EPUB電子書籍作成無料ツール・サービス
今日の電子書籍の会(小説同人誌の知り合いたちの電子書籍雑談会)でもちらっと喋ったんだけど、電子書籍ファイルを作ることはそれほど難しいものでもなく、小説のような文字テキストが中心でシンプルなものなら無料で使えるツールやサービスがある。
まず、手前味噌。たぶん一番簡単なのはウチのWEBサービスだろうと思う。
「EPUB3::かんたん電子書籍作成」 https://books.doncha.net/epub/
小説本文のテキストファイルと表紙画像1枚用意すればそれっぽい電子書籍ファイルにする。
ワンランク上を目指すなら、デザインやレイアウトを細かく指定・設定できる
WEBサービス「でんでんコンバーター」 https://conv.denshochan.com
ローカルツール「AozoraEpub3」 https://www18.atwiki.jp/hmdev/pages/21.html
がオススメ。
指定・設定の仕方は、でんでんコンバーターは でんでんマークダウンのマニュアルも用意されている し、AozoraEpub3は 青空文庫の記述方式 がそのまま使える。
また手前味噌で
ローカルツール「かんたんEPUB3作成easy_epub」 https://t2aki.doncha.net/easy_epub
もオススメ。細かい指定はできないんだけど、CSSやHTMLの知識があればいろいろいじれる。また、wordの.docxをそのまま読み込める。
上記のWEBサービス、ローカルツール(←パソコン上で使うツール)はどれもエラーのないきれいなEPUBファイルを作っていて、わたしの知る限りkindleでの販売実績は多数ある。ibooksやkobo、google playブックスでも問題はない。
BCCKSやパブーなどEPUB電子書籍ファイルを作ってくれる企業が運営しているサービスはどうなの? 「無料で電子書籍を制作販売できるサイト」 で紹介してたよね?と突っ込まれると
・新たな会員登録が面倒くさい
・ブログを書くのもその書き方を覚えるのが面倒くさい
てことだったので、電子書籍ファイルを作るということにフォーカスするなら、手前味噌も含めて上記の3つがオススメ。
電子書籍の位置づけはみんな違うけどどうなんだろうとか、小説書きのゴールって?とかいろいろ面白い雑談会だったなあ。そのあたりのことはうまくまとまったら以下次号。
(2次会というかメイド喫茶に移動ということで、メイド喫茶初体験だったのに、メイドじゃなくて浴衣のねえちゃんたちでガッカリだった!)
» ローカル環境で電子書籍を作る、Macアプリ・Windows版ツール 「かんたんEPUB3作成easy_epub」
第17回文学フリマで電子書籍の実感
冬コミに落選したので、我が家の同人誌即売会サークル参加は今日11月4日の第17回文学フリマが年内最後となった。
文学フリマは年2回開催とも参加してきたんだけど、今年の春は大阪開催だったりニコニコ超会議の併催だったりで参加を見送り、一年ぶりのサークル参加となった。
立ち寄ってくださったみなさん、ありがとうございました。
今日持ち込んだ『いずれ早瀬もじくじくと』『遠くで猫は苛々している』の2タイトルが完売してしまって、これらを目当てに購入にこられたかたには申し訳ありませんでした。
どちらも、ウチに在庫はまだ少しありますので、来年2月のコミティアには持って行きたいと思ってます。また、Amazonでの販売もしてますので、よろしくお願いします。
今回、今までと違ったのが。
twitterで電子書籍についてやりとりなどしている方がきてくれて雑談できたのが楽しかったし、購入していただいて嬉しかったこと。
また、kindleで読んで面白かったので他の作品も読みたいといって、わざわざ来てくれて、購入いただいたかたがいらっしゃったこと。
同人誌即売会と電子書籍の個人出版がリンクしてきたなあ、と実感できた。
1が10になるのは簡単だけど、0が1になるのは大変。今回の文学フリマでは0が1になったのかなあ、と。個人が使えるチャンネルでも広がりが期待できると思った。
今回の文学フリマの前に先月20日にはコミティアもあって、そこではまだそういう芽はなかったので、今回たまたまの暢気なお花畑な感想でもあるんだけど、同人誌即売会と電子書籍と両方をやり続けること・新刊を出し続けることが大切だと再認識。
打ち上げのタイ料理もかなり美味で、今日は本当に楽しい一日でありました。
電子書籍も含めた日野裕太郎作品レビューはこちら
https://t2aki.doncha.net/?id=1360323148
» ローカル環境で電子書籍を作る、Macアプリ・Windows版ツール 「かんたんEPUB3作成easy_epub」
身内仲間内ではないところ
kindleなどの電子書籍も、同人誌も同じ。身内仲間内じゃないところにどうやって広がって行くか。そこが難しい。
