夏過ぎたら勢いはなくなった(無料も入れて4桁)ただ、これは出し続けてナンボ・積み上げてナンボだと思ってるので悲観はしていない。むしろ、積み上げてからが楽しみ(にしても、iBookstoreが思ったほど動かないし=無料を入れてやっと3桁、google playはどこにあるんだか…)
来年は、kindleを中心とした電子書籍、コミケやコミティア、文学フリマなど同人誌即売会のほかのチャンネル=販路のことも考えないと。
まだまだ厳しいけど、種まきしながら、小さなことからこつこつと。
([06:01]数字が一人歩きされるとまずいので伏字修正)
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第17回文学フリマで電子書籍の実感
冬コミに落選したので、我が家の同人誌即売会サークル参加は今日11月4日の第17回文学フリマが年内最後となった。
文学フリマは年2回開催とも参加してきたんだけど、今年の春は大阪開催だったりニコニコ超会議の併催だったりで参加を見送り、一年ぶりのサークル参加となった。
立ち寄ってくださったみなさん、ありがとうございました。
今日持ち込んだ『いずれ早瀬もじくじくと』『遠くで猫は苛々している』の2タイトルが完売してしまって、これらを目当てに購入にこられたかたには申し訳ありませんでした。
どちらも、ウチに在庫はまだ少しありますので、来年2月のコミティアには持って行きたいと思ってます。また、Amazonでの販売もしてますので、よろしくお願いします。
今回、今までと違ったのが。
twitterで電子書籍についてやりとりなどしている方がきてくれて雑談できたのが楽しかったし、購入していただいて嬉しかったこと。
また、kindleで読んで面白かったので他の作品も読みたいといって、わざわざ来てくれて、購入いただいたかたがいらっしゃったこと。
同人誌即売会と電子書籍の個人出版がリンクしてきたなあ、と実感できた。
1が10になるのは簡単だけど、0が1になるのは大変。今回の文学フリマでは0が1になったのかなあ、と。個人が使えるチャンネルでも広がりが期待できると思った。
今回の文学フリマの前に先月20日にはコミティアもあって、そこではまだそういう芽はなかったので、今回たまたまの暢気なお花畑な感想でもあるんだけど、同人誌即売会と電子書籍と両方をやり続けること・新刊を出し続けることが大切だと再認識。
打ち上げのタイ料理もかなり美味で、今日は本当に楽しい一日でありました。
電子書籍も含めた日野裕太郎作品レビューはこちら
https://t2aki.doncha.net/?id=1360323148
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電子書籍の手売り
同人誌即売会と同じく、電子書籍を対面販売・手売りというのは2010年頃に電書フリマというのがあった。
机には見本があって、欲しい本をいうと、登録画面の立ち上がっているノートパソコンにメールアドレスを入力。するとメールアドレスにダウンロードURLが送られてくる、という仕組み。
(https://d.hatena.ne.jp/mirai-contents/20100708/1278601092 このあたりだけど、今は活動休止かな? )
購入した電子書籍(当時はPDF)には購入者のメールアドレスが埋め込まれる。所有欲に対するちょっとした解答、コピー流出に対するちょっとした防御策(特にこだわりがなければ、電子書籍をその場でメール添付して送る、メモリにコピーしてブツを渡す、というのも全然OKだ)
いま、kindleストアやiBookstore、GooglePlayBooksがオープンした状況。それでもイベントなどで電子書籍を直接手売りするのは。
・内容的にkindleストアなどが扱ってくれない(これ、同人誌の成り立ちでもあるなあ。TPPでなにかとかしましい二次創作系などがこっちか)
・イベントはそもそも「本を売り買いする場所」で、一般のかたの購入意欲が高い。
・交流とまで行かなくても文字通り対面で顔の見えるやりとりができる。
・Amazonやibooksの会員でなくても購入できる・してもらえる。