書評家の豊崎由美さん( @toyozakishatyou )などが発言していたと思う。
作家が作り上げた小説を読み込んで解釈し、作家にフィードバックして作家を刺激して、さらに作品は磨き上げられる。ひとつの作品が独り立ちして広く読まれるのは作家、編集、書評家の相乗作用があってこそ(超意訳)
どこにウエイトがあるのか、全面的に賛成ではないけど、作品が磨き上げられ広く読まれるために、身内仲間内ではない目利きの読み手が必要だというのは賛成。鉄板の正解だ。
今日時点の、わたしの観測範囲でしかないけど。電子書籍界隈は「書き手」の身内仲間内での盛り上がりで、書店で本を買って読むような「読者」には届いていないように見える。
作品に関する話題にしても「書き手」の他者の作品に対する感想・書評は、残念ながら馴れ合いにしか見えない。返り血を浴びるのを避けてしまうのではないか、と勘ぐってしまう・思ってしまう。
書き手と距離のある・書き手と対峙する読み手こそが必要だろう。
電子書籍はWEBと相性がいい・親和性が高いから読者獲得のためにWEBで展開する、というのはもっともらしいし正しいかもしれない。でも、それではしょせん身内仲間内の範囲にしか届いていないのでは。
twitterに限らずネットは自分が選択したものを見る場所で、自分にとって都合の良い空間。twitterだったら、フォローしているのは同じ属性になりがちだから、盛り上がって見えても、それってゲットーの中だけ。
めちゃくちゃ地味だけど、チラシを刷って地元の書店に持ち込んで頭を下げておいてもらって、日常的に本を買って読む読者の目に触れることを考える。コミティアやコミケなど一般参加者の多いイベントにサークル参加して本を作って並べることを考える。そっちの方が(身内仲間内ではないところの)読者獲得にはいいんじゃないか。
WEBで展開するにしても、自分の見ている範囲ではないところに広げることを考える。
kindleというかAmazonは、WEBサービスがあるので、放っておいても最低限どこかでひと目に触れることになるのが最大のメリット。
とはいえ、きっとそのうち何かの拍子に目にとまることもあるだろうというのは気の遠くなる話で焦る気持ちもわかるし、良いものを書いてれば認められるなんて牧歌的な話もいまどき信じられないし。
わたしは著者作家のコミュニティにはあまり興味がない。興味があるのは読者が集まっているコミュニティ(身内のことをいうと、著者作家のコミュニティは同人誌仲間で足りている。「なにこれ意味わかんないよ」「どうしてこのキャラこんなことしてんの」など血みどろの優しいやりとりがあるようだ)
読書会などを主催している読者グループがあるし、SF大会やミステリ大会などがある。そういったところに積極的にコミットして、貢献もして、協力も仰ぐ。
出版社が会社組織で広報宣伝するならともかく、個人出版だ。地盤看板カバンとは良く言ったもので、そのためのドブ板選挙活動。
先人の言う通り、先が見えなくても、小さなことからこつこつと、継続することが大事。という親戚のおっさんみたいな結論。
でもなあ、継続するのは大変なんだよなあ。そこんとここそ大事。
[05/12 08:36:25] 追記。
ウチの場合は軸足が同人誌即売会。10年以上、20年近くになるのかな。ありがたいことに「新刊ください」という一般参加者さんも少しずつ。また、即売会で個人出版ではない別ルートの電子書籍版元からお声かけいただいて、そちらと(微々たるものとはいえ)印税仕事にも繋がっている。
地道にちょっとずつ。
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PDFダウンロード販売の終了
創作文芸見本誌会場HappyReading では、PDFのダウンロード販売をしてたけど、今日2013年1月6日で終了します。
去年10月25日にKindleストアがオープンしてKDP(Kindle Direct Publising)も公開。個人が手軽に電子書籍販売ができるようになったので、ウチのサービスを使ってもらうメリットはなにもない。販売力、ブランドなどなど、アマゾンのKindleストアに電子書籍を並べるのが、現状では、もっとも良い選択。
さいわい、というか、ウチで並べていたPDFは1本も売れてない(1年も並べておいて)
サービスを終了することのデメリットは特にない。ただ、自分のスキルを見せる(こんなことやってます・できます)名刺がわりになるかな、と思ったけど、去年一年いろいろプレゼンというか職歴・キャリアシート代わりに提示しても反応はなかった。それなら、このPDFダウンロード販売のためだけの「特定商取引の表記」で住所電話番号など個人情報を晒すのは無駄なので、終了して表記も取り下げた。
今後、電子書籍が普及して、専用端末やアプリで野良EPUBやPDFを読む環境が整って、読者側もそれに馴染んで需要があるようなら再開するかも。かなあ。
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読者不在ではない
恒例コミックマーケット。幸いウチは落選することなくここ数年皆勤賞。今回は絵師さんと売り子をしていてべちゃくちゃ。
「コミケにくると安心するよね」
なぜか。
「これだけたくさんの読者がいるっていうのを目の前で実感するからなあ」
「読者不在の予感」 https://t2aki.doncha.net/?id=1331517100
「Kindleで買える創作文芸 同人小説」 https://t2aki.doncha.net/?id=1352623756
と、読者が見つからない、という真逆の記事も…ではなくて、これらは小説同人に読者を!という記事
実際、コミケは作る側も買う側も、熱気活気があふれている。一般参加者=購入専門=読者が、各サークルのスペースを見て回り、本を手に取り、購入していく。これを目の前で見ると「読者不在?なにそれ」だ。
じゃあ実際、今回のコミケで同人小説を売ってるお前んとこはどうだったんだ?というと。コミケでは二ケタのそこそこいいところまでは確実に売れるし、今回も同様。ここんとこ皆勤賞ということもあってか、ウチを狙い撃ちで買いにきてくれる常連読者さんもついてくれたようで、参加のたびに手応えは良好。
ネットしか知らない・小さな規模の同人誌即売会しか知らないのに、書き手しかいない・一般参加者がいない、などというのはどうなの。ネットだと、書き手が自分語り・自分上げをして身内の褒め合いを大声でやってるから目立つだけ。小さな規模の同人誌即売会は一般参加者はいなくて当たり前の部分もある(本来、同人誌即売会というのは、自分で作った本を持ち寄って、というのが出発点だし)
自分の観測範囲だけで全体を語る視野狭窄、想像力の欠如、勉強不足の棚上げ。
山のてっぺんにのぼって見渡して、はじめて裾野の広さがわかる、ということもある。講釈やノーガキ、言い訳はいいから、一度コミケにいくといい。行って目の前で起こってることを実感したほうがいい。読者の目線や、運営の方法など、細かいところまで気づくことがたくさんある、はず。そんなこんなの積み重ねの結果が、コミケで、サークル参加・一般参加の盛り上がり、熱気活気となっている。
もちろん、その一般参加者=読者を自分の読者にできるかどうかは別の話だし、小さな規模の同人誌即売会に呼び込めるかも別の話。
ということで今年のウチのイベント参加はコミケ1日めで終了。足を運んでくださったみなさん、購入いただいたみなさんありがとうございました。
今日は正月食材の仕込み、明日はコミケ3日めの打ち上げと忘年会に参加。
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Kindleで買える創作文芸 同人小説
togetterのまとめ。「kindleで買える創作文芸 同人小説」https://togetter.com/li/402696 というのを作ってみた。
当然ながら、電子書籍にしてKindleストアに並べたから売れる、なんてことはない。しっかり告知広報しないと、そんな本が売ってる・存在していることすら知られない。効果があるかどうか、なんてことをごちゃごちゃ考えてるヒマがあるなら、まず発信。ネットは発信するためのコストなんて安いのだ。無駄かどうかの検証は、タスクが積み上がって大変になってからすればいいこと。
twitterで自分の観測範囲と「#kindle」「#kindlejp」をからめて検索して、コミケやコミティア、文学フリマといったイベントにサークル参加しているひとがKindleストアで同人小説誌を販売していたら、それをまとめに随時追加していく。
バーチャル同人誌即売会みたいになって、本を読むひとたち・読者・イベントでいうところの一般参加者がついてくれれば面白い。
今に始まったことじゃなく。書き手・送り手側は声が大きいのでいいけど、読み手・受け手側は静かでどこにいるのかすらわかりにくい。わたしが見る範囲、ネットの創作文芸界隈というのは書き手の集まりであって、読者不在。限られたイベントでしか手に入らない本は、共通の話題にならないので、変な言い方だけど、読者が育たない、のかもしれない。一般参加者を増やさないと。
その点、AmazonというかKindleで買えるなら、「あれ面白かったよ」「あ、それ読んだよ」ということに繋がる。
togetter の使い方がよく分からなくて、なんかちょっとビミョーな感じだけど、#kindlejp をつけてもらえると探せるので助かります。
・ doncha.netが販売中のKindle本一覧はこちら
KDPの登録に使ったEPUB3→ EPUB3::かんたん電子書籍作成
・ iPhone電子書籍アプリ「小説同人誌Select」もありマス
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