(…って、最後の以外は電子書籍に限った話じゃなく同人誌即売会の良いところ、だ。それを電子書籍にも適用ってことで)
とはいえ、ハードルも。
・そもそも電子書籍をどうやって読むのかわからない(kindleやiBookならわかる)
・同人誌即売会イベントにくるのは紙の本を買いにくる見にくる(紙の本が好きなひと)
前にも書いたように、同人誌市場は年々伸びている(ちょっと古いけど、2010年700億円→2011年690億円→12年は716億円(予想)の市場規模とのこと)昨日まで開催していた夏コミは3日間総計で59万人を集めた。出版の構造不況で悲鳴があがり続けている一方で、個人の側は同人誌や電子書籍など、道すじ・土俵が整ってきてるんじゃないかな。
同人誌即売会イベントなどに参加して紙の同人誌と同じように電子書籍もありますと周知をはかれば、電子書籍側の売上にも繋がる・幅が広がるように思う。
先日、部屋の片付けをしたところ、あちこちにある同人誌をまとめるとけっこうな冊数・量で驚いた。本棚は溢れていて機能してないし…。版元の本は電子書籍になりつつあるけど、同人誌はまだまだ少ない。即売会イベント会場で電子書籍版があったら(装丁、作りにこだわりがなければ)そっちを選ぶかな。
同人誌も、Amazonと同じように、ひとつのタイトルで紙と電子が並んでるとうれしい。
ちなみに。
以前『創作文芸見本誌会場HappyReading』などにダウンロード販売を仕込んだときのメモ。paypalを使った電子書籍のダウンロード販売の方法は以下。
『paypal と 電子書籍のダウンロード販売(その1)』 (2010/6/20)
『paypal と 電子書籍のダウンロード販売(その2)』 (2010/6/21)
3年程前の記事だけど、まだこれでイケるはず。
[08/13 17:24:07] 追記。
電書フリマでは、PDFだけじゃなくて、当時すでにEPUBも売っていたということでした。
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日野裕太郎の作品レビュー
日野裕太郎(下町飲酒会駄文支部)広報担当としてエゴサーチ。
ブログなどでレビュー、感想をいただいているものを勝手にピックアップしてリストにしてます。
みなさん、感想まで本当にありがとうございます!(「読んだよ」「買った」など一言を残してくださっているかたもありがとうございます)※なお、ご迷惑でしたら遠慮なくおっしゃってください(メールやtwitter、お問い合わせフォーム)リンク削除します。
【ファンタジー】
『スコシの領分』『水に咲く花』『歩きながら彼女たちは』『夏がいき、風ばかり熱い』『猫神リスペクト』『星待ち花の揺れる庭』『陽だまりうたた寝若桜』『凛逢妖譚~夜明けの晩の、あやかし語り』
【ホラー】
『でもほら繁殖するしかないの』『おかえりください』『いずれ早瀬もじくじくと』「夏煉喧噪曲 烏有のきみが灯る箱庭』
【ヒューマンドラマ】
『スイング・スイング』『水影に赤をきく』『アロイのやさしい神さま』『遠くで猫は苛々している』
【サスペンス】
『あかるいほうへ』
『スコシの領分』(著者:日野裕太郎・イラスト:ハルノブ)
いずれも典型的なファンタジーではなく、登場人物の心情に寄り沿った叙情詩の出来。基本的に日野裕太郎文学の登場人物はみな人生に対して真摯に生きている
日野裕太郎『スコシの領分』感想:Yuya Sakurai Official Blog
完璧な人間などいない。
――そんなことは誰だって知っているのだろう。だが、ほんの少しのことで人は人を嘲り、罵り、侮り、「欠落」していると烙印を押す。だけど、そんな世界は、悲しいだけだ。スコシはそんな世界を、優しく、ただ優しく眺め――戦慄し、涙を押し殺しているが――、最後まで村人と幼馴染のことを気にかける。
スコシは人形みたいだ。スコシに足りないものがあるとすれば、それは人間を不完全たらしめる欠落だろう。欠落それ自体が足りないのである。作中、主人公であるスコシは、極めて人間くささが排除されて描かれている。
ここにぼくの、余計なひと言を少し加えると、「闇憑きのハコベ」は才覚のない祈祷師と、彼が引き取った子供の話。「探求中毒」は、それから半世紀ほどのち、村へやってきた異国人の話。
そして「スコシの領分」は、主人公のスコシが、さまざまな理由から、やむを得ず神への生贄として村を出立する話
スコシの領分も闇憑きのハコベもやるせないような話で、スコシの領分に至っては3回くらいは泣きそうになった。良い本に出会えた。
日野裕太郎さんの中・短編集『スコシの領分』は、第十三回文学フリマに出展された小説本のなかで、ウェブでの評価が最も高い作品のひとつである。僕も高く評価している一人である
『水に咲く花』(著者:日野裕太郎・イラスト:ハルノブ)
日野裕太郎『水に咲く花』感想:Yuya Sakurai Official Blog
男は多分自分で自分を断罪する。気付けなかった自分を。許される日は、来るのだろうか。
『歩きながら彼女たちは』(著者:日野裕太郎・イラスト:ハルノブ)
日野裕太郎『歩きながら彼女たちは』感想:Yuya Sakurai Official Blog
その一途な想いが痛々しく、「天」すら斥ける愛は、美しい。ラストがただただ、切なく、狂おしく。
『夏がいき、風ばかり熱い』(著者:日野裕太郎・イラスト:ハルノブ)
日野裕太郎『夏がいき、風ばかり熱い』感想:Yuya Sakurai Official Blog
人間に奉仕――臓器提供するためだけに生まれたクローンとそのクローンを愛した男の絶望とクローンから臓器提供される女の子の葛藤。
『猫神リスペクト』(著者:日野裕太郎・イラスト:てぃるよし)
『星待ち花の揺れる庭』(著者:日野裕太郎・イラスト:みさわりょう)
『陽だまりうたた寝若桜』(著者:日野裕太郎・イラスト:みさわりょう)
『凛逢妖譚~夜明けの晩の、あやかし語り』(著者:日野裕太郎・イラスト:ハルノブ)
『でもほら繁殖するしかないの』(著者:日野裕太郎)
KDP小説「でもほら繁殖するしかないの」がすごく面白かった : MMミリオンセラー
ホラー小説なんですが、ゾンビ?というわけでもない。
殺しても何度でも蘇るお母さん。そして、いつか自分もそうなると思っている娘。
このクオリティなら、普通の書店に並んでいても何の違和感もありません。
『おかえりください』(著者:日野裕太郎・イラスト:おおぬまひろし)
- 『おかえりください』サウンドノベルWINDOWS版
- 『おかえりください』本編を加筆修正、6つのバッドエンド分岐シナリオを追加してサウンドノベル化!
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青春ホラー小説『おかえりください』不幸すぎる学校の七不思議ーキンドる速報
伏線は物語のいたるところに仕掛けられており、一度の読了ですべて回収するのは困難でしょう。しかし、最終的に解決するのでご安心ください。本当の恐怖は、すべてを知ったあともう一度読む二周目から迫り来るのです!
でも著者が本当に意地の悪い人間ならばさらに最後にもうひと捻りしたはずだ。そうせずにそのまま終わらせたのは著者の優しさでもあるし、この作品を人間劇として締めくくろうとした決意を表わしていると鯨は受取った。
『いずれ早瀬もじくじくと』(著者:日野裕太郎)
『夏煉喧噪曲 烏有のきみが灯る箱庭』(著者:日野裕太郎・イラスト:ハルノブ)
『スイング・スイング』(著者:日野裕太郎・イラスト:ハルノブ)
日野裕太郎『スイング・スイング』感想:Yuya Sakurai Official Blog
全体を通しての印象は、痛快な青春群像劇。喜びも痛みも飲み込んだひと夏の思い出。甘酸っぱい恋。
誰もが悩みを持っていて、それを肯定していく。悪いことじゃないと言われることや、避難されないことは、とても嬉しいことだと気づかされる。
『水影に赤をきく』(著者:日野裕太郎・イラスト:ハルノブ)
筆者の思惑通りというまるで釈迦の掌にのった孫悟空のような気分を味わえる一冊である
日野裕太郎『水影に赤をきく』感想:Yuya Sakurai Official Blog
成長した少年の前に現れた懐かしい匂い。その意味に戸惑い、目を背け、だが忘れられぬ想い。出会った希望に、清涼な読後感を感じた。
ト・ワンの視点を通してこれがファンタジー小説たりうる意義を確立するまで読み手を揺さぶるべく命を巡る葛藤を描ききった力量に舌を巻く。
『アロイのやさしい神さま』(著者:日野裕太郎・イラスト:ハルノブ)
『遠くで猫は苛々している』(著者:日野裕太郎・イラスト:伊東朔巳)
ライトな文体とどっしり安定した構成力が素晴らしい純文学小説。いい意味で読者を裏切らない展開なので、心を落ち着けてゆったり読める。
『あかるいほうへ』(著者:日野裕太郎・イラスト:にくきうー)
同人系の作家で雰囲気的にグロとか残虐な感じのやつかなって思ってたけどそんなにでもなくて割とスッキリとした感じでいい意味で裏切られた
・日野裕太郎著者ページ→ こちら Amazon.co.jp:日野 裕太郎:作品一覧、著者略歴
・日野裕太郎公式ブログ→ 『駄文の王様』
今スグ読める、ダウンロード販売の電子書籍は以下。
・Kindleストア → こちら
・電子書店パピレス → こちら
徳間文庫より『夜に誘うもの』(日野裕太郎 著 / 斎賀時人 イラスト)が発売中です。
みんな気持ちいいっていうよ。吸われながらやられると、たまんないんだってさ。仕事の傍ら、亡父の親友である笠原神父を手伝って炊き出しのボラ ンティアをしている雪。 ひとりで無人のビルに入った彼女を、美しい青年の姿をした吸血鬼・緋柊が襲った
※ 電子書店パピレスなどで配信していた電子書籍を大幅に加筆修正した新たに一冊にまとめたものです。5つの官能ホラー短編が入っています。
読書メーターでもレビューいただいてます。
「夜に誘うもの」の感想・レビュー → https://book.akahoshitakuya.com/b/4198938237
kindle版も発売中!
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読者不在ではない
恒例コミックマーケット。幸いウチは落選することなくここ数年皆勤賞。今回は絵師さんと売り子をしていてべちゃくちゃ。
「コミケにくると安心するよね」
なぜか。
「これだけたくさんの読者がいるっていうのを目の前で実感するからなあ」
「読者不在の予感」 https://t2aki.doncha.net/?id=1331517100
「Kindleで買える創作文芸 同人小説」 https://t2aki.doncha.net/?id=1352623756
と、読者が見つからない、という真逆の記事も…ではなくて、これらは小説同人に読者を!という記事
実際、コミケは作る側も買う側も、熱気活気があふれている。一般参加者=購入専門=読者が、各サークルのスペースを見て回り、本を手に取り、購入していく。これを目の前で見ると「読者不在?なにそれ」だ。
じゃあ実際、今回のコミケで同人小説を売ってるお前んとこはどうだったんだ?というと。コミケでは二ケタのそこそこいいところまでは確実に売れるし、今回も同様。ここんとこ皆勤賞ということもあってか、ウチを狙い撃ちで買いにきてくれる常連読者さんもついてくれたようで、参加のたびに手応えは良好。
ネットしか知らない・小さな規模の同人誌即売会しか知らないのに、書き手しかいない・一般参加者がいない、などというのはどうなの。ネットだと、書き手が自分語り・自分上げをして身内の褒め合いを大声でやってるから目立つだけ。小さな規模の同人誌即売会は一般参加者はいなくて当たり前の部分もある(本来、同人誌即売会というのは、自分で作った本を持ち寄って、というのが出発点だし)
自分の観測範囲だけで全体を語る視野狭窄、想像力の欠如、勉強不足の棚上げ。
山のてっぺんにのぼって見渡して、はじめて裾野の広さがわかる、ということもある。講釈やノーガキ、言い訳はいいから、一度コミケにいくといい。行って目の前で起こってることを実感したほうがいい。読者の目線や、運営の方法など、細かいところまで気づくことがたくさんある、はず。そんなこんなの積み重ねの結果が、コミケで、サークル参加・一般参加の盛り上がり、熱気活気となっている。
もちろん、その一般参加者=読者を自分の読者にできるかどうかは別の話だし、小さな規模の同人誌即売会に呼び込めるかも別の話。
ということで今年のウチのイベント参加はコミケ1日めで終了。足を運んでくださったみなさん、購入いただいたみなさんありがとうございました。
今日は正月食材の仕込み、明日はコミケ3日めの打ち上げと忘年会に参加。
